「アクセシビリティ(Accessibility)」とは、「障害者や高齢者などが、容易に、特別の負担なく利用(アクセス)できる」という意味です。情報通信分野においては、情報やITツールに誰もが容易にアクセスできることを意味します。アクセシビリティが向上すれば、障害者や高齢者だけでなく、普通の人にとってもより利用しやすくなり、結果的に使いやすさが向上します。
また、Webサイトにおけるアクセシビリティへの対応は、CSR(企業の社会的責任)の観点からもビジネスのうえでも企業サイトに欠かせない要素となっています。
OKIでは、2002年に制定した「OKIホームページ制作ガイドライン」にWebアクセシビリティ対応項目を設けて取り組みを開始し、2004年10月、JIS規格に対応した、より厳格なガイドライン「アクセシビリティ編」をまとめました。その後、W3C/WAIにおいて制定された"WCAG (Web Content Accessibility Guidelines) 2.0"の達成基準レベルA相当を目安に2008年3月に改定、そしてWCAG2.0日本版として2010年8月に制定された「高齢者・障害者等配慮設計指針 -情報通信における機器、ソフトウェアおよびサービス- 第3部:ウェブコンテンツ JIS X 8341-3:2010」を受け、2010年11月にさらに改定しました。
OKIは、障害者や高齢者を含むすべての閲覧者にとってより利用しやすく、使いやすいサイトの実現に取り組んでいきます。
1 知覚可能に関する原則: 情報およびユーザーインターフェースの構成要素は、利用者が知覚できる方法で利用者に提示すること。 | |
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1.1 非テキストコンテンツに関する対処 | 画像・動画・アニメーション・Flashコンテンツなどのテキストではないコンテンツには、img要素(画像)にはalt属性を使うなど、対象に応じた適切な方法を用い、その内容を的確に示す代替テキストをつけること。 |
1.2 収録済の音声および収録済の映像を含むメディアへの対処 | 収録済の音声を含むメディアには、代替となるテキストコンテンツを提供すること。 収録済の映像を含むメディアには、映像により伝えようとしている内容を別途テキストとして提供すること。 |
1.3 情報および関係性の明示 | 表現を通じて伝達されている情報、構造、および関係性は、たとえば見出し、段落、リストなどの要素を用いることで、その内容が見た目の表現だけではなく、プログラムにも解釈できるようにすること。 |
1.4 意味のある順序で情報記述すること | 音声読み上げ環境などプログラムによるアクセスを考慮し、情報が意味のある並び順になるようにすること。 |
1.5 感覚的な特徴による情報表現について | Webコンテンツの内容を理解・操作するのに必要な情報は、形、大きさ、視覚的な位置、方向、音だけに依存して提供しないこと。 |
1.6 色の使用による情報表現について | Webコンテンツの内容を理解・操作するのに必要な情報は、色だけに依存しないよう配慮し、テキストなどを併用すること。 |
1.7 音声制御について | 自動的に再生を開始し、3秒以上継続する動画や音声を含むコンテンツには、下記のいずれかの機能を提供すること。
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1.8 コントラストについて | テキストおよび画像化された文字の文字色と背景色に十分なコントラストをとり、識別しやすいようにすること。 |
1.9 テキストのサイズ変更に関する配慮 | フォントサイズは利用者が変更できるようにすること。 |
1.10 複数行に亘るテキストへの配慮 | テキストが複数行に亘る時は、色、表示位置、フォントサイズに配慮すること。 |
1.11 フレームの禁止 | フレームのための要素は使用しない。 |
1.12 イメージマップ | イメージマップは原則としてサーバーサイドではなくクライアントサイドとすること。 |
2 操作可能に関する原則: ユーザーインターフェースの構成要素およびナビゲーションは操作できること。 | |
2.1 キーボード操作への配慮 | 利用者が短時間のうちに複数回のキーストロークを入力したり、長い間キーを押し続けたりすることなく、利用者がキーボードのみでWebコンテンツ上の操作ができるようにすること。 |
2.2 フォーカス移動操作上の配慮 | キーボード操作でフォーカスできる場合は、キーボード操作でフォーカスを外せること。また、矢印キーやTabキー以外のキーで操作をする場合は、操作するキーを利用者に知らせること。 |
2.3 操作上での時間調整への配慮 | 入力時間は、必要不可欠な場合を除き制限しないこと。セキュリティ上の理由などでやむを得ず制限する場合は、具体的な時間を分かりやすく明示すること。 |
2.4 一時停止、停止、非表示に関する配慮 | 画面要素(文字、画像、Flashコンテンツなど)に対する動き、点滅、スクロールなどの使用や、自動更新は避けること。 |
2.5 閃光または閾値以下に関する配慮 | 点滅するコンテンツを使用する場合は、明滅がどの1秒間においても3回以下となるようにすること。 |
2.6 ブロック・スキップでの配慮 | ページ共通のナビゲーションバーやメニューなどはスキップできるようにすること。 |
2.7 ページタイトルへの配慮 | 利用者がページの内容を識別できるタイトルを付けること。 |
2.8 フォーカス順序への配慮 | フォーカスの移動および、そのフォーカスが移動する際の音声の読み上げ順序は、意味が通じる順番になるように配慮すること。 |
2.9 リンクテキストおよび画像リンクの代替テキストへの配慮 | リンクテキストおよび画像リンクの代替テキストには、リンク先の内容が分かるような記述をすること。 また、ダウンロードするデータへのリンクには、ファイル形式とサイズを明記すること。 |
2.10 ページ探索手段について | サイトの中から特定のページを見つけるための手段(サイト内検索、サイトマップ等)を2つ以上用意すること。 |
2.11 見出しおよびラベル表現の配慮 | 利用者が理解しやすいように、内容や目的が明確となるような見出しやラベルを付けること。 |
2.12 視覚的に認識可能なフォーカス | フォーカスの位置が視覚的に確認できるようにすること。 |
2.13 現在位置の明示 | 現在表示されているページがサイト構造のどこに位置しているか、把握できるようにすること。 |
2.14 別ウインドウ強制の禁止 | (利用者の意図に反して)リンクの際に新たなウインドウを開かず、同じウインドウに表示すること。 |
2.15 選択におけるボタン配置への配慮 | 利用者に選択をさせるボタンを配置する際は、選択させたいボタンを必ず右に置くこと。 |
3 理解可能に関する原則: 情報およびユーザーインターフェースの操作は理解できること。 | |
3.1 記述する言語の指定 | ページ内で記述する言語を指定すること。 |
3.2 一般的ではない用語への配慮 | 外国語や専門用語は多用せず、使用する場合はサイト内の初出箇所に説明を加えること。 |
3.3 略語表記への配慮 | 略語は多用せず、使用する場合はサイト内の初出箇所に説明を加えること。 |
3.4 発音および読み仮名への配慮 | 発音や読み仮名の難しい固有名詞や専門用語を使用する場合は、サイト内の初出箇所に読み仮名を表記すること。 |
3.5 オン・フォーカスの際の配慮 | リンクやボタンなどのコンポーネントにフォーカスが当たった時に、利用者の意図に反して、表示中のページの自動的な更新、自動的に他のページの表示(他のページへの移動)、自動的に新たなページの表示、といった状況の変化が起こらないようにすること。 |
3.6 ユーザーインターフェース要素による状況の変化への配慮 | チェックボックスを選択する、またはテキストフィールドにテキストを入力するといったような、要素の設定を変更するだけで、自動更新やページ移動など状況の変化が起きる場合には、あらかじめそのことを利用者に明示すること。 |
3.7 一貫したナビゲーション方法 | ナビゲーションの位置やナビゲーション方法は、サイト内で一貫性のあるルールで作成すること。 |
3.8 一貫したラベルやアイコンなどの表記 | ラベルやアイコンなどの表記は、サイト内で一貫性のあるルールで作成すること。 |
3.9 入力エラー箇所の特定 | 入力エラーを自動的に検出した場合は、問題のある項目を明確にし、エラー内容を表示すること。 |
3.10 ラベル、説明文による入力フォームの分かりやすさへの配慮 | フォームに入力する内容や条件は、分かりやすい表現で入力エリアとの関連付けを行うこと。 |
3.11 入力エラー修正方法の提示 | 入力エラーを自動的に発見した場合は、エラーの修正方法を明確に示すこと。 |
3.12 法的義務・金銭的取引・データ変更・回答送信のエラー回避について | フォームを使用する場合、次の少なくとも一つの方法で、利用者が送信前に入力した内容の確認や修正をできるようにすること。
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3.13 ヘルプの設定 | 状況に応じたヘルプを提供すること。 |
3.14 記号の利用 | 記号を使用する場合、記号の意味するところが分かるようにすること。 |
4 頑健性に関する原則: コンテンツは、支援技術を含むさまざまなユーザーエージェントが確実に解釈できるように十分に頑健であること。 | |
4.1 コーディングガイドラインに準拠したWebコンテンツの作成 | Webコンテンツは、OKIが定めるWebサイトガイドライン(コーディング)に準拠し作成すること。未規定の新しい技術を使う場合は、本アクセシビリティ対応の指針および使用する新しい技術の仕様に準拠すること。 |
4.2 プログラムで解釈可能な識別名・役割および設定可能な値の使用 | すべてのユーザーインターフェース要素がプログラムにより識別可能であり、役割が明確となるように、(X)HTML、JavaScript、Flash、PDFなどで標準的に使われている要素を使用すること。 |