OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。
株式会社明電舎 外観
社会インフラを支える大手重電メーカーの株式会社明電舎は、明電舎およびグループ会社の工場で膨大な枚数の紙図面を用いて実施されるシステム製品における配電盤製造および検査・試験のチェック工程に、図面管理クラウドサービス 「TerioCloud®」を導入。業務の効率化および情報共有の効率化を大きく向上し、さらなる品質向上への取り組みを続けています。
図面管理サービスTerioCloud
建設業や設備工事業をはじめとするさまざまな企業の図面を扱う現場から紙図面をなくし、タブレット端末でデジタル化された図面を共有することで、現場の働き方を改革するデジタル変革ソリューションです。
【TerioCloud導入による効果】
生産統括本部
生産技術部 生産技術課
専任課長
保坂 誠氏
沼津事業所 全景(空撮)
1897年の創業以来、重電メーカー としてさまざまな技術や製品・サービスを創出し、社会インフラを支える株式会社明電舎。発電・変電・送電などの電力インフラや水のろ過・処理、電気自動車のモーター、自動車試験装置など、幅広く事業展開しています。 国内のみならず、開発途上国でのライフライン整備など、世界規模のプロジェクトも手がけています。
グループのIT利活用およびDXを推進する明電舎 生産統括本部 生産技術部 生産技術課 専任課長の保坂誠氏は、本商品導入前の2014年当時の業務課題を、次のように振り返ります。「グループ内には、配電盤を製作するラインが複数あります。導入前の当時は、各ラインで1製品につき何百ページにものぼる大量の紙図面の製品の製造、検査・試験などの各チェック工程を手書きで行っており、効率化が求められていました。また、事務所で印刷した紙図面を工場現場まで持参する手間がかかり、現場には多量の紙図面が溢れ、作業と書類保管スペースの確保や、情報共有のやりづらさも悩みでした。具体的には、製造工程は受入配膳、部品組立、枠組み、扉組立、盤組立、単面検査、総合試験の流れで行いますが、受入配膳や部品組立工程では紙図面ゆえに詳細部分の拡大・縮小ができず、複数の作業者が同時に対応できませんでした。欠品や仕様変更時には、紙図面に手書きのメモを加えて伝達するのですが、情報共有のやりづらさも課題でした。また組立工程では狭いブース内で数百枚もの紙図面を開き、対象箇所を探すだけでもひと苦労です。検査・試験工程では配線結合や通電状況に不具合がないかをマーカーで塗りつぶす『黄染め』と呼ばれるチェックを行いますが、同一図面への担当者間の重複記入ができないため、待ち時間が発生します。さらに、エビデンス情報として必要な『いつ、誰が』どの作業をしたのかがわからないなど、改善すべき点が多々ありました」。
TerioCloud画面
TerioCloudを使っている様子
2014年当時、タブレット端末を利用した工場のスマート化推進が注目されており、同社はiPadを導入。iPad上で図面を扱う業務アプリを模索する中、候補に挙がったのがOKIのTerioCloudでした。保坂氏は比較検討の結果、TerioCloudを選定した理由を、次のように述べます。「建築業で導入されているソフトウェアや、汎用のiPadアプリなどを複数、比較検討しました。その中で当社が求めた、iPad上で動作すること、1ファイル数百ページから構成される図面が利用できること、現状の製造ライン運用に影響せず作業者の手数が増えないこと、そしてセキュリティ担保のためオンプレミスでの運用が可能である、といった条件をすべて満たすのは、TerioCloudだけでした」。
加えて保坂氏は、TerioCloudの持つ豊富な機能についても高く評価したと語ります。「ページ間の移動が速いことや、図面検索に有効なサムネイル機能、手書き、マーカーなど入力機能が充実していることに加え、同一ファイルへの同時アクセスも可能。さらにTerioCloudは『いつ、誰が』どの作業をしたか自動記録するログイン認証の仕組みがあり、記入者情報の可視化が図れます。例えば出荷後に何か不具合があった際、その日付近辺での作業者を特定しやすく他への影響がすぐに調査できるといった、再発防止策にもつながると考えました」。
同社は2015年、沼津事業所内の工場ラインの組立・試験におけるチェック工程にTerioCloudを導入。「当時はまだスマートフォンが普及前だったこともあり、デジタルデバイスの操作に不慣れな現場スタッフもいました。しかし、若手スタッフをキーマンとして、そこを起点に浸透させていきました」と保坂氏は振り返ります。また、当初に操作遅延などパフォーマンス面で生じた課題も、OKIの迅速なサポートで解決しました。
導入後、現場スタッフの声について保坂氏は「『フリーハンドで手書きでも文字入力ができ、紙図面のときと同じ感覚で使いやすい』『マーカー色をスタッフごとに指定することで、誰が作業したのかが一目でわかる』『1つの図面を同時に複数でチェックできるため、待ち時間や書面の受け渡しの手間が減った』といった効果を実感する声が聞こえてきました」と語ります。
以後、同社は段階的に適用範囲を広げてきました。今回利用現場の一つとして取材させていただいたグループ会社の明電プラントシステムズ株式会社(※1)では、2018年に部品組立や扉組立、単面検査工程で利用を開始。並行して明電舎は、より利便性を高めるためOKIと共に追加機能の開発を実施しました。現在では、単にTerioCloudを使用するだけでなく、外部システムからTerioCloudに格納された図面を直接起動(表示)できる仕組みや、CADで作成した図面をシームレスにTerioCloudに取り入れる仕組み、完了後の図面を最適なフォルダに自動で保存する仕組みなど追加機能も活用しながらご利用いただいています。
保坂氏は導入効果について、「拡大・縮小機能などの閲覧性と該当ページの検索性の良さに加えて、タブレットであることで大きな紙図面を広げる必要がなく、狭い環境や、暗い場所でも扱えて便利です。また、書面を探す手間や図面上の文字や数値の判断ミスも軽減され、紙図面を廃止して整理整頓の2Sも実現しました。中でも特に大きな成果として感じているのが、チェック結果をデータ化したことで、各工程や部署間での情報共有が容易になったこと。さらに、いつ、誰が、どの作業をしたかを自動記録するログイン認証の仕組みで、記入者情報の可視化が図れ、有事のときにもエビデンス情報を速やかに検索できる点も、大きな成果です」と話します。
現在ではアカウント数も導入当初の100 IDから、250 IDまで拡大。前述の配電盤ライン工場だけでなく、他の製造工程や工場へとTerioCloudの利用範囲が広がっています。今後の展開について保坂氏は「今後は、さらなる未導入ラインへの展開を図るとともに、現場で得られた各種データと帳票系データとの連携、管理ニーズに応えるべく、社内で利用する帳票系システムとのAPI(※2)連携を計画しています」と語ります。
最後に保坂氏はOKIへの期待として、次のように結びました。「当社とOKI様は、役員上層部の交流があり、近年は工場現場間の交流も活発になってきています。これから、互いの技術的な強みを持ち寄り、コラボレーションして新たな価値やイノベーションを共創して行ければと、期待しています」。
2023年3月掲載