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インフラの老朽化問題とは?インフラ整備の重要性と整備に欠かせないテクノロジーとは?
国内のインフラの多くは、1950年代中盤から70年代にかけての高度経済成長期に建設されたもので、現在老朽化が進行しています。ここでは、インフラの老朽化問題の他、インフラ整備の重要性、整備に欠かせないテクノロジーについて解説します。
目次
早急な対応が迫る!インフラ老朽化問題とは?
まずは、インフラ老朽化問題の概要について解説します。
インフラ老朽化問題とは?
インフラ老朽化問題は、公共のインフラ(橋梁・道路・トンネル・ダム・下水道など)が経年劣化し、その機能や安全性が低下している問題を指します。
建設から50年以上経過したインフラが増加
国内の多くのインフラは建設されてから50年以上が経過し、老朽化が進行しています。このため、多くのインフラが修繕や更新の必要性に直面しています。
自然災害によるインフラの劣化
日本は、地震・台風・豪雨などの自然災害が非常に多い地域です。老朽化が進むインフラが自然災害によるダメージを受け、設備・施設の劣化がさらに進行しています。
老朽化が進行する国内のインフラ
老朽化が進行しているインフラの代表例としては以下の2つがあります。
橋梁の場合
橋梁は、重量物の通過や気象条件、塩害などの外部要因により劣化が進行します。特に、鉄筋コンクリートの橋は、内部の鉄筋が錆びることで強度が低下し、最悪の場合、橋が崩落するリスクがあります。定期的な点検や補修、場合によっては架け替えが必要となります。
トンネルの場合
トンネルは、長年の使用や地下水の浸透により、内部のコンクリートや鉄筋が劣化します。また、山間部のトンネルでは、岩盤の動きによるトンネルの変形や崩落のリスクも考慮する必要があります。トンネルの安全を確保するためには、定期的な点検や補修作業が不可欠です。
老朽化への対策だけじゃない!インフラ整備の重要性
インフラ整備は、老朽化への対策はもちろん、設備・施設を安心・安全に使用するためにも欠かせません。ここではインフラ整備の重要性について解説します。
インフラ整備の重要性
国民生活の安心・安全を確保する
道路・橋梁・鉄道・空港・水道・下水道などのインフラは、私たちの日常生活や経済活動において基盤となるものです。これらのインフラが適切に整備・維持されていることで、国民の生活の安心・安全が確保されます。たとえば、道路や橋が安全であることで交通事故のリスクが低減し、水道や下水道が適切に機能することで清潔な生活を支えます。
産業の基盤を整える効果がある
インフラの整備は、産業活動の効率や競争力を向上させる重要な要素でもあります。たとえば、物流の効率化には道路や港湾の整備が不可欠です。また、通信インフラの拡充により、ビジネスのデジタル化や遠隔地との連携がスムーズに行われるようになります。
SDGsの目標達成にもインフラ整備は欠かせない
持続可能な開発目標(SDGs)の達成には、質の高いインフラの確保が欠かせません。たとえば、安全で持続可能な水と衛生を全ての人々に提供する目標や、持続可能なエネルギーを全ての人々に確保する目標など、多くのSDGsの目標はインフラ整備と深く関連しています。インフラ整備を通じて、環境の保護、社会的格差の縮小、経済の持続的成長など、SDGsの多様な目標を実現するための基盤を築くことが可能となります。
国内で求められているインフラ整備
老朽化するインフラへの対策をはじめ、現在国内では以下のようなインフラ整備が求められています。
老朽化したインフラの改修
多くの国々で、高度経済成長期やそれ以前に建設されたインフラが老朽化してきており、これらのインフラの維持や改修が緊急に求められています。特に、橋梁やトンネル、道路などの安全性を確保するための定期的な点検や補修が必要です。
防災に強いインフラの構築
自然災害のリスクが高まる中、インフラの耐震化や浸水対策が重要となっています。地震や洪水、台風などに対する耐性を持ったインフラを設計・建設することで、災害時の被害を最小限に抑えることができます。
電柱の地中化
都市部を中心に、景観の美化や災害時の安全性を高めるため、電柱の地中化が進められています。地中化によって、風景がよりクリーンになり、台風や地震などの自然災害時のリスクも低減します。
公園を増やす取り組み
都市部の過密化や緑地の減少に伴い、公園や緑地の設置・増設が求められています。公園や緑地は、市民の健康やリラクゼーションの場としての役割はもちろん、都市の熱島現象の緩和や生態系の保護といった環境面での効果も期待されます。
街の美化
都市部の景観向上や観光資源としての街の魅力を高めるため、街の美化が推進されています。これには、歴史的建造物の修復や保全、公共の場所の装飾やアートの導入、道路や歩道の整備など、多岐にわたる取り組みが含まれます
これらのインフラ整備は、国民の生活の質や安全性を向上させるだけでなく、経済的な活動や観光資源としての地域の魅力を向上させる効果もあります。そのため、計画的かつ継続的な投資や取り組みが必要とされています。
インフラ整備の効率化に欠かせないテクノロジーとは?
老朽化への対応や防災対策、緑化など、さまざまなインフラ整備に欠かせないのがテクノロジーの活用です。ここでは、インフラ整備に最適なテクノロジーについて解説します。
遠隔からインフラの状態を確認する監視カメラ
高解像度・高感度の監視カメラを活用することで、遠隔地からでも対象となるインフラの状態を詳細に確認することができます。さらに、リアルタイムでの映像伝送や過去のデータとの比較分析など、高度な機能を備えています。これにより、インフラの異常や損傷を迅速に検知し、必要なメンテナンスや修復作業を計画的に進めることが可能となります。
インフラの劣化や状態を把握するためのモニタリングシステム
センサーシステムは、橋梁やトンネルなどのインフラに取り付けられ、振動、変位、温度、湿度、圧力などのさまざまなパラメータを測定する装置です。これらのセンサーは、インフラの微小な変動をリアルタイムで捉えることができます。データ解析により、劣化の兆候や状態の変化を早期に検知することができ、適切な対応や修復を行うための情報を提供します。
【インフラモニタリングソリューション「monifi」】
「monifi®(モニフィ:MONItoring service For Infrastructure)」は、多種多様なセンサーで取得したインフラ構造物の振動や河川の水位など、現場の情報を収集・分析することにより、インフラの劣化進行や災害状況を予測し、最適な予防保全を可能にするシステムです。新商品「ゼロエナジー高感度カメラ」と連携させることで、広範囲でのインフラの巡回点検の自動化、遠隔地からの災害現場の目視確認など、総合的な防災DXが実現できます。
https://www.oki.com/jp/infra_monitoring/monifi/index.html?pid=pickupdisaster
まとめ
橋梁・道路・トンネル・ダム・下水道などのインフラは、私たちの生活の基盤となるものです。このようなインフラは建設から50年以上が経過しており、老朽化問題が深刻化しています。また、頻発する自然災害への対策や市街地の緑化などの面からも、インフラ整備の重要性が増しています。インフラ整備の効率化やテクノロジーの導入を検討している方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。
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