2024年9月19日
OKIは、世界の優れた技術を素早く事業に取り込むことで、複雑化する社会課題を迅速に解決するため、欧米で導入が進む「ベンチャークライアントモデル(以下「VCM」)」を採用します。このたび、VCM実践のプロセスと社内体制を整備し、27pilots Deloitte GmbH(本社:ドイツ ミュンヘン、CEO:グレゴール・ギミー、以下「27pilots」)の協力を得てその運営を開始しました。
OKIは、2024年5月からグローバルなオープンイノベーション活動を進めています(注1)。このたび、本活動の加速と持続的な発展を目指し、27pilotsの協力を得て、VCMの活用を担うベンチャークライアントユニット(注2)の運営を開始しました。
スタートアップと連携を進める中で、出資やアクセラレーションという通常の手法では、協業やスタートアップの本格採用までに至る確率が低いなどの課題がありました。この課題を解決するVCMは、戦略的な課題解決に直結するスタートアップの顧客となり、戦略利益を得る手法です。スタートアップの製品をそのまま購買、評価することにより、スタートアップとの協業を困難にする要因となる、知的財産での交渉にかかるリスクやコストを最低限に抑え、意思決定を早めます。VCMでは、標準化されたプロセスにより、スタートアップとの協業で障害となりがちな要素を排しており、その活用により、迅速な取引を大量に行えるようになります。
戦略的かつ直接的にすばやく多数の優れた技術を取り入れるVCMの導入により、OKIは、世界中の優れた技術をいち早く試し、適切に評価した上で、自社に取り込みます。これにより、オープンイノベーション活動を効率的に行い、限られたリソースで「早く」「大量に」「確実に」戦略的な利益を獲得します。
OKIは、2023年11月に発表した「技術戦略」において、社会課題をスピーディに解決するソリューション基盤の技術コンセプトとして「エッジプラットフォーム」(注3)を提唱しました。今回のVCM活用によるオープンイノベーション活動の加速は、この実現を加速するために欠かせない活動と位置付けられます。VCMの活用により、世界中の技術革新の事業への取込みを持続的かつ効率的に行うことで、複雑化する社会課題をスピーディに解決していくことを目指します。
2024年10月23日・24日に開催されるOKI WORLD 2024においては、VCMに関連するステージプログラム、セミナー、展示なども予定しています。
VCM実施プロセスのイメージ
ベンチャークライアントモデルとは世界最高峰のスタートアップの顧客になり、スタートアップの技術力、サービスなどを自社の収益向上、コスト削減などの戦略的利益のために活用することを再現性を持って実現する方法です。デロイト ドイツのグループ企業である27pilotsのCEOであるグレゴール・ギミー氏がBMW在籍時に、BMW Startup Garageの取り組みを通して再現性のある形で定式化したのが起源とされています。日本では27pilotsとデロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社が協業のうえ2023年12月よりサービス提供を開始しており、同社のCOO木村将之氏が27pilots Japan Country Head/Lead Partnerを務めています。
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20231228.html