OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。
スカイマーク様航空機
リーズナブルな運賃で空の旅を提供しているスカイマーク株式会社様(以下、スカイマーク様)は、各空港におけるチェックイン時の混雑解消を図るため、2010年6月から順次、自動チェックイン機を導入。お客様の利便性向上とともに、空港カウンターの業務効率化を実現しました。
自動チェックイン機には、OKIが提供する汎用型のKIOSK端末「SUKIT™」を採用。自社開発したアプリケーションと端末の大型液晶画面により、飛行機を利用するお客様にとって、分かりやすく使いやすい環境を構築しています。
スカイマーク様は、「国内線市場に競争状態を生み出し、利用者便益の向上に資する」ことを目的に、ローコストオペレーションをセールスポイントとする航空会社として1998年9月に誕生しました。
当初は旅客機2機で羽田-福岡のみ1日6便(3往復)の運航でしたが、12年の間に札幌(新千歳)、旭川、神戸、那覇、北九州、鹿児島、熊本、茨城と各地の空港を結ぶ路線を就航し、2010年11月現在では、旅客機16機で17路線・1日100便以上まで事業を拡大。年間の搭乗者数も300万人超に達しています。
空港本部 運送サービス部 主任
宮本 さおり 氏
スカイマーク様は従来、各空港におけるお客様のチェックインを対面方式で行っていました。また、受付カウンターの係員は、チェックイン作業に加えて、航空券の購入や払い戻し、預かり手荷物の受付、お客様サポートなどの複数の業務を担当してきました。
しかし、就航便数・搭乗者数の増加に伴ってカウンターの混雑も目立つようになりました。空港本部 運送サービス部・主任の宮本さおり氏は、「繁忙期やラッシュ時にはカウンター前に行列ができてお客様にご迷惑をおかけすることもございましたし、発着便の多い羽田空港ではカウンターのみでの処理に限界を感じていました」と、かつての現場の状況を説明します。
そうした中、受付カウンター内で係員が使用していた発券機がリプレース時期を迎えたことから、2009年6月、納入メーカーであるOKIに次期機種の提案を求めました。この時、チェックインにおけるお客様の利便性向上とカウンター業務の効率化を図るべく、自動チェックイン機の導入も併せて検討することにしたのです。
自動チェックイン機としてOKIから提案された製品は、アプリケーションによって多様な用途に適応できる情報KIOSK端末「SUKIT」でした。2009年8月には、OKIのショールームに足を運んで実機によるデモを体験しました。宮本氏は、「端末を見た瞬間、『かわいい』と思いました」と笑いながら話します。
空港本部 運送サービス部 主任
茨木 実子 氏
空港本部 運送サービス部・主任の茨木実子氏も、第一印象について、「デザインのよさだけでなく、非常に大きな液晶画面が見やすさ・使いやすさを感じさせてくれました」と語ります。
また、情報システム部の原口理沙氏は、「当社では業務アプリケーションをすべて内製化しており、自動チェックインのシステムについても社内で開発することになっていました。そのため、導入する端末には、お客様にとっての操作性のよさとともに、開発側として機能の作り込みやすさや柔軟な拡張性も求めていました」と話します。
「SUKIT」は、Webサービスをベースとした分かりやすいAPIを備えたプラットフォームミドルウェア(SUKITプラットフォーム)が用意されていることから、システム開発面での条件にも十分適っていました。
「SUKIT」採用の最終決定までにさほど時間はかかりませんでした。「他ベンダーの製品も比較検討しましたが、導入コストや保守サポートなども含め、OKIの提案のほうが高く評価できました」と原口氏はいいます。
情報システム部
原口 理沙 氏
2009年秋口からはアプリケーションの開発に着手しました。原口氏は、「シンプルな画面でお客様の操作を少なくすることに重点を置いて開発を進めましたが、プラットフォームミドルウェアのおかげで作業は非常に楽でした」と語ります。
開発過程では、運送サービス部でのテストも繰り返されました。「運用現場として、実際の試用に基づいたお客様目線での要望をフィードバックしました」と茨木氏はいいます。
こうしてハード・ソフトの両方で準備を整え、2010年6月に神戸、7月に新千歳と福岡、8月には羽田および北九州、9月に鹿児島、10月に熊本において、それぞれ自動チェックインサービスを開始しました。
さらに、「従来からの受付カウンター業務で十分にカバーできている一部の空港を除いて、今後も自動チェックインの導入を拡大していきます」と宮本氏は話します。当面の計画では、茨城および新規に就航する長崎と中部国際への端末設置が決まっており、全空港への設置合計数は30台を超える規模となっています。
自動チェックイン機の操作は、お客様がホームページ等で予約し、クレジットカードなどで決済した情報を、ホームページや携帯電話に配信される二次元バーコードを読み込ませて、画面の操作に沿ってチェックイン、座席指定、領収書の発行を行い、搭乗手続きが完了します。画面表示の分かりやすさや操作のしやすさなどに対するプラスの評価をお客様より多く頂戴しているそうです。
その利用状況について、宮本氏は次のように語ります。「導入当初は係員の案内がかなり必要でしたが、お客様の認知度もすぐに上がり、予約時に座席指定された方はほとんど自動チェックイン機に直接足を運ばれています。お客様全体での自動チェックイン利用率はすでに5割程度に達しています」。これによって、ラッシュ時でもカウンター前に行列ができることはなくなりました。
さらに茨木氏は、「受付カウンターでのチェックイン業務にかかる負荷が大幅に軽減されたので、預かり手荷物の受付が混雑した時に専任者を配置するなど、人員をより効率的にアサインできるようになりました」と、業務効率化に関する効果を語ります。
一方、自動チェックイン機の導入現場からは、機能拡張に関する要望もすでに上がってきています。原口氏は、「その1つが端末画面の英語表記です。たとえば羽田空港では、10月からの国際化によって当社の国内便も海外からのお客様の利用が増えていくと考えられるので、この機能は早急に対応が必要と考えています」と説明し、実際に英語への対応計画が進んでいることを明かします。
また、自動チェックイン機での対応業務として、預かり手荷物の受付を取り込む構想も描いています。具体的には、チェックイン後の追加操作でSUKIT端末から手荷物に貼付するタグを出力できるようにする仕組みを検討しています。「お客様自身がタグを荷物に貼ってコンベアに載せる“セルフサービス”は、欧州などではすでに導入されており、受付窓口での行列の解消に加えて、ローコストオペレーションのさらなる推進にもつながります」と、宮本氏は話します。国内航空会社ではまだ例のない取り組みに向けて、端末供給メーカーであるOKIのバックアップにも大きな期待をかけています。
羽田空港第一ターミナル:チェックインカウンターに設置されたSUKIT
2010年11月19日