横田 潔
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 イノベーション推進本部 ベンチャー開発・技術移転センター長 高井 一也
産総研は革新的な技術シーズを事業化に繋げるための「橋渡し」の取組みを強化している。その取組みとして、既存企業との共同研究や知的財産権ライセンスによる技術移転、および技術移転ベンチャーの設立による事業化、の二つを紹介する。
久野 裕次
OKIが産官学連携によって得られた成果としてIoTネットワーク技術、AI/センシング技術、次世代コミュニケーション技術、UI/UX技術、光応用技術、製造技術を紹介する。
野崎 正典・柳原 健太郎・福井 潔
老朽化したインフラに様々なセンサーを設置し、構造物の異常検知や予防保全に活用する試みが進められている。本稿では、OKIが開発した無線モニタリングシステムを用いた橋梁での実証実験について報告する。
川本 康貴・小林 啓洋
ポンプの健全性確保には常時モニタリングシステムの導入が効果的だが、現状ではケーブル敷設のコストが高いため普及が進んでいない。そこで、低コストで導入できるケーブル不要なポンプ常時モニタリングシステムを開発した。本稿では開発システムの内、特に省電力なマルチホップ無線ネットワークについて紹介する。
土江 康太・八百 健嗣
ネットワークへの不正アクセスを防ぐセキュリティー技術に、ネットワークアクセス認証がある。本稿では、無線センサーネットワーク向けのネットワークアクセス認証方式を実機実装し、情報通信研究機構殿保有のテストベッドを活用し、屋外環境で性能評価した結果を報告する。
磯部 翔・増田 誠・青木 義満
安全で快適な社会の実現に向けて、公共空間に設置されたカメラ映像から人物の行動を自動的に認識する技術の研究開発を慶應義塾大学の青木義満准教授と進めている。それを実現する要素技術の一つである、駅や空港での混雑により隠蔽が発生する状況にも対応した人物追跡技術について紹介する。
平本 美智代・前野 蔵人・竹内 晃一・伊加田 恵志
OKIは、ビッグデータへの分析力強化の重要性が予見された2008年度から、中央大学統計データ解析研究室とデータ分析に関する研究で連携している。これまでに大学との連携で進めてきた研究開発事例について紹介する。
徳満 昌之・野中 雅人
従来のテレワークでは、コミュニケーションがとりづらいことで疎外感を感じてしまい、継続的なテレワークは難しい。この点に注目し、遠隔地でも同僚の様子をうかがって話しかけられるテレワークシステムの開発を行なった。
深澤 伸一・山根 大明・山口 德郎・立澤 茂
超臨場感テレワークシステムを実際のオフィスで長期利用評価した結果について述べる。テレワークオフィスを構築し、システム使用ログに基づくコミュニケーション行動の変化およびソーシャルキャピタル(社会関係資本)の醸成効果を、実証的に確認した。
藤枝 大・矢頭 隆
放送事業用連絡無線は、2016年6月にデジタル・ナロー方式へと移行したが、現場からは「音質が不明瞭で聞き取りにくい」という声が上がっている。そこでOKI、日本テレビ、JVCケンウッドの3社は、音声コーデックには一切手を入れずに明瞭性を大幅に改善できる音質改善技術を共同開発した。
鈴木 雄介
ウェアラブルデバイス、AR/VRやロボット技術を応用した遠隔コミュニケーション、人とロボットのインタラクションに関する共同研究を進めている。多様な技術手段を活用しているが、人間同士の対面コミュニケーションで自然に発生している、身体による情報伝達を技術的に再現することで深く理解し、応用に繋げることが目標の一つである。研究成果による知見はOKIのウェアラブルデバイス活用遠隔作業支援システムなどにも活用されている。本論では、共同研究を振り返り、OKI単独では推進が難しかった、未来志向の研究をいかに進めてきたか、また、今後の研究について、OKIの技術開発との関係を述べる。
赤津 裕子・長谷川 莉子・原田 悦子
近年、複合機において、消耗品をユーザー自ら交換する「セルフメンテナンス」が行われるようになってきた。また、モバイル端末の普及により、操作マニュアルは動画での提供が重要視されている。しかし、初心者ユーザーには操作の理解が難しく、わかりやすいマニュアルが求められている。そこで筑波大学と共同研究を進め、認知心理学をベースに擬人化エージェントを用いた動画マニュアルを作成し、理解促進の効果について検討した。
村松 敦・赤津 裕子・安藤 昌也
本研究では、デザイン思考を用いて鉄道の乗換案内サービスを検討し、プロトタイプによる検証実験を実施した。創出した乗換案内サービスは、「親切な情報提供」をコンセプトとし、「ユーザーの行動状況に応じて情報の形式や内容を変更する物」であった。検証実験の結果、ユーザーの特性によってありがたいと感じる情報提供の仕組みや情報が異なることが示唆された。また、親切感が高いとサービスのUXとして愛着感が増すことも示唆された。
八重樫 浩樹
シリコンフォトニクスは光回路を超小型に集積して低コストで製造できる技術である。これを適用してIoTを支える5Gモバイルネットワーク向け光トランシーバの超小型化を実現する取組みについて紹介する。
藤井 亮浩・村井 仁
インターネットの高速化に対応し超高速化が可能なコヒーレント光伝送方式が導入されている。しかし現状の技術では装置が複雑で消費電力が大きい。本稿ではこの課題を解決する光位相同期回路技術の研究開発の取組み・成果を紹介する。
渡辺 潤
長野OKIが立地する長野県小諸市では市内企業における研究開発促進を目的とした助成事業として信州大学-小諸市産学官連携協議会が設立されている。本協議会の助成事業を活用した共同研究への取組みを紹介する。
古原 竜一・北野 功・石原 睦・石崎 浩司・伊藤 寿行
A3カラー複合機との操作性共通化を実現し、またスマートフォンを利用した「Mobile Print」にも対応した、「A4カラーLEDプリンタ:C5シリーズ・複合機:MC5シリーズ」を紹介する。
OKI
情報・技術本部 研究開発センター イノベーション推進室
鈴木 雄介