EMS(設計・製造受託サービス)

国内への生産拠点移管にEMSサービスを活用しQCD向上・BCP対策(事業継続計画)を実現

国内回帰(リショアリング)の背景

2000年代に生産拠点の海外移転を進めていた日本の製造業ですが、2010年後半から国内へ生産拠点を移す動きが見られています。(欧米などでも同様の動きがありリショアリングと呼ばれています)背景にはかつて「六重苦(注1)」と言われた状況から一部が徐々に解消され、中国・東南アジアの海外の人件費上昇による生産コスト上昇、輸送コスト上昇、知的財産権侵害や技術流出・米中貿易摩擦による新興国生産リスクの顕在化、平成の間に数々の災害を経験し生産を集中させることのリスクなどの理由によりひと昔前ほど海外で生産する優位性がなくなった事が理由に上げられます。

国内回帰,
国内回帰する企業は増えている

国内回帰(リショアリング)の理由

国内回帰に踏み切った企業の理由には上から順番に人件費、リードタイム、品質管理面、技術面の問題などになっており、環境の変化によって海外生産においてのQCD確保や技術流出など問題ができてきている事がわかります。具体的には、コストについては2000年に日本は中国と37倍あった賃金格差が2017年には6倍まで縮小している背景があります。また同様にタイをはじめ東南アジアなどでも賃金が上昇しています。対して日本の賃金はこの20年以上水準が安定しています。また国内顧客のニーズに素早くフレキシブルに対応するためクイックレスポンスが可能な国内へシフトする動きが見られます。品質管理面については、中国・東南アジアなどは待遇面を重視するため定着率が低く技能訓練を施しても職場全体のスキルアップを図る事は難しく品質が安定しない背景もあります。このようにQCD面で日本との有意差がなくなり国内回帰へつながっています。

国内回帰の理由
人件費・リードタイム・品質が国内回帰の主な理由

各国人件費の推移
韓国はもはや日本と同水準、中国・タイは上昇傾向が継続

国内・海外コスト比較

コストを比較するとこの10年で加工費は上昇しかつ日本の生産性は向上している事から製造コストは縮小傾向であることがわかります。また海外では追加コスト(輸送費・技術派遣費・仕損費)などかかり、トータルコストを考えると、国内生産の方が有利なケースがあります。

コスト比較
国内生産の方が有利なケースも

新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの見直し

新型コロナウイルスの感染拡大は、日本の製造業における海外依存のリスクを浮き彫りにしました。グローバルなサプライチェーンへの影響は大きく、従来の様に規模の経済性を追求した結果海外への依存度が増えるとそのインパクトは大きく、操業停止に追い込まれる海外工場のニュースは連日見ることができます。政府の緊急経済対策にも国内回帰や東南アジアへの多元化などサプライチェーンを強化する支援策を打ち出しています。

国内回帰の問題点

国内回帰においても問題はあります。下グラフは国内回帰における改善を期待する国内立地環境要因のアンケートになります。「工場労働者」「高度技能者」「熟練技能者」など人材面での課題を上げている企業が多いことがわかります。現状では国内に工場に移したくても生産年齢人口の減少によって人手不足が深刻な上、過去の海外シフトで国内の人材が空洞化している状況が浮き彫りになってきています。「工場労働者」「高度技能者」「熟練技能者」が確保できなければ、生産性・品質を加味したトータルコストで現海外生産との有意な状況に立てない(国内回帰の決断に踏み切らない)のが理由に上げられます。また製造業では経営資源を商品企画などコアプロセスに集中させスマイルカーブの底辺である生産(工場)に投入できない背景もあります。

国内立地環境要因
人材面で国内回帰の課題は大きい

スマイルカーブ作成中
経営資源は開発やアフターサービスにシフト(メーカーのスマイルカーブ(木村尚敬、沼田俊介著「見える化4.0 AI×IoTで「稼ぐ力」を取り戻せ!」日本経済新聞出版社 より引用)

国内への生産拠点移管にOKI-EMSサービスを活用しQCD向上・BCP(事業継続計画)対策を実現

経営資源への投資抑制・BCP(事業継続計画)対策

OKI-EMSは国内工場中心で開発・設計・製造・アフターサービスまでワンストップでEMSサービスを展開しています。OKI-EMSサービスをご活用することで工場建設や設備投資、国内に生産拠点を構築することができ、一番のネックである課題の人材面でも「工場労働者」「高度技能者」「熟練技能者」を確保する必要がありません。品質面でもOKIのシステム事業(情報通信やメカトロ・プリンター)で培ったノウハウを活かし高品質のEMSサービスを提供することが可能です。4M変更のリスクをなるべく低くして国内回帰を実現できます。また工場も国内に複数拠点を保有しており(実装・組み立て3拠点・プリント配線板3拠点あり特定地域に依存しない)、カントリーリスクにおけるBCP(事業継続計画)対応を実現いたします。

  • サービスフロー
    開発・設計・製造・アフターサービスまでワンストップでEMSサービスを展開
  • 国内拠点
    国内拠点を中心にEMSサービスを展開

多品種少量生産により顧客ニーズに素早く対応可能

OKI-EMSサービスをお客様のバーチャルファクトリ―としてご活用する事が可能です。 顧客ニーズの多様化に伴い、個々のニーズに合う製品やサービスを提供するマス・カスタマイゼーションの流れが強まっています。OKI-EMSでは多くのお客様から多品種少量生産をご依頼いただくことで、効率よく生産するノウハウを蓄積しています。

  • 例:豊富な多品種少量生産実績
  • 受託事例 A社 B社
    PCB種類(種類) 300 1,400
    部品種(種) 3,000 5,000
    PCB実装数(枚/月) 20,000 200,000
    実装ロット(枚/ロット) 5~300 1~200
    部品搭載数(部品/PDBA) 10~600 1~3,000

  • 多様な生産実績

ステージングサービスによる品質保証体制の構築

OKI-EMSでは、海外から納入した製品に対して国内仕様のスクリーニング検査・日本仕様のアクセサリー調達・品質管理のフィードバックなど、海外製品の品質改善を支援可能です。

(1)現状の課題

ステージングサービス図(1)

(2)ご利用事例

ステージングサービス図(2)

用語解説

  • 注1:六重苦

    行き過ぎた円高・法人実効税率の高さ・経済連携協定への対応の遅れ・厳しい環境規制・エネルギーコストの上昇・労働規制・人手不足

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  • Advanced M&EMSは沖電気工業株式会社の登録商標です。 

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