2021年1月20日
OKIのIP映像配信ソリューション「OKI Media Server」を採用して障がい者向けの映像配信サービスなどを展開する株式会社アステム(代表取締役 大嶋 雄三、本社:大阪府大阪市)が、内閣府の令和2年「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」(注1)において内閣総理大臣表彰を受賞しました。
株式会社アステムは障がい者向けIPTVサービスの実現のため、2013年に障がい者、障がい者向けサービス提供者、システム提供者、および学識者からなる「IPTVアクセシビリティコンソーシアム(理事長 亀山 渉)」を設立し、コンソーシアム会員のOKI、慶應義塾大学(塾長 長谷山 彰、所在地:東京都港区)川森 雅人 特任教授、早稲田大学(総長 田中 愛治、所在地:東京都新宿区)亀山 渉 教授とともに、障がい者向けIPTVの国際標準(H.702)(注2)の制定に貢献しました。今回の受賞は、このH.702に準拠したOKI Media Serverを映像配信サーバーとして手話・字幕情報をインターネット配信する「目で聴くテレビ」など、SDGsの理念に対応した障がい者の情報保障等に関するアステムのさまざまな取り組みが評価されたものです。
株式会社アステムは、1995年の阪神淡路大震災で多くの聴覚障がい者が聞こえないために情報から疎外され、生命の危険にさらされたことの解消に向け、1998年より、障がい者向けの手話映像を含むサービス「目で聴くテレビ」の設立に、一般財団法人全日本ろうあ連盟(理事長 石野 富志三郎、所在地 東京都新宿区)、一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(理事長 新谷 友良、所在地 東京都新宿区)とともにコアメンバーとして参加しました。当時のサービスはCS衛星回線を利用したものでしたが、これをIP放送(IPTV)に移行すべく、映像配信サーバーとしてH.702に準拠した「OKI Media Server」を採用し、専用受信セットトップボックス「アイ・ドラゴン4」を開発して、障がい者向け放送サービスの普及に努めています。
OKIは、今後もさまざまなパートナーと協働して社会課題解決に寄与する国際標準化、国内標準化を推進する活動を積極的に進めるとともに、これらの標準に準拠した製品を提供していきます。
2001年11月6日に開催された「バリアフリーに関する関係閣僚会議」において創設され、高齢者、障がい者、妊婦や子ども連れの人を含むすべての人が安全で快適な社会生活を送ることができるよう、ハード、ソフト両面のバリアフリー・ユニバーサルデザインを効果的かつ総合的に推進する観点から、その推進について顕著な功績又は功労のあった個人又は団体を顕彰し、バリアフリー・ユニバーサルデザインに関する優れた取組を広く普及させる目的で、2002年から実施されているもの。
ITU-T H.702 Accessibility profiles for IPTV systems。ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)は、世界規模で電気通信の標準化を目的とした勧告を作成する国連機関。H.702は、ITU-Tの障がい者向けIPTVシステムを規定した2015年に制定された勧告。
IPTVシステムのためのアクセシビリティ標準(ITU-T H.702)を採用した「目で聴くテレビ」の画面構成