導入事例

OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。

企業情報

兵庫信用金庫 様

所在地
兵庫県姫路市北条口三丁目27番地
代表者
園田 和彦 理事長
創立
1931年1月12日
営業店数
45カ店
従業員数
573名(2015年3月末現在)
事業内容
法人向け、個人向けの各種金融サービスの提供
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営業店向けシステムにサーバー仮想化とシンクライアント環境を導入
OKIが提案した独自のサーバーVDI方式で大幅なコスト削減に成功

兵庫県姫路市に本店を置く兵庫信用金庫様は、各営業店で活用する営業支援システムなどのサーバーを分散配置していた環境を見直し、事務センターに構築した仮想化基盤によるサーバー統合と、PC端末のシンクライアント化を推進しました。その新しい環境には、シンクライアントシステムにサーバーVDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップ)方式(注1)というユニークな方法を用いたOKIの提案を採用。導入コストもランニングコストも大幅に抑えつつ、効率的なシステム運用管理を実現しています。

詳細

2014年にNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」のゆかりの地として話題を集め、2015年には世界文化遺産である姫路城の大天守閣が長期修理を終えて再公開となり注目を浴びた兵庫県姫路市。いまや国内だけでなく海外からも多くの観光客が訪れ大いに賑わっています。

この歴史ある街に本店を構え、各種の金融サービスとさまざまな地域貢献活動を展開しているのが兵庫信用金庫様です。創業は1931年ですが、地域内での信用金庫同士の合併を経て現名称・組織体制となった1974年を出発点と位置付けており、2014年から3カ年の中期経営計画では「10年後、50周年を見据えた土台づくり」を標榜し、事業強化に向けた種々の施策に取り組んでいます。

背景・導入目的

各店に配備したサーバー機器の障害続出を機に、仮想化による一元管理を検討


兵庫信用金庫 事務部 部長
山下 実 氏

兵庫信用金庫様では、姫路市、神戸市を中心として県内45カ所に営業店を配置しています。各店舗には2008年、OKIが提供する渉外員向けの営業支援システムが導入され、ハンディ端末によるお客様先での業務の効率化が進められました。

このシステムの環境を見直す必要が生じたのは2014年。店舗ごとに設置していたサーバー機器の障害が相次いで発生し、その対応に追われたのです。事務部 部長の山下実氏は、「現場の業務に少なからぬ支障が出ましたし、復旧を急ぐために運用管理側にも相当な負荷がかかりました」と振り返ります。

トラブルの解消策としては、単純にハードウエアを更新する手もありましたが、「抜本的な課題解決を図ろうと考え、各店舗に物理サーバーを配備するのをやめて、事務センターに仮想サーバーを構築し一元的に管理することにしました」(山下氏)。

さらに、この機を捉えて、かねてから興味を持っていたシンクライアントシステムの導入も検討しようと、複数のベンダーに見積りを依頼しました。しかしながら、いずれの提示金額も想定を大きく上回るものだったため、ひとまずはサーバー仮想化のみを進めるべく、営業支援システムを納入したOKIに相談しました。

サーバーOSを用いる仮想デスクトップ提案を受け、一度は諦めたシンクライアント化も決断

OKIに対しては当初、営業店で運用している営業支援システムおよび独自の情報系・管理系システムのサーバー仮想化に関する提案を求めました。その際、「今回はペンディング」と決めたシンクライアント化についても“余談”として話しました。

するとOKIから、将来を見据えた拡張性のある仮想化基盤の構築に加えて、サーバーVDIという独特な方式によるシンクライアントシステムの提案も持ち込まれたのです。

OKIの提案した仮想化基盤は、営業支援システムと情報系・管理系システムで40台を超える既設サーバーを仮想化して3台の物理サーバーに集約し、その他のシステムの仮想化にも空きリソースで対応可能とするものでした。

また、シンクライアントシステムに関しては、

  1. VDIのOSをサーバーOS(Windows Server)とすることでVDAライセンス(注2)が不要(ただし、クライアント台数分のRDS CAL(注3)は必要)
  2. マスターイメージの展開および機能更新はミドルウエアを必要としないOKI提供のスクリプトで実現

の2つが大きなポイントでした。運用コストが抑えられるうえ、導入コストも安価で、他ベンダーとの提示金額の差は歴然でした。

山下氏は、「既存アプリケーションが問題なく動作することなど私どもの要望にも適っていたのですが、『本当に大丈夫か』という疑念を拭えませんでした」と、最初に説明を受けたときを思い返して苦笑します。すぐに自分で調べて問題ないことを確認。OKIからさらに詳しく話を聞いて導入メリットの大きさを確信し、正式採用を決めました。「コスト面での優位性が最終的な決め手になったのは確かですが、他ベンダーにない斬新な仕組みを提案してきたOKIの発想力と技術力の高さも評価ポイントでした」と、山下氏は付け加えます。

システム概要・導入ポイント

既存のPCをそのまま活かし合計約300台をシンクライアントへ移行

仮想化基盤とシンクライアントシステムの設計・構築は2015年4月からスタート。7月には運用を開始して営業店側の移行作業を順次行い、9月に全店舗を完了と、急ピッチで進められました。

山下氏は、「新しい環境への移行に際して、Active Directory(注4)の設定変更にかかる手間が大きな懸念材料でしたが、現場に足を運んでいたOKIの技術スタッフがアドバイスをしてくれたおかげで、非常にスムーズに作業を進められました」と話します。また、シンクライアント化にあたっては、社内用メールシステムがクライアントPCにデータを残す仕組みであることが課題になりました。そこで、以前から検討していたWebメールへの移行を決断。構築したばかりの仮想化基盤を利用することで、移行作業も容易に行うことができました。

営業店側のPC端末は合計約300台がシンクライアントへと移行しました。ただ、「ゼロクライアント(注5)端末を50台ほど購入したのですが、既存のPCをシンクライアント端末としてそのまま使えるので、まだ1台も更新していません」と、山下氏は明かします。従来環境のままであれば、PCをちょうど入れ替える時期に差しかかっていたことから、シンクライアントへの移行が端末の延命措置にもなり、これもコスト面でのメリットに結び付いたといえます。

導入効果・今後の展望

サーバーもクライアントも運用管理の負荷が大幅低減

仮想化基盤とシンクライアントシステムの導入効果として第一にあげられるのは、やはりシステムの運用管理にかかる負荷が大幅に軽減されたことです。営業店に分散していたサーバーを集約したことで障害発生時の対応が迅速に行えるようになりました。クライアントの設定変更あるいは端末のキッティング作業などにかかっていた手間も解消されました。

また、山下氏は、「サーバーVDIという方式が非常にシンプルで分かりやすいので、シンクライアントを初めて導入した私どもでも比較的容易に運用でき、トラブルが起こっても何とか自力で対処できています」と述べます。

営業店側でも、端末操作は仮想デスクトップへのアクセスが加わった程度でほぼ変わりなく、アプリケーションも従来と同じであることから、新しい仕組みを違和感なく受け入れています。パフォーマンスに関する不満の声もまったくなく、利用現場の評価は上々です。

本部および事務部で利用するシステムの仮想化・シンクライアント化にも積極姿勢

導入から1年間での確かな手応えを踏まえて、兵庫信用金庫様では2016年度中に、本部および事務部のサーバー仮想化とPC端末約140台のシンクライアント化も実現する意向です。

山下氏は、「本部と事務部は、利用アプリケーションが統一されているわけではないので、その整理に少々手間がかかりそうですが、新しい環境への移行に向けた準備はすでに始めています」と話します。実は、営業店での評価・成果を知る本部の職員から「同様の仕組みに早く変えてほしい」という強い要望が寄せられているそうです。

さらに山下氏は、「仮想化基盤を活かしたシステム拡張にも積極的に取り組んでいきたいので、OKIもいろいろとアイデアを提案してほしい」と、OKIへの期待を語っています。

用語解説

  • 注1:サーバーVDI

    仮想デスクトップのOSに、同一ホスト上で仮想インスタンス(注6)を無制限に構築することのできるライセンス体系のWindows Server Datacenter Editonを利用。仮想ホスト上のVDI集約率が高ければ高いほど、VDI 1台当たりのライセンスコストを抑えることができる。

  • 注2:VDA(Virtual Desktop Access)ライセンス

    仮想環境のWindowsクライアントOSに対し、リモートでデスクトップ接続する・アクセスする場合に必要になるライセンス。

  • 注3:RDS CAL(Remote Desktop Service Client Access License)

    サーバーOSにリモート接続するために必要なライセンス。

  • 注4:Active Directory(アクティブディレクトリー)

    Windows Serverの機能の一つで、管理するネットワーク上に存在するさまざまな機器や、その利用者の情報や権限などを一元管理することができるもの。

  • 注5:ゼロクライアント

    クライアント端末の一つで、仮想デスクトップ環境を利用することを前提に、単体としての機能を極限まで削減したもの。

  • 注6:仮想インスタンス

    物理的なコンピューター上で起動され、稼動状態にある、ソフトウエアによって構築された 仮想的なコンピューターのこと。実際のコンピューターと同じように、OSを起動してソフトウエアを起動することができる。

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2016年5月23日

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