導入事例

OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。

企業情報

神戸市 様

新長田合同庁舎所在地
神戸市長田区二葉町5-1-32
市の概要
東灘区・灘区・中央区・兵庫区・北区(区役所は北区役所、北神区役所の2カ所)・長田区・須磨区・垂水区・西区の9区で構成される政令指定都市。人口は2019年10月1日現在で152万2944人。神戸ポートタワーのあるメリケンパーク、異人館の街並み、元町中華街、六甲山からの夜景、有馬温泉等々、全国に名の通った観光名所を多数有する。神戸港、神戸空港、新幹線の新神戸駅、淡路島を経て四国を結ぶ明石海峡大橋と、海・空・陸のそろった交通の要衝でもある。
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業務効率化とサービス品質維持・向上の両立に成功
税務相談の「対面から遠隔」への移行にOKIのソリューションを採用


新長田合同庁舎

少子高齢化に伴う人手不足への対策として業務効率化や生産性向上にどう取り組むか。一方で住民への高品質なサービスをどう維持するか。地方自治体が直面するこのような課題を、神戸市様は、税務相談業務への新たな仕組みを採用することで解決しました。市内9拠点の職員を集約する合同庁舎の開設に伴って生じた「各拠点で行っていた対面式の税務相談をどう存続するか」という問題に対して、ネットワーク経由で相談が行える「税務相談システム」の導入を検討。具体的なシステムとしてOKIの提供する「相談上手」を採用し、対面式と遜色のない遠隔での税務相談サービスを実現しています。

詳細

神戸市様は、1868年の神戸港開港以来、海外のさまざまな文化を取り入れ、日本を代表する国際港湾都市として発展してきました。市内の随所に数多くの魅力ある観光・レジャースポットを有しており、国内外から年間に3500万を超える人々が訪れます。

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けたこと、その苦難から多くの人の努力と協力によって急速な復旧・復興を成し得たことも、世界中の注目を集めました。開港から150年、震災から20余年を経て、神戸市様は、住みやすさ、働きやすさ、訪れやすさといった環境・インフラの整備にさらなる力を注いでいます。

導入の背景・経緯

合同庁舎開設による地域ごとのサービス機能低下を懸念

神戸市様の行政面に関する最近のトピックのひとつが、兵庫県と連携・協調して5つの関連機関を移転・集約した「新長田合同庁舎」の開設です。2015年9月に構想を発表し、4年をかけて2019年7月に完成しました。庁舎で働く職員は県・市を合わせて1050名。年間で30万人の来庁を見込んでいます。この庁舎が建つ新長田南地区は、震災時に発生した大規模火災で商業地・住宅地が広範囲に焼失。街並みの復旧・整備は進んだものの、かつての賑わいがいまだ戻らない状況にあります。その地に行政職員が溶け込み地域活性化を後押しすることが、庁舎建設の一番の目的でした。他方で、働き方改革による業務効率化や生産性向上、事務の集約によるコスト削減を推進する狙いもありました。


税務部 税務課 税務推進担当
係長 平田 晃士 氏

ただ、行政サービスを提供する上での課題も浮上しました。総勢530名の職員が合同庁舎に集まることとなった神戸市 行財政局 税務部様(以下、神戸市 税務部様)では、市内9区に配置した市税事務所で提供する税務相談サービスへの支障が懸念されました。税務部 税務課 税務推進担当係長の平田 晃士氏は次のように語ります。「各拠点の専門的なスキルを有する職員が合同庁舎に集約されると、市民の皆さんが最寄りの区役所で税務相談を受けられなくなってしまうという問題が生じました」。

地域ごとのサービス機能を低下させないためにどうするか。その手立てとして目を向けたのが、ICTを活用し遠隔でやり取りできる「税務相談システム」を構築することでした。

導入システムの最低条件は「対面式と遜色ない遠隔相談の実現」

システムの導入にあたり神戸市 税務部様は、対面でのやり取りと遜色ないサービスが実現できることを求めました。「具体的には、映像と音声で双方向のやり取りができること、市民の方が端末機器類を操作せずに相談を進められること、お持ちいただいた書類などの内容を合同庁舎側の職員がチェックし適切なアドバイスが行えること、の3点を大前提として、機能面や仕様に関する要望を掲げました」と、平田氏は話します。

そして、OKIが提案した遠隔相談システム「相談上手」の採用を決定しました。「相談上手」には、OKIの高品質な映像/音声通話機能に加えて、自治体の相談業務向けに特化した簡便な操作性、動画対応の書画カメラによる資料などの情報共有、相談終了後にデータを自動消去し個人情報等を保護する機能、などの特徴があります。


「相談上手」システム概要図


税務部 税務課 西下 豪 氏

平田氏は、OKIの取り組みについて「提案内容は、私たちの要望に十分適うものでした。そのうえ、導入に先駆けて各拠点の職員にもデモ機を使った実演・説明を実施し、利用現場の改善要求なども吸い上げてブラッシュアップに努めてくれました」と評価します。また、税務部 税務課の西下 豪氏は、「デモの際には複数機種の書画カメラを用意して映像品質や視認性などもきめ細かくチェックするなど、真摯な対応に好感が持てました」と振り返ります。

導入のポイント・システム概要

対応職員側の端末操作のみで相談の進行が可能

神戸市 税務部様では、2019年8月13日から本庁税務部門および各区の市税事務所を新長田合同庁舎に順次移転し、8月26日に全職員揃っての業務をスタートしました。「税務相談システム」も8月13日の移転時から運用を開始しています。

市税事務所は現在、「市税の窓口」に改称し、各拠点では再任用職員および人材派遣による数名のスタッフが、来訪する市民に対応しています。「税務相談システム」の端末機器は各拠点に3台ないし2台、合計で29台を配備しました。


「市税の窓口」に配置された「税務相談システム」の端末機器

一方の合同庁舎側は、5つの相談種別(「個人市民税」「固定資産税」「軽自動車税」「収納状況などの確認」「督促(滞納)関連」)の各担当部門に、相談対応業務のための専用ブースを設けています。端末機器の配置数は総計25台で、相談件数の多い個人市民税と固定資産税の担当部門に各10台、他の3つの担当部門に計5台となっています。

「市税の窓口」を訪れた市民は、PC端末の画面に表示されている相談種別から希望の項目を選んでタッチ(現在は窓口スタッフが相談内容を確認して操作をサポート)し、合同庁舎側担当部門の端末に着信通知を送ります。これを受けて対応職員が応答ボタンを押せば、両端末が接続され相談開始となります。着信通知は、職員の業務に偏りが出ないよう、端末の稼働状況をリアルタイムに把握して、待機時間の長い端末(ブース)に優先的に送られます。

合同庁舎側の職員はヘッドセットを付け、PCを通して相談者である市民と顔を合わせながら、画面上の各種機能ボタンを操作して対応業務を進行します。市民側は対応職員が映るPC画面を前に、マイクとスピーカーでやり取りします。持参した申請書類などは、対応職員の指示に従って書画カメラの所定位置に書類を置けば、リアルタイムなカメラ映像を双方で共有でき、記入漏れや書き間違いなどがないかどうかのチェックとアドバイスを受けられます。


市民側(左)と合同庁舎側の職員(右)
マイクとスピーカーを通して顔を合わせながらやり取りします。


市民側(左)と合同庁舎側の職員(右)
書画カメラを使用し、リアルタイムなカメラ映像で書類に記入中の様子を見ながらアドバイスを行うことができます。

導入効果・今後の展望

業務集約によってサービスの平準化や品質向上、人材育成の面でも成果

「税務相談システム」は大きなトラブルもなく、職員にも市民にもスムーズに受け入れられています。平田氏は、「税務相談には高齢の方も多く来られますが、違和感や戸惑いもなく、以前の対面式と同じようにサービスを利用いただいています」と話します。

運用開始日から1カ月間の利用実績を見ると、相談件数は1日平均130件。そのうち8割は個人市民税に関するもので、担当部門では当番制で職員が10ブースに常時在席し、次々に寄せられる着信に対応しています。西下氏は、「相談件数は、10拠点で個々に対応していた頃の総数とほぼ同じです。このことからも、以前と同等のサービスが提供できているといえます」と語ります。

相談業務を集約化した成果も出ています。従来は拠点によって相談件数が異なるために生じていた職員の負荷の差異が解消され、応対方法やマナーなどを共通化して徹底することで、サービス品質の平準化も図りやすくなりました。また、知識やスキル・ノウハウを全員で共有・蓄積し、人材の教育・育成につなげていくことも可能になりました。平田氏は、「少子高齢化による人手不足が懸念される中、人材をいかに有効活用するかがますます重要になります。今回の業務集約化によってベテラン職員のノウハウを若手や新人に伝承しやすくなるのは大きなプラスです。しかも、職員全体のスキルアップが進めばサービス品質の底上げになり、市民の皆さんにより満足いただける税務相談を実現できます」と期待しています。

件数などの統計データを業務の分析・改善にも活用

「税務相談システム」の導入によって、相談種別や拠点別の件数がリアルタイムに把握できるようになったことも大きなメリットの1つです。「このデータを業務分析に活かして、たとえば合同庁舎側の端末配置の見直しなど、さらなる効率化を推進していきます」と平田氏は語ります。

実運用の中で、機能の改善・追加に関する要望も出てきており、OKIとの話し合いを進めているとのこと。「たとえば、個人市民税の相談業務で10ブースすべて対応中というケースがあるので、拠点側で順番待ちされている方にうまく対応できる機能を追加していただきたい」と西下氏。平田氏は、「神戸市は外国の方が多く暮らしているので、多言語対応で自動翻訳や通訳をしてくれるような仕組みも実現してほしい」と述べています。

最後に平田氏は、システム運用の手応えを踏まえて、「対面でできることを遠隔で実現する機能は汎用性があるので、他の行政サービスでも使えるのではないかと思います」と、このシステムの可能性に期待を寄せました。

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2019年12月12日

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