OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。
カスミ様店舗 フードマーケット
茨城県を中心に関東5県でスーパーマーケット事業を展開する株式会社カスミ様(以下、カスミ様)は、各店舗における現金管理業務の改善を図るため、OKIのリサイクル型現金入出金装置「USCOS®(アスコス)」を導入。入金・出金・両替の機能を一体化した同製品により、各店舗の事務員に集中していた現金管理作業の効率化および分散化を実現しました。
これにより、事務員およびレジ担当者の負荷を精神的にも時間的にも軽減することができたうえ、日々の精算作業における精度も向上しています。
北関東一円でスーパーマーケットを運営しているカスミ様は、専門店などのテナントも導入して都市型ライフスタイルをトータル提案するフラッグシップ店舗の「フードスクエア」、食に特化した売場づくりを特徴とする標準店舗の「フードマーケット」、2004年から展開を開始した価格訴求型店舗の「FOOD OFF ストッカー」の3業態により、食を取り巻く環境の変化に対応しながら、お客様満足を最優先する"食の顧客満足業"を追求しています。
2008年10月末時点で合計134の店舗は、それぞれ地域色を明確に打ち出した店づくりで、"安心・安全な商品"の提供とともに、地域の暮らしに密着した交流や情報発信の場となる"コミュニティオアシス"としての役割も果たしています。
そして、地域密着型の店舗展開を進める中で、お客様満足度のさらなる向上につなげるための手立てとして、販売現場を支えるスタッフの職場環境改善と業務効率化にも力を入れています。
SS業務本部
オペレーションサポート部
POS推進グループリーダー
大里 光廣 氏
同社では2006年4月、各店舗の作業環境改善策の一環として新しいPOSレジ端末と自動釣銭機(レジ操作に合わせて釣銭を自動で払い出す装置)の試験導入を開始し、これに併せて、店舗における作業の視点からシステム上の問題の洗い出しを実施しました。SS業務本部オペレーションサポート部・POS推進グループリーダーの大里光廣氏は、「当社では従来、新システムに従業員が作業を合わせる形で利用を促進していましたが、その考え方を改め、現場の具体的な問題に即してシステム導入を進めていくことにしたのです」と、調査の狙いを語ります。
最も重視していたのは、お客様への迷惑に直結する売価エラーなどのレジ作業に絡む問題点でした。ところが、店舗で洗い出した膨大な量の調査データを整理したところ、現場で一番問題と見えたのが、売上金や釣銭などの現金管理・精算業務だったのです。
日々の現金管理 - 営業開始前にレジにセットする釣銭準備金の出金、営業時間中の両替、営業終了後の現金の計数・売上金と釣銭金の仕分け・金庫への保管等々の業務は、各店舗に配属されている事務員が一人で担っていました。「事務員は現金を扱う職種だけに、育成にも十分な時間をかけていますし、彼らは個々のやり方で効率的かつ精度の高い現金管理の方法を実践し、店舗スタッフからの厚い信頼を得ています」と、大里氏は言います。
とはいえ、ミスが許されない業務だけに精神的な負荷は決して小さくありません。また、違算が発生した場合には、何度も現金を数え直したり、原因を調査するために相当な時間を費やすことになります。SS業務本部情報システム部の小松崎修一氏は、「現金を数える作業については従来から計数機を使っていましたが、業務全体としては手作業・手入力の部分が多かったので、違算も起こりやすい環境だったといえます」と説明します。
SS業務本部
情報システム部
小松崎 修一 氏
事務員の業務負荷をどう軽減するか - カスミ様では、この問題を会社全体としての重要事項と捉え、改善策を講じることにしました。
「自動釣銭機はレジ精算や両替の作業効率化にもつながるものとして導入したのですが、それに加えて、現金管理に関わる作業をもっと多くの人が行えるように簡単かつ単純化しつつ、情報を正確に把握してコントロールできるようにする必要があると考えました」と振り返る小松崎氏は、そのとき具体的なソリューションを思い浮かべていました。それが、以前にOKIの営業担当から紹介を受けて興味を持っていた「USCOS」です。「当社の要望に適う製品が他ベンダーにはないことも知っていましたから、『あれしかない』と即座に思いました」(小松崎氏)。
こうして2006年7月に「USCOS」をモデル店舗に導入し、約半年の評価期間で明らかな効果が得られることを確認したうえで、2007年3月に他の店舗への導入方針を正式に決定。各店舗へ順次導入を進めてきました。現在までに約60店で運用を開始しており、2010年をめどに全店への展開を完了する予定です。
USCOS
「USCOS」は、店舗における現金管理業務の省力化とキャッシュフローの改善を強力にサポートする製品で、入金機・精算/計数機・両替機の3つの機能をオールインワン化しています。専用カードと個人認証用のID/暗証番号でセキュリティを確保しながら、メニュー画面の簡単な操作により誰でも出金・入金作業が簡単に行えます。操作履歴はレジ単位および担当者ごとの管理が可能なため、違算などの原因も効率的に調べることができます。また、売上金と釣銭を自動で仕分けし、装置内の釣銭庫に保管した現金を還流して使用するため、釣銭準備金の補充にかかる手間・コストを削減できるメリットもあります。
このような特徴を活かし、カスミ様では、レジ担当者自身が精算作業や両替を行うなど、事務員に集約されていた作業の分散化を実施しました。小松崎氏は、「レジ操作時の現金の出入りを自動釣銭機の履歴で、レジを閉めた後の現金もUSCOSの履歴で管理できるようになったので、誰が作業しても信頼性を確保できる環境を実現できています」と話します。
各店舗への展開にあたっては、スムーズな運用を後押しするための詳細なマニュアルを作成するとともに、大里氏が中心となって導入推進のチームを編成し、現場での教育や支援に力を入れています。
しかし当初は、新たなシステムに対する疑心暗鬼も少なからずありました。特に現金管理の責務を一手に引き受けてきた事務員は、作業効率化への期待よりも「機械に取って代わられる」という印象を持ったためか、強い抵抗感を示したそうです。
そこで大里氏は、「事務員の役割が引き続き重要であることをきちんと説明し、さらに作業時間を短縮できることでお客様に目を向けた付加価値の高い業務を手がけてほしいことについても具体的に話し合うことで、システム導入の意義に対する理解を深めてもらいました」と語ります。
システム担当者の立場からすると、先述のような導入前の苦労はあったものの、いざ運用が始まると、現場からはUSCOSに対する高い評価が寄せられ、その成果に確かな手応えを感じています。「各店舗の事務員は『とても仕事が楽になった』と本当に喜んでくれています。やはり非常に重い責任を負ってきただけに、精神面で楽になったというニュアンスが強いのだと思います」と大里氏、小松崎氏は口を揃えます。
もちろん、現金管理に要する作業時間も大幅に短縮されました。レジの精算を例にとると、従来は一人で賄っていた作業時間が、その日のレジ担当者の人数分に割り振ることができたため、全体的な効率は目を見張るほど上がっているそうです。「レジ担当者側からすれば、従来はやらなくてよかった作業が増えたことにはなりますが、精算作業は数分あれば完了できるので、不満の声も特に聞こえていません」と小松崎氏は言います。大里氏は、「むしろ、各自がレジ業務の結果を確認でき、仮にミスがあったとしてもその場でチェックして報告できるので、すっきりした気持ちで帰宅できているのではないでしょうか」と見ています。
また、以前は事務員ごとにまちまちだった現金管理の作業方法が標準化されたことで、さらなる効率アップに向けたノウハウを全社的に共有していくことも可能になりました。
カスミ様では、レジ作業に関連する部分だけでなく、現金仕入れやテナント分の入金についてもUSCOSの利用を開始しています。また、精算データと入出金データをもとに日報を自動作成するシステムも構築中で、年内にも稼働を予定しています。
さらに小松崎氏は、「小口現金や営業資金なども含め、金庫の現金をすべてUSCOSを通して出し入れする仕組みについても、実験に取りかかっています」と語ります。カスミ様の今後の店舗運営において、「USCOS」の貢献度がますます高まっていくことは間違いなさそうです。
2008年12月11日