平成12年5月26日
沖電気工業株式会社
経営成績
1. 当期の概況
当期のわが国経済は、民間設備投資の増加により期後半から僅かずつ自律的回復の兆しがでてきたと言われるものの、個人消費は依然として不振を極め、全般的には景気低迷の状況が続きました。当社の事業領域におきましては、金融および通信業界の企業再編が進むとともに、いわゆる西暦2000年問題の影響もあり、各企業の投資が抑制され、売上高の確保が極めて難しい市場環境でありました。
こうした経営環境の中で、当社は前期の業績不振から早期に立ち直るため、総固定費の削減を中心とする緊急施策を実施いたしました。さらに、当期を一昨年策定した経営再建のための3ヶ年計画「フェニックス21計画」をひたすら実行する年として位置づけ、事業構造の変革、経営マネージメントの革新、企業ビジョン「ネットワークソリューションの沖電気」の実現などの諸施策を沖グループ一丸となって推進いたしました。
その結果、売上面では市場低迷の影響を最小限に食い止めるとともに、経営の効率化による全般的コスト低減も果たし、「フェニックス21計画」の当期目標である黒字化を達成することができました。
連結売上高につきましては、前期に比べ、電子通信装置につきましては、IPネットワーク関連商品の売上は伸びたものの、通信事業者の設備投資抑制が響き6.9%の減少となりました。情報処理装置につきましては、官公市場において情報化投資が積極的に行われましたが、西暦2000年問題や金融市場における企業の統合再編に伴い投資が抑制されたことおよび円高の影響で海外におけるプリンタの売上高が減少したため、6.9%の減少となりました。電子デバイスにつきましては、ロジックおよびシステムLSIならびに非パソコン向けメモリに注力したことに加え、半導体市況が期後半から上向いたことにより27.7%の増加となりました。
以上の売上高の増減により、全体では、前期の6,731億円に対し0.5%減の6,697億円の売上高を計上いたしました。
次に、連結損益につきましては、経常損益は前期の477億円の損失に対し72億円の利益、当期損益は前期の474億円の損失に対し11億円の利益と大幅に改善し、黒字に転換いたしました。なお、特別損失として、子会社の事業再編損を16億円計上しております。
当社の配当につきましては、誠に遺憾でありますが、未だ収益の回復が十分ではなく、無配とさせていただきます。
2. 次期の見通し
2000年度における当社の最大の課題は、厳しい大競争時代において継続的な発展を遂げるため、「フェニックス21計画」を完遂することでありますが、今年4月には計画の基本施策である経営マネージメントの革新の一環として、カンパニー制を導入し、三つの社内カンパニーと一つの分社カンパニーおよび一つの社内ベンチャーカンパニーを立ち上げました。
当社はこの新体制のもと、「フェニックス21計画」の2年目にあたる今年度を「向上の年」とするべく、守りの経営から攻めの経営に転じて、企画提案型事業構造の構築と新ビジネスモデルの確立を図り、新規市場開拓および新規商品の開発を加速することにより、徹底して売上の増強に励んでまいります。そして、復配が可能となる利益の創出を目標に沖グループの総力を結集して強力に事業を推進し、企業価値を高めてまいります。
次期の業績につきましては次に示すとおりの見通しをたてております。
次期連結業績見通し
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
---|---|---|---|
7,500億円 | 290億円 | 170億円 | 90億円 |
当期比 12.0%増 | 当期比 110.1%増 | 当期比 135.7%増 | 当期比 685.1%増 |
なお、2000年度よりの退職給付会計導入による積立不足額は2000年度期首時点で1,027億円となっておりますが、この償却につきましては上場子会社を除き15年間の均等で行う方針であります。(上記見通しに織り込み済み。)
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