一般財団法人 テレコム先端技術研究支援センターより、2022年度SCAT表彰優秀賞を受賞
2023年1月13日、学士会館(東京都千代田区)にて一般財団法人 テレコム先端技術研究支援センター(以下、SCAT)が主催する2022年度SCAT表彰式が開催されました。式典の中で、OKIイノベーション推進センターの福永 茂氏と野崎 正典氏に「優秀賞」が贈呈されました。
SCAT表彰は、「会長大賞」「会長賞」「優秀賞」で構成され、情報通信技術の研究開発により国民生活の安全安心に寄与するなど多大な貢献のあった研究者を表彰するものです。

受賞した福永氏、野崎氏の両名は、2000年頃より「920MHzマルチホップ通信システム」について研究開発を行っており、920MHzの法令化や標準化など実用化にも繋がったことが評価されて、今回の表彰となりました。
「920MHzマルチホップ通信システム」は、通信品質により自動的に最適な通信経路を選択する「マルチホップ通信」を特徴としており、データ到着率の改善や、障害時の信頼性、スリープ技術を改良し、低消費電力でも安定的なネットワーク提供が可能です。近年は920MHzマルチホップ無線通信を加速度センサーや水位計、高感度カメラなどのIoTデバイスと組み合わせて橋梁や河川などの状況をモニタリングすることで、老朽化したインフラの維持や防災・減災にも貢献しています。

受賞の言葉
今回の受賞は、総務省をはじめ、多くの関係機関や企業、団体の皆さんと一緒に作り上げてきた成果に対するものであり、多くの関係者に感謝を申し上げます。920MHzマルチホップ無線通信は、今やIoTを構成するうえで無くてはならない技術になっていますが、研究開発当初はIoTという言葉もほとんど使われていませんでした。実用には使えないと言われていたマルチホップ通信について徹底的にフィールド実験を繰り返し、さらに新しい920MHz帯と組み合わせることで、安定した方式へと進化させてきました。今後も「社会の大丈夫」を支える技術として広く活用されていくことを期待します。
福永 茂
このような賞をいただき、関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。思い返せば2008年の初頭に営業から「電力会社に提案に行くぞ!」と言われ、お客様の検針業務にマルチホップネットワークを提案したことが始まりでした。そこからさまざまなお客様との実証実験や共同研究を経て、2012年の「SmartHop」、その後の「ゼロエナジーIoTシリーズ」の商品化に繋がっています。表彰に値する社会実装に至ったのは、事業部の開発部門をはじめSEや営業など「チームOKI」でプロジェクトを進めることができたおかげです。これからもOKIのIoT事業に尽力し、多くの社会課題解決に貢献できるよう研究開発を進めてまいります。
野崎 正典