OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。
株式会社ニチイケアパレス
株式会社ニチイケアパレスは、首都圏と関西を中心に居住系の介護サービス事業(約100施設)を展開しています。新介護支援システム導入などICT化を積極的に推進する同社は今回、首都圏を中心に展開する介護付有料老人ホーム「ニチイホーム」の約30拠点において、OKIのPBXと「Com@WILLソフトフォンスマート」アプリ、無線LANアクセスポイントを導入。全館無線LANの整備とともに、アイホン社のナースコールシステムとも連携し、ナースコール応対と内線通話用のPHSをスマートフォンへ刷新することで、睡眠センサーの導入に繋がり、業務効率化を実現しました。また、将来的に介護記録を現場で直接入力できるシステムを導入し、さらなる業務効率の向上を目指しております。
Com@WILLソフトフォンスマート
スマートフォン(iOS/Android™)にナースコール連携用アプリケーションをインストールすることにより、ハンディナース端末として利用することができます。
※Com@WILLソフトフォンスマートのご利用にはOKI製のPBXまたはビジネスホンの導入が必要です。
株式会社ニチイケアパレス
事業推進部 施設課
プランニングマネージャー
山崎 さゆり氏
同社がシステム刷新を検討したのは5年ほど前に遡ります。当時の経緯について、株式会社ニチイケアパレス 事業推進部 施設課 プランニングマネージャーの山崎さゆり氏は、次のように話します。「スタッフが24時間常駐する介護付有料老人ホームのニチイホームは現在、首都圏を中心に約80施設ほど稼働しています。施設の中には、開設から10 ~ 15年以上が経過し、電話やナースコール設備も経年劣化して、大きな障害が発生する拠点も出てきたため、リプレイスを検討していました。ちょうどその時期、社内のICT化推進の取り組みとしてセンサーシステムの導入や基幹システムを新たな介護支援システムに刷新するプロジェクトもスタートしていましたので、まずは新規開設施設を対象として、ハンディナース機器も含めた現場業務のICT化を検討することになりました。その目的は大きく2つ。
1つはICT化を推進することで慢性的な人手不足を補い、業務効率化および介護サービスの質の維持向上を目指すということ。もう1つは採用面での効果を狙いました」。
そこで検討されたのが、内線通話およびナースコール応対用のPHSをスマートフォンに移行することでした。スマートフォンの追加導入ではなくPHSからの置き換えを選択した理由について、同社で設備管理を担当する事業推進部 施設課の荒井友宏氏は「従来、介護記録は現場で紙のメモに手書きし、あとからPCで基幹システムに入力しており、現場からは非効率との声が挙がっていました。新たに導入する介護支援システムはスマートフォンアプリから直接記録を入力することが可能なため、各職員へのスマートフォン配布を決めました。しかし、内線通話やナースコール応 対用のPHSと記録用のスマートフォンの2台持ちとなるとわずらわしいとの声が挙がる懸念があり、思い切って、スマートフォンのみのワンデバイス化に踏み切りました」と語ります。
株式会社ニチイケアパレス
事業推進部 施設課
荒井 友宏氏
電話設備に必要なPBX、スマートフォン音声アプリ、連携するナースコールシステムにはさまざまな選択肢がある中で、今回、OKIとアイホンの機器を選定した理由について、荒井氏は次のように語ります。「実は当初は、他社製品を用いた構成で導入していました。新介護支援システムと連携するアプリデバイスはiOSのみなのですが、そもそもiOSと連携できるPBXとハンディナース機器の選択肢が少ないのです。今回のリプレイスのタイミングで、アイホンのナースコールシステムとOKIのPBX、『Com@WILLソフトフォンスマート』アプリの連携構成ならiOSに対応できる、とOKIから提案いただき、他社ではできない固定電話とスマートフォンの同時着信が実現するのであれば、ぜひお願いしたいと思いました。当社ではこれまでも新規拠点でアイホンのナースコールシステムやOKIのPHSの導入実績があり、OKIとアイホン両社の連携力も把握していました。その実績と安心感が決め手となりました」。
同社はスマートフォンの利用に欠かせない全館無線LANについても、OKIが推奨する無線LANアクセスポイントを採用。この理由について荒井氏は「複数社から提案を受けましたが、アクセスポイント1台ごとに毎年ライセンス料が発生するものも中にはありました。その点、OKI推奨の機器はランニングコストがかからない点が魅力でした。全館無線LANの実現には1拠点当たり約20台、多い施設では50 ~ 60台のアクセスポイントの設置が必要なため、コスト削減効果は非常に大きなものがありました」。
さらに今回、同社は施設玄関のドアホン着信時の呼出も、固定電話とスマートフォンでいつでも、どちらでも応対できる機能を実現しています。その理由を荒井氏は「従来、夜間などのご家族訪問時に速やかに対応できるよう、ドアホンの着信は固定電話機とPHSで応対していました。この機能は、スマートフォンでも実現したかったのです」と語ります。
同社は今回、OKIとアイホンの連携構成を約30拠点に導入しました。導入に際し苦労した点について、荒井氏は次のように語ります。「大きく3点あります。1点目は、各拠点の設備状況のリスト化。これまでは各拠点でさまざまなメーカーのナースコールや電話設備が導入されていました。刷新にあたり、構成および設置からの経年数なども棚卸しして、まとめ直しました。2点目は現場の日常業務を妨げないよう、既存システムの停止時間に配慮が必要であったこと。3点目は、PHSからスマートフォンへの移行について各職員に取り扱いの説明をする時間が十分に取れず、定着に時間を要した施設もあったことです。一方、先にスマートフォンを導入し、ある程度慣れてから介護支援システムの導入を進めていったため、同時導入よりは現場の戸惑いが防げたと感じています」。
現場の反応について、荒井氏は「長年慣れていたPHSの方が軽いし簡単でよかった、との声もありますが、改善され好評な点も多くあります。たとえばこれまではナースコールは、施設内の職員が所持するPHSの若い番号から順番に呼び出しがかかっていました。今回導入したスマートフォンでは、ほぼ同時に呼び出しがかかるので、毎回同じ人が呼ばれる、あるいは呼び出しが遅いといった不満の声が解消されました。また、スマートフォンのカメラ機能が好評で、入居者様の異変を写真で看護職員と共有したり、レクリエーションの記録を残したりするのに使えて便利など、働きやすさを実感する声も挙がっています」と語ります。
今後の展望について荒井氏は、「今後、導入したシステムや無線LAN環境をさらに使いこなすことがポイントです。今回、一部で睡眠センサーも導入しましたが、スマートフォンの機能と同様、まだまだ使いこなせていません。今後はスマートフォンをさらに活かすアプリやシステムの導入を検討したいと考えています。また現場での活用を促進し、定着化するための継続したフォローが必要と感じています。施設間で職員の異動も多く操作方法の再教育の必要性もあり、マニュアル整備も検討しています。今回導入したシステムの使い勝手について、引き続き現場の声を聞く機会を持ち、それをOKIおよびアイホンにフィードバックして、機能の拡充などにつなげる良い循環を構築したいと考えています」と話します。
山崎氏はOKIへの期待を込め、次のように結びました。「OKIはアイホンと連携して、見事に今回のプロジェクトを成功に導いてくれました。今後も当社は介護業界の現場課題の解決と、よりよいサービスの提供を目指してまいります。引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします」。
アイホン株式会社 東京支店
東京電設 第二営業所
久保 祐治氏
「ナースコールメーカーとして日々、介護現場や事業者様から、募集しても人材が集まらない、採用しても続かない、という業界としての人手不足の課題をお聞きしています。本事例のニチイケアパレス様のように、働きやすさや働き方改革への取り組みをされている事業者様は、新卒学生の採用にも成功されています」
2023年4月掲載