2021年9月7日
沖エンジニアリング株式会社
沖電気工業株式会社
TSCA規制追加禁止5物質分析の様子
OKIグループで信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリング(社長:橋本 雅明、本社:東京都練馬区、以下OEG)は、製品・成型品を対象に米国有害物質規制法(TSCA(注1))への対応をサポートする「米国TSCA規制追加禁止5物質の含有量調査・分析サービス」を9月8日から開始します。米国に製品を輸出する企業をターゲットとして、2021年度売上5,000万円を目指します。
TSCAは、有害な化学物質による人の健康または環境への影響の不当なリスクを防止することを目的として1976年に制定された法律で、米国で商業用に製造・加工、または輸入される「化学物質、混合物または、化学物質、混合物を含有する物品」を規制しています。2021年1月に難分解性、生体蓄積性および毒性を有する化学物質(PBT(注2)物質)5種類が禁止物質として追加され、2021年3月8日から順次適用開始(猶予期間180日)となりました。素材メーカーや製品メーカーは、部品・材料について、これら禁止物質の含有量を確認する必要がありますが、サプライチェーンのグローバル化・複雑化により、サプライヤーから含有量の情報を得ることが難しい場合も多く、規制対応の課題となっています。
OEGは、お客様が製品に組み込む部品・材料に含有された米国TSCA規制の追加禁止5物質について、含有量をお客様に代わって部品メーカーに確認し、お客様から提供されたフォーマット、もしくはケムシェルパフォーマット(注3)形式で回答する「含有量調査サービス」を開始します。また、製造中止の部品や海外メーカー部品など、部品メーカーから含有量の回答が得られない場合は、OEGで含有量を分析する「含有量分析サービス」もワンストップで提供します。
環境規制の強化に伴い、規制対象物質が増加しています。OEGでは、長年提供してきたREACH規則(注4)やRoHS指令(注5)の有害物質調査・分析サービスで培った多くの実績とノウハウを活かし、今回の追加禁止5物質に対する適切な分析手法をいち早く確立しました。お客様は、自社で設備・人的投資をすることなく、米国TSCA規制追加禁止5物質の含有量確認を効率的に行うことができ、コスト低減や時間短縮につながります。
規制物質 | 対象 | 禁止内容 | 適用開始時期 |
---|---|---|---|
リン酸トリス (イソプロピルフェニル) (PIP(3:1)) |
原料 含有製品/成型品 |
製品、成型品の処理 /商業的流通 |
2021年3月8日 |
接着剤および封止剤 | 2025年1月6日 | ||
写真印刷用品 | 2022年1月1日 | ||
2,4,6トリス(tert-ブチル) フェノール(2,4,6-TTBP) |
0.3wt%超の濃度で容器流通 | 商業的流通 | 2026年1月6日 |
デカブロモジフェニルエーテル (DecaBDE) |
原料 含有製品/成型品 |
製品、成型品の処理 | 2021年3月8日 |
商業的流通 | 2022年1月6日 | ||
ペンタクロロチオフェノール (PCTP) |
原料 含有製品/成型品 |
製品、成型品の処理 (閾値1wt%) |
2021年3月8日 |
商業的流通 | 2022年1月6日 | ||
ヘキサクロロ-1,3-ブタジエン (HCBD) |
原料 含有製品/成型品 |
製品、成型品の処理 /商業的流通 |
2021年3月8日 |
米国有害物質規制法。有害な化学物質による人の健康または環境への影響の不当なリスクを防止することを目的とした法律。
難分解性(Persistence)、生体蓄積性(Bioaccumulation)、毒性(Toxicity)の略。
製品に含有される化学物質情報を川上企業から川下企業までサプライチェーン全体で適正に運用するため、経済産業省主導でリリースされたデータ作成支援ツールの名称。
欧州連合が制定した人の健康や環境の保護のために化学物質を管理する規則のこと。
特定有害物質の電気・電子機器への使用を制限する欧州法。