導入事例

OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
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法人情報

久留米工業大学ロゴ

法人名
学校法人 久留米工業大学 様
所在地
福岡県久留米市上津町2228-66
創立
1958(昭和33)年
関係者数
学生1,469名、教員107名、職員60名(2022年5月1日現在)
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「AE2100」を活用したKyuホールディングスの「AIスマートパーキング」を納入
カメラ画像から車室の満空状態を把握するAI画像解析により、駐車場の課題を解決


久留米工大 校舎外観

昭和41年の建学以来、「人間味豊かな産業人の育成」を建学の精神として、その実現を目指す学校法人 久留米工業大学(以下、久留米工大)。同学は、株式会社Kyuホールディングス(以下、Kyuホールディングス)との包括連携協定により、AI技術や画像解析技術を組み合わせたパーキングシステムの開発・研究に取り組んでいます。

Kyuホールディングスは、AI画像解析にOKIのAIエッジコンピューター「AE2100」を活用した「AIスマートパーキング」(以下、本システム)を2022年7月に商用化しました。さらに、本システムを利用して、久留米工大で複数カメラとAI画像解析で車室の状況を可視化し、駐車場内の誘導に役立てるための実証実験を、2022年11月より開始しています。

概要

課題
  • 大型駐車場の利用者は混雑時、どこに空き車室があるか分からず、なかなか駐車することができない
  • 駐車状況の表示には、個々の車室にセンサーを設置するため、多額の費用がかかっていた
成果
  • 複雑な形をした平面駐車場でも、車室の空き状況をエッジでのAI画像解析により、リアルタイムで確認可能
  • 観光案内板等への情報提供や利用者への利便性向上など将来的な拡張性を実現

導入ソリューション

Kyuホールディングスは、久留米工大との包括連携協定の一環として、AI技術と画像解析技術の組み合わせによる駐車場の利便性を追求したパーキングシステムの開発・研究に取り組んでいます。「混雑していて、どこの車室に停めていいのか分からない?」そうした駐車場に関する「困った」を低コストで解決するソリューション「AIスマートパーキング」です。

詳細

課題・背景

コンテストをきっかけに日常のアイデアから生まれた「AIスマートパーキング」
産学連携によりAI応用研究からビジネスへ直結


学校法人 久留米工業大学
情報ネットワーク工学科 教授
千田 陽介氏
(AI応用研究所 所長)

久留米工大 情報ネットワーク工学科 教授 千田陽介氏(AI応用研究所 所長)は、「AI応用研究所は、2020年に設立しました。主にAIを活用した社会課題の応用研究と、AI人材の輩出のために全学で必修となっているAI教育のカリキュラムを策定しています。応用研究では企業との取り組みとして、AIを使った地域の課題解決と、本格的な企業との共同研究の2つがあります」と語ります。

また、Kyuホールディングス 関連会社営業支援部 長谷川誠氏は、本システムの検討を始めたきっかけについて、「2020年9月に開催されたOKIのAIエッジ・カンファレンス&ソリューションコンテストの申し込みにあたり、社内でアイデア出しのブレインストーミングをしていました。社員の一人が体験した、土日にショッピングモールへ行った際に駐車場が混んでいて、なかなか空いている車室を見つけられずに何回も駐車場内をグルグル周っていた不便さがヒントとなりました」と振り返りました。



株式会社Kyuホールディングス
関連会社営業支援部
長谷川 誠氏

その後、AIエッジ・カンファレンス&ソリューションコンテストにおいて、各社がAE2100の特長を活かしつつ創意工夫を凝らして開発した多くのAIソリューションが出場されるなか、「AIスマートパーキング」が見事、第2位を獲得しました。この入賞結果を受け、商用化に向けて本格的な検討が始まりました。

千田氏は、今回の共同研究の経緯を、次のように話します。「KyuホールディングスでAIスマートパーキングの開発を進めるにあたり、以前からお付き合いのあった本学教授に相談がありました。当時、AI応用研究に取り組んでいた私を紹介され、実用化に向けてKyuホールディングスと一緒に共同研究を行うようになりました」。


共同研究・導入のポイント

駐車場管理に必要となるAIは、まだまだ進化が必要
具体的な課題こそが研究テーマとなる


久留米工大 第1駐車場 現地写真

千田氏は本システムの研究内容を、次のように話します。「Kyuホールディングスと一緒に実証実験を開始しました。本システムで24時間の監視をしていますが、特に夕日が眩しいとき、降雨や降雪などと天候が悪化した際でも正常に満空状態を検知できるかという観点で日々、チェックをしています。正常に検知できない場合にはどのような対策が必要になるのか、大学院生1名と学生1名で研究を進めています」。

さらに、千田氏は「現在の主な取り組みは、AIにさまざまな車の形を覚えさせるために日々、車の画像収集とAIへの学習をしています。今後、天気や日照などの変化への対応をはじめ、カメラの台数を減らしたり、駐車場に隣接した木の成長がどのような影響を与えるのかなどの検証も行う予定です。将来的には、駐車場利用者のドライバーへ空いている車室を伝える方法や、車の下に潜り込んでしまった猫の検出など、大学ならではの研究も考えています」と今後に向けての意欲を語ります。

車室73台の学内駐車場で実証実験を開始
カメラ画像から現場でのAI処理で空き状況をリアルタイムに把握

2022年11月に、福岡県久留米市にある同学の第1駐車場で実証実験を開始。車室が73台ある駐車場を高い位置に設置したカメラと現場でのAI処理を行う「AE2100」を7セット、これを1台の管理用「AE2100」で管理をしています。カメラから取得した画像を「AE2100」がエッジ(現場)でAI画像解析を行うことで、駐車場の空き状況をリアルタイムに把握できる環境を構築しました。

本システムの導入について、長谷川氏は次のように解説します。「駐車場は複雑な形をしていたため、通常より多い7台のカメラで撮影した画像をAIで解析し、各車室の空き状況を管理しています。1台のカメラだけでは、木などの障害物で見えなかったり、車の重なりで他の車が検知できなかったりすることもあるため、最大4台のカメラを連動させて1つの車室の正確な状況を解析しています。カメラの配置は、事前に年間での駐車場の見え方を想定し、シミュレーターを使って設計を行いました」。

成果・今後

従来のセンサータイプに比べて設置・導入コストが半減
病院、商業施設、パーキングエリア、地方空港などへの利用拡大を想定

長谷川氏は、今回の成果を次のように語ります。「久留米工大で利用している本システムは、平面駐車場に最適な『車室管理版』になります。車室管理版については、すでにソリューションとして顧客提案を開始しています。今後もさまざまなニーズに応えていくため、AIの学習を続けていく必要があり、今後もアップデートをしていく予定です。今回の事例をもとに、病院や大型商業施設、高速道路のパーキングエリア、地方空港などの広い平面駐車場での利用を想定しています」。

続けて、「本システムは、車室毎のセンサーの設置・工事などが不要となるため、従来のセンサータイプと比べるとコストが約半分になると想定しています。また、空き車室への誘導を電光掲示板などに置き換えることで、誘導員・警備員の人手不足や人件費の削減に貢献できると考えています」と話す長谷川氏。


システム管理画面

導入効果の把握とともに、大学内に広く情報公開していきたい
今後も久留米工大、KyuホールディングスとOKIで駐車場管理の課題に取り組む

千田氏は、今後の大学内での展開について「昨年11月から実証実験を開始したため、導入効果はこれから把握していきます。すでに、職員や学生には個別に紹介し、評判も上々です。今後は、駐車場の入り口や学生課の事務室でリアルタイムに駐車場情報を公開していきたいと思います」と語ります。

また、長谷川氏は次のように締めくくりました。「立体駐車場や地下駐車場などで利用可能な本システムの『ライン監視版』を今後、提供できるように開発しています。高い位置にカメラを設置する必要がないため、より簡単に導入することが可能です。さらに、駐車場内の空き車室への誘導や周辺駐車場の統合案内など、多種多様な駐車場へのニーズに応えるために、カスタマイズ対応や本システムのバージョンアップなどを進めていきます。これからも、久留米工大・OKIとも連携しながら、駐車場管理におけるさまざまな課題に取り組んでいきます」。

お問い合わせ先

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2023年3月掲載

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