2025年12月16日

国際標準化会合「CxO Roundtable」参加者
OKIは、2025年11月3日にドイツ・ミュンヘンで開催された国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU-T)(注1)主催の「CxO Roundtable」にて、分布型光ファイバーセンシング(以下、DFOS(注2))とIOWN®などの先進的ネットワークを融合させることで、広域の社会インフラ維持管理の効率化やグローバルな災害対策の高度化などの「インフラDX」が期待でき、社会実装に向けた国際標準化の推進が重要であることを提言しました。本件は、取締役常務執行役員 技術責任者 加藤 洋一が提言し、ITU-Tおよび各国の通信関連有力機関から多くの賛同を得ました。
近年、インフラの老朽化や都市化の進展、激甚化する自然災害、労働人口減少などにより、社会インフラの維持管理や防災が世界的な課題となっています。これらの状況を受け、ICTや新たなセンシング技術を活用した効率的な社会インフラ管理、および国際的な連携・標準化の重要性が一層高まっています。
OKIは、このような社会課題に対し、長年培った通信技術とDFOSの融合による効率的な管理を提言しました。既存の光ファイバー網やIOWN(注3)を活用することで、社会インフラ設備の一括監視、省力化、コスト削減、災害予兆の早期検知などを可能にする先進的な仕組みを紹介したほか、海洋・製造・モビリティ分野への応用や国際的協業による展開・市場拡大にも言及しました。今回の公式声明文書(注4)には、DFOSの有効性や、通信ネットワークとの融合に向けた国際標準化推進に関するOKIの提案が盛り込まれ、各国の参加機関から賛同を得ました。
OKIは今後も、DFOSとIOWNの連携をベースに、技術の研究開発、社会実装、国際標準化を通じて、社会インフラの高度化・持続化、スマートシティ、災害対策やセキュリティ強化など、グローバルな社会課題の解決に貢献していきます。
ITU電気通信標準化局からは、以下のコメントが寄せられています。
ITUは分布型光ファイバーセンシングの光インターフェース要件を規定する新たな国際標準を承認したばかりであり、OKIの支援を嬉しく思います。ITU標準G.681は、広範なセンシング機能の普及に必要な規模の経済を促進することを目的としており、事業者が光ネットワークをより適切に保護し、sensing-as-a-serviceの革新によって、新たな収益を得る可能性を支援しています。
ITU電気通信標準化局
副局長 Bilel Jamoussi
国連専門機関の1つ。国連加盟国や地域で構成されている。ITU-Tは、ITU内で情報通信の国際標準化を担当する組織。
分布型光ファイバーセンシングのこと。光ファイバー自体をセンサーとして用い、対象物の歪み・温度・振動などを位置情報とともに測定する技術。
ネットワークやデータ処理、端末までを光で接続し、超高速・大容量かつ低遅延、省電力な通信の実現を目指す、NTT主導の次世代通信・情報処理基盤構想。
https://www.itu.int/en/ITU-T/tsbdir/cto/Documents/Communique_ITU_CxO_2025_Final.pdf ![]()