COLUMN
【2026年最新】工場におけるカーボンフットプリント算定を効率化 - 無線センサー導入のススメ

この記事で分かること
- カーボンフットプリント(CFP)とは何か、具体的にどう算定するのか
- 有線センサーに付きまとうコストやレイアウト変更の課題
- 無線センサーによる配線レスが、CFP算定に必要な生産工程のデータ収集をどう効率化するのか
- OKIの「無線見える化パッケージ」で、CO2排出量をリアルタイムに把握する方法
カーボンニュートラルの実現に向け、温室効果ガス排出量を製品・工程・事業活動ごとに見える化し、削減の優先順位と効果を判断するために自社が取り組むべき重要な指標が、カーボンフットプリント(CFP)です。
CFPの算定には、商品やサービスのライフサイクル全体(原材料の入手・設計・生産・輸送・配送・使用・使用後の処理など)におけるCO2排出量の測定が必要ですが、「生産」段階でCO2排出量を生産ラインごと、製品の種別ごとに算定する場合、設備導入にかかる手間やコストが課題となります。
そこで今回は、CFPの概要と具体的な算定手順を整理したうえで、工場の「生産」段階におけるデータ収集を効率化する無線センサーの導入効果を解説します。
目次
現場が直面する「データ収集の壁」。
その課題は、あなたの工場だけではありません。
【調査資料】
工場におけるDX/IoT導入の実態と、無線化・省配線のニーズ
データ収集を阻む現場の実態が、1,003名の回答で明らかに。
カーボンフットプリント(CFP)とは?その役割と企業が取り組む意義
深刻化する地球温暖化への対策として、企業はこれまで以上に環境への配慮が求められています。なかでも、「カーボンフットプリント(CFP)」は、自社の製品やサービスがどれだけ温室効果ガスを排出しているのかを可視化する重要な指標として注目されています。
カーボンフットプリント(CFP)とは?
カーボンフットプリント(CFP:Carbon Footprint of Products)とは、製品やサービスについて原材料調達から製造、流通、使用、廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクルアセスメント(LCA)の観点から、排出された温室効果ガス(GHG)の量を、CO2排出量に換算して表示するものです。CFPを計測することで、商品やサービスの環境負荷を定量的に把握できるようになります。
CFPは、製品・サービス単位で温室効果ガス排出量を把握し、削減につなげるための重要な手法です。製品のカーボンフットプリントに関する国際規格としてISO 14067があり、日本でも環境省・経済産業省が「カーボンフットプリント ガイドライン」と実践ガイドを公表しています。
カーボンフットプリント(CFP)の役割
CFPが担う主な役割は、以下の通りです。
- 環境負荷の可視化: 製品やサービスがどの工程でどれだけの温室効果ガスを排出しているのかを明らかにし、環境負荷を可視化する
- 削減目標の設定: 排出量削減に向けた具体的な削減目標を設定するための指標となる
- サプライチェーン全体の改善: サプライチェーン全体の排出量を把握できることで、取引先と連携した改善活動を促進する
- 消費者の選択を支援: 製品やサービスの環境情報を消費者に提供し、環境に配慮した製品選択を支援する
- 企業の信頼性向上: 環境への取り組みをアピールすることで、企業の信頼性向上やブランドイメージ向上に貢献する
カーボンフットプリント(CFP)に取り組む意義
CFPの算定と情報開示は、企業が環境責任を果たす上で不可欠な取り組みとなっています。
- 脱炭素社会への貢献: 温室効果ガス排出量削減に貢献し、地球温暖化対策に積極的に取り組む姿勢が示せる
- 環境規制への対応: 今後ますます厳しくなる環境規制に対応し、事業リスクを低減する
- 競争力の強化: 環境意識の高い消費者や取引先からの評価を高め、競争優位性を確立する
- コスト削減: エネルギー効率改善や資源の有効活用により、コスト削減につながる
カーボンフットプリント(CFP)の具体的な算定手順
CFPは、製品やサービスのライフサイクル全体を対象に、各プロセスのGHG排出量を積み上げて算定します。OKIでは、CFPの導入を大きく「①算定方針の検討」「②算定範囲の設定」「③CFPの算定」「④検証・報告」の4ステップに整理しており、その先に「⑤削減対策の検討」を設定する場合もあります。
① 算定方針を検討する
まず、何のためにCFPを算定するのかを明確にします。自社製品の排出削減に活用するのか、取引先からの要請に対応するのか、製品情報として開示するのか。目的を定めたうえで、対象とする製品・サービスや算定方法の基本方針を決めます。
② 算定範囲を設定する
次に、原材料調達、製造、輸送、使用、廃棄・リサイクルなど、製品・サービスのライフサイクルのうち、どこまでを算定対象とするかを設定します。原材料調達から出荷までを対象とする「Cradle to Gate」や、原材料調達から廃棄までを対象とする「Cradle to Grave」など、目的に応じて範囲を定めます。
③ 活動量×排出係数でGHG排出量を算定する
算定範囲を決めたら、各プロセスの活動量を収集し、排出係数を用いてGHG排出量を算定します。基本的な考え方は「GHG排出量=活動量×排出係数」です。活動量には、原材料の使用量、輸送量・輸送距離、電力使用量などがあり、これらに単位あたりのGHG排出量を示す排出係数を掛け合わせます。
工場の生産工程では、生産設備単位の電力使用量を実測値(一次データ)として取得することで、製品単位のCO2排出量をより精緻に算定できます。とくに多品種を製造する工場では、「どの製品の生産に、どれだけ電力を使ったか」を把握できることが重要です。
④ 算定結果を検証・報告する
算定後は、設定した算定ルールに沿って計算されているかを確認し、必要に応じて内部検証や第三者検証を行います。外部に情報を開示する場合は、算定結果だけでなく、対象範囲や使用したデータ、算定方法なども整理して報告します。
⑤ 排出量の削減につなげる
CFPは算定そのものが目的ではありません。ライフサイクルのどの工程で排出量が多いのかを把握し、削減余地の大きい工程や設備を特定して、改善策の検討につなげます。工場では、設備単位の電力使用量を継続的に取得できる仕組みが、算定精度の向上だけでなく削減効果の確認にも役立ちます。
工場設備が複雑化?カーボンフットプリントの課題とは

生産ラインごとのCO2排出量算出における課題
工場の生産工程における製品単位のCO2排出量をより精緻に算定するには、生産設備単位の電力使用量を実測値(一次データ)として把握することが重要です。とくに、多品種の製品を製造する工場では、工場全体の電力使用量を一律に配分するだけでは、製品ごとの実態を捉えにくい場合があります。
従来、各設備の電力使用量を計測するには、有線センサーの設置が必要でした。しかし、有線センサーの導入には、以下のような課題があります。
- 設置場所の制約: センサーの設置場所がケーブルの長さや配線ルートにより制限されてしまう
- 配線工事の複雑さとコスト: 工場内の複雑なレイアウトに合わせて配線工事を行うには、多大な時間とコストがかかる
- レイアウト変更への柔軟性が低下: 生産ラインのレイアウト変更を行うたびに配線工事が必要となるため、生産体制の柔軟性を阻害する
- センサー増設時の負担: 計測対象を増やすたびに配線工事が必要となり、多数の設備へ展開するほど導入・拡張の負担が大きくなる
こうした配線工事のコストやレイアウト変更への対応が、設備単位の電力データ収集を拡大するうえでの課題となります。そこで、より効率的かつ柔軟に計測点を増やせる仕組みが求められています。
配線レスでさまざまなコストを大きく削減!無線センサーネットワークのメリットとは?

前述の課題を解決する手法として、近年注目されているのが「無線センサーネットワーク」の活用です。
CFPでは、原材料の使用量、輸送量、電力使用量など、ライフサイクルの各段階の算定に必要な活動量を収集します。工場の生産工程では、その代表的な一次データの一つが生産ライン・設備単位の電力使用量です。無線センサーネットワークを活用すれば、配線工事やレイアウト変更に伴う負担を抑えながら、こうしたデータを継続的に収集できます。
また、有線では多数のセンサーを接続しようとすると膨大な配線が必要になりますが、無線センサーネットワークであれば複雑な配線なしで多数のセンサーの接続も可能です。導入コストを大幅にカットしつつ、CFP算定に必要なデータ収集を効率的に行うことができます。
OKIが提供する「カーボンニュートラル 無線見える化パッケージ」
OKIが提供する「カーボンニュートラル 無線見える化パッケージ」は、920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop」の技術を用い、生産ライン単位・設備単位のCO2排出量(電力使用量)の見える化を支援します。無線化によって現場の有線配線工事を不要にし、導入コストを大幅に削減できるほか、既設のWi-Fi/無線LANと干渉しにくい920MHz帯を利用できるため、必要な設備・エリアからスモールスタートできます。
電力計測から見える化までをワンパッケージで導入
本パッケージは、電力センサー、920MHz無線ユニット子機、920MHz無線内蔵データロガー、見える化ソフトウェアで構成されます。設備ごとの電力使用量を計測し、無線で収集・蓄積したデータをグラフ化するところまでを一連の仕組みとして導入できます。生産ライン単位・設備単位で電力使用量を把握できるため、電力のムダの発見や、削減対策を実施した後の効果確認にも活用できます。

工場で使いやすい920MHz帯マルチホップ無線
SmartHopは、工場で広く利用される2.4GHz/5GHz帯の無線LANとは異なる920MHz帯を使用します。製造設備などの障害物の多い環境でも電波が回り込みやすく、既設の無線LANとの電波干渉を避けながら、安定したデータ収集が可能です。さらに、無線ユニットを中継機として利用するマルチホップ機能により、広い工場や建屋にまたがる環境でも柔軟にネットワークを構成できます。
スモールスタートから段階的に拡張
計測したい設備やエリアから小規模に導入し、効果を確認しながら、ほかの生産ラインや工場の建屋へ拡張できます。機器・ソフトウェアに加え、機器設定のサポートやサンプル設定ファイルも提供されるため、初期導入の負担を抑えやすい点も特長です。また、電力だけでなく、エアー流量、水の使用量、生産数などのデータも同じ無線ネットワークで収集・一元化できます。
数千台規模の設備監視にも活用
大手製造業の工場では、数千台の製造設備を対象に電力データを収集しています。1台の親機内蔵データロガーで最大100台の子機からデータを収集し、このグループを複数構成して運用しています。無線化によって配線工事費を大幅に削減できるほか、設備レイアウトの変更にも容易に対応できます。また、従来、2.4GHz帯の無線LANで課題となっていた電波干渉も、920MHz帯の利用によって改善しています。
まとめ
カーボンニュートラルの実現に向けて、企業には事業活動における環境負荷低減への取り組みが強く求められています。しかし、「カーボンフットプリント(CFP)」算定に向けたデータ収集のための設備導入は、生産工場を運営する企業の大きな課題です。
今回ご紹介した無線センサーネットワークは、設備導入のコストを大幅に削減し、データ収集を効率化する、課題解決に最適なソリューションです。
OKIの「カーボンニュートラル 無線見える化パッケージ」は、無線化によって現場の有線配線工事を不要にし、導入コストを大幅に削減できるほか、既設のWi-Fi/無線LANと干渉しにくい920MHz帯を利用することで、必要な設備・エリアからスモールスタートできます。容易な導入と継続的なデータ収集により、CFP算定に必要となる生産工程の一次データ把握を支援します。CO2排出量のより精緻な算定と削減に取り組む企業は、ぜひ無線センサーネットワークの導入をご検討ください。
OKIの「SmartHop」や、カーボンニュートラルの見える化の実現について、詳細な製品情報や資料請求、見積など各種ご相談は、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。
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