CTO就任にあたり
2025年度からCTO(最高技術責任者)を担務する加藤です。このたびのCTO就任に際し、私が果たすべき役割・使命について以下に掲げます。
- OKIグループの企業価値を向上させること
- OKIグループのメンバーが活力を発揮できる環境をつくること
- OKIグループが国内外で信頼され、認知される企業に育てること
これらを実現するため、私自身が意識・行動の変革を図ります。具体的には次の3点を掲げています。
- 収益に限らず、企業価値の多様な側面を考慮し、目標に向けて邁進すること
- メンバーへの「感謝」の心を忘れず、協働し相互の総合力を発揮すること
- OKIグループの蓄積された「暗黙知」を「形式知」に変え、社内外に発信すること
「収益以外の企業価値」を「技術力」として捉え、これを持続的に向上させることが私の最重要任務です。OKIは1881年創業以来、140年以上の歴史を有し、多くの技術的知見やノウハウ(暗黙知)を蓄積してきました。これを形式知化し、新たな技術との融合を図ることで、グループ全体で共有・実行し、企業価値のさらなる向上を推進します。
技術の進化を通じて社会貢献を果たし、持続可能な未来を目指してまいります。
技術と企業価値向上の関係について
企業価値を向上させるための技術の役割は非常に広範に渡ります。その中でも重要な3つの役割を以下に示します。
- 新製品・新サービスの開発
技術は新たな製品やサービスを開発する基盤となり、顧客に新しい価値を提供する機会を生み出します。これにより、新市場の開拓や収益拡大が可能になります。たとえば、IoTデバイスや個別化されたサービスなどがその具体例です。
- 競争優位性の確立
技術を活用した差別化は、競争優位の重要な要素です。知的財産や特許を戦略的に取得することで、ブランドの信頼性を高め、市場での優位性を築きます。具体例としては、テスラの電気自動車技術やAmazonの物流管理システムなどが挙げられます。
- 持続可能性(SDGs)への対応
環境負荷を低減する技術や再生可能エネルギーを活用することで、社会的責任を果たし、企業の評価を向上させます。これにより、長期的な企業価値の向上につながります。たとえば、カーボンニュートラル技術などがその具体例です。
これらの役割を踏まえ、技術は単なるツールではなく、企業成長のエンジンとして位置づけられます。同時に、技術活用に伴うリスクや継続的な投資も考慮し、戦略的な活用が求められます。
CTOの役割とは
技術を活用し企業価値を高めるため、CTOの役割は次の3つに集約されます。
- 技術戦略の策定
企業の長期的な目標を実現するための技術戦略を構築します。また、技術革新や市場トレンドを捉え、競争力を高めるための方針を設定します。
- 研究開発(R&D)の推進
新技術や革新的なプロジェクトへの投資を促進し、それが実行・事業化される道筋を導きます。技術的優位性を持続する研究環境の整備も重要な役割です。
- 技術トレンドの監視と導入
AI、IoT、クラウド、ブロックチェーンなどの最新技術トレンドを把握し、企業の競争力や持続可能性を向上させる技術の選定と導入を検討します。
CTOは「技術」と「経営」をつなぐ存在と言えます。競争の激しい現代において、技術を通じて企業の持続可能な成長を推進する中核的な役割を担い続けます。私自身、この役割を全力で果たしていく所存です。