OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。
株式会社レスカ
株式会社レスカは、「はんだ接合強度試験機」や「ボンディングテスタ」「薄膜の付着力(密着)試験機」「摩擦摩耗試験機」「粘着力評価機」などの、高い精度と信頼性が求められる各種試験機を製造・販売するメーカーです。今回、同社は第三者校正をOKIエンジニアリングに委託することで、製品の企画・設計などに注力できる体制を構築。さらに今後、OKIエンジニアリングが同社の各試験機のISO/IEC17025校正認定を取得することにより、さらなる高品質な製品提供を目指しています。
株式会社レスカ
営業部門
部長
篠崎 健一氏
株式会社レスカは1955年の創業以来、「Accuracy and Reliability(精度と信頼)」を掲げ、半導体の接合材料を評価する「ボンディングテスタ」、電子部品のはんだ付け性を評価する「ぬれ性試験機」、薄膜の密着性や耐摩耗性を評価する「スクラッチ試験機」「摩擦摩耗試験機」、あらゆる表面材料や表面コーティングに対する評価を行う「表面物性試験機」などの開発から製造、販売までを手掛ける試験機メーカーです。
今回の経緯を、営業部門 部長の篠崎健一氏は、次のように話します。「もともと当社では、当社製の各種試験機のメーカー校正を、お客様からのご要望に応じておよそ1 ~3年ほどの周期で、社内の専任担当者による内製で対応してきました。全国各地の現地へ訪問しての出張校正が基本で、一部現地で対応できないものは引取(預かり)校正となり、その対応負荷の高さが課題でした。さらに近年、お客様からより公正・中立な第三者校正を求める声も、高まってきました。当社はかねてから海外では現地の販売代理店に修理、校正を含む保守メンテナンスを委託していたこともあり、国内においても校正のアウトソースを検討することとなりました」。
そこで同社は、自社設備の定期校正の依頼先であり、20年ほど前から同社の機器を用いた計測サービスを展開しているOKIエンジニアリングに相談。協議を重ねる中で、より厳格なISO/IEC17025校正への対応がスコープに加わった、と篠崎氏は話します。「OKI エンジニアリングの校正営業担当に来社いただき、業界におけるISO/IEC17025校正の必要性を分かりやすくご説明いただきました。特に自動車関連の顧客など、グローバルなサプライチェーン強化の観点で今後、ISO/IEC17025校正への対応が必須になってくると感じた一方、自社での認定取得はリソースやコスト面で非常にハードルが高いことも理解しました」。
ISO/IEC17025規格は「試験所認定」とも呼ばれ、製品検査や分析・測定などを行う試験所および、計測機器の校正業務を行う校正機関に対する厳格な要求事項が定められています。その上で、同社は2022年4月、校正を含む保守メンテナンスをOKIエンジニアリングにアウトソースすることを決断しました。
アウトソース先にOKIエンジニアリングを選定した理由について、篠崎氏は次のように話します。「長年にわたってさまざまなメーカーの専門的な計測機器の校正を受託している実績に加えて、全国規模での出張校正、引取(預かり)校正、保守や修理などにも対応いただけること。さらには当社顧客とダイレクトに連絡を取り合って日程の調整から代金回収までお願いできるなど、当社の要望に対して柔軟に対応いただける。そして、将来的に試験機ごとに求められるISO/IEC17025校正の認定を目指しましょうと提案いただけたことが、決め手となりました」。
レスカ 篠崎氏に、従来の課題や計測器校正サービスの魅力を語っていただきました。[2分11秒]
2022年5月、同社はOKIエンジニアリングと校正・保守業務のアウトソース契約を締結。その後、対象となる機器を選定した上で、技術マニュアル類を提供し、移管指導を実施。OKIエンジニアリングの技術者が、各試験機の校正および保守に必要な技術を習得していきました。それと並行して、同社の顧客企業への告知方法や依頼を受けた後の業務フローなども協議。顧客への案内は代理店経由および個別にも行った上で、2022年8月付で両社のWebサイトで第三者校正の開始を告知。専用のメールアドレスや申込フォームも設置し、以降は委託先であるOKIエンジニアリングが、同社顧客からの校正に関する問い合わせや依頼をダイレクトに受けることとなりました。
そして2024年3月、同社製のボンディングテスタ、スクラッチ試験機、タッキング試験機、フリクションプレーヤ、はんだぬれ性試験機の計5種、型番にして15機種の同社の試験機において、引継ぎが完了しました。
「OKIエンジニアリングの技術者に当社に来ていただいて、機器ごとに製品を分解しながら校正やメンテナンスの手順を1からお伝えしました。その後、お客様先にも同行、現地での実習も行いました。機器によって校正の依頼時期が異なることに加えて、同機種、同じ型番であっても製造時期やロット、カスタマイズなどで細かく仕様が異なるため、正確に把握いただくのには時間を要しましたが、それでも1年10カ月ほどで当社計測機のおよそ9割方は、当社の技術認定を受けたOKIエンジニアリングの専任校正スタッフによる対応が可能となりました」。(篠崎氏)
アウトソース後の成果について、篠崎氏は次のように評価します。「OKIエンジニアリングは長年、さまざまな製品を扱う校正のプロなだけあって、これまで当社が実施していたメーカー校正と同等以上のクオリティで第三者校正を実施してくれるため、安心してお任せできます。顧客からの出張校正の要望にも全国規模で臨機応変に対応してくれるほか、当社専用の作業ブースを設置し、引取(預かり)校正にも対応してくれています」。
さらにOKIエンジニアリングは、校正だけに留まらず、幅広いサービスを提供しています。「校正サービスの枠を超えて、点検や簡易的な修理にも迅速に対応いただけており、お客様からも好評です。また、出張校正の際に旧型機種をご利用中のお客様に新製品をご紹介いただき成約につながったケースもあり、感謝しています」。
最後に篠崎氏は、本プロジェクトの総括およびOKIエンジニアリングへの期待を、次のように締めくくりました。「OKIエンジニアリングにアウトソースすることで、より公正・中立な第三者校正の実現と同時に社内の業務負荷も軽減され、社員は企画や設計などの本業に集中することができるようになりました。今後、各計測機のISO/IEC17025校正の認定を1日も早く取得し、さらなる高品質サービスの充実を図っていただけるよう、期待しています」。
2024年11月掲載