COLUMN

コラム
コラム2026年2月27日

【調査データ公開】工場DX/IoTのボトルネックは「配線」?調査から見えた、現場に最適な無線化の条件とは

この記事で分かること

  • 工場におけるデータ収集の現状と、自動化を阻む現場のボトルネック
  • 多くの現場が直面している、無線データ収集における通信トラブルの実態
  • カーボンニュートラル対応において、電力量の可視化を妨げている物理的制約
  • 安定したデータ収集を実現するために、工場環境の無線化に求められる具体的な要件

多くの製造業企業では、生産性向上やカーボンニュートラル対応を目的とした工場DXが推進されています。しかし、実際の現場では実行段階での停滞を招く、さまざまな「壁」が存在します。

今回、OKIは製造業の現場担当者・責任者1,003名を対象とした「工場におけるDX/IoT導入の実態と、無線化・省配線のニーズ」に関する調査を実施しました。

そこで本記事は、工場の生産技術部門や設備管理部門の担当者・責任者の皆様に向けて、データ収集を阻む構造的な「壁」をデータで紐解き、これらの制約を克服してDXとIoT、さらにカーボンニュートラル対応を確実にする次世代ソリューションの可能性を、ご紹介します。

目次

理想とするデータ収集と実行段階のギャップ

今回の調査では、製造業におけるDXの源泉となる現場でのデータ収集では、依然として大きな課題があることが浮き彫りになりました。

グラフ

工場内の各種データを収集する方法で6割近くを占めたのは、「人手による巡回での記録」。次いで「有線センサー」、「無線センサー(Wi-Fi)」と続きます。一方、「920MHz帯などの無線センサー」の導入は1割程度に留まり、データ収集を「全くしていない」層も、13.3%存在しています。

この結果は、データの必要性を感じながらも、約6割の現場では担当者の目視によるアナログな記録対応をせざるを得ない実情を示しています。深刻な人手不足の中、こうした作業が現場の貴重な工数を圧迫するとともに、DXの土台となるデータ蓄積を妨げる要因となっています。

工場データの収集を阻む「配線」と「コスト」の壁

工場など製造現場でのデータ収集の大きな障壁となっているのが、物理的な「配線」の難易度と「コスト」です。

グラフ

前の設問で「データは全く収集していない」と回答した方に、現在のデータ収集手法において不十分だと感じている点を聞いたところ、「レイアウト変更時の再配線が手間」、続いて「配線工事が大変」、「測定ポイントの追加が難しい」、「人手による記録の負担」と続きました。

グラフ

工場内のDX/IoT推進における課題としては、「導入コストが高い」が5割で最多。続く、「社内にノウハウがない」、「費用対効果の説明が難しい」という課題も深刻です。

製造現場では、生産効率向上のために頻繁なラインの組み替えやレイアウト変更が行われます。有線センサーの場合、その都度発生する再配線工事に、多大な費用と期間が必要になります。この工事負担が現場の足かせとなり、結果として「測定ポイントを追加したくてもできない」という硬直化を招いています。さらに、DX推進における最大の課題として「導入コストの高さ」が挙げられており、社内ノウハウの不足や費用対効果の説明の難しさも相まって、多くの企業が検討フェーズで足踏みしている状況が見て取れます。

無線データ収集における「信頼性」の課題

配線工事の負担を解消する手段として無線化への期待は高いものの、実際の運用では通信の「信頼性」が実務的なハードルとなっています。

グラフ

無線を利用している現場の8割以上(「たまにある」と「よくある」の合計)が、何らかの通信トラブルを経験しており、「まったくない」と回答した方は、わずか2.4%に過ぎません。

工場内は設備や金属構造物による電波の遮蔽、さらには溶接機やモーターから発生するノイズ、他機器との電波干渉が発生しやすい、極めて過酷な環境です。この環境下で一般的なWi-Fiなどの無線規格を用いると、通信が途切れる、データロスが発生するといった問題が頻発します。

この「無線は不安定」という経験則に基づく不信感こそが、無線導入・拡張をためらわせる大きな要因の一つでしょう。現場は単なる無線化ではなく、「工場環境での通信安定性」を何よりも求めています 。

事実、調査結果では「性能や信頼性が担保されれば無線化を前向きに活用したい」と答えた方が、およそ8割(「とても活用してみたい」と「やや活用してみたい」の合算)という結果でした。

グラフ

カーボンニュートラル対応の可視化を阻む物理的制約

カーボンニュートラルへの対応が急務となる中、電力量(CO2排出量)の可視化においても、物理的な制約が取り組みの拡大を阻んでいる状況も、明らかとなりました。

グラフ

現状、電力量(CO2排出量)の可視化の範囲は「ごく一部のみ」に留まっている現場がもっとも多く、「可視化・把握できていない」現場も1割存在します。測定時の課題としては「測定ポイントの追加が難しい」や「配線工事が大変」、「有線の制限(距離・経路)」が上位を占めています 。

脱炭素経営を推進するためには、製品一つあたりのCO2排出量を算出するなど、より細かい単位での電力把握が必要です。しかし、既存の有線設備では距離や配線の制限により、測定ポイントを増設するたびに多大なコストと工事が発生します。

この「物理的な壁」が、リアルタイムかつ継続的なデータ把握を妨げ、カーボンニュートラル対応を一部の範囲に限定してしまっているのが実状です。

過酷な現場でも途切れない、高信頼な無線ネットワーク構築の要件

こうした事実を踏まえ、工場DXの停滞を解消するには、現場が抱える「配線」「コスト」「信頼性」の壁を同時に打破するアプローチが不可欠です。具体的には、設置の柔軟性を極限まで高めつつ、過酷な工場環境でも有線に匹敵する、安定した通信を実現する技術が求められます。

この「構造的な壁」を克服し、データ収集を確実にする次世代のソリューションが、OKIの「SmartHop」です。SmartHopは、以下の独自技術により、従来の無線の常識を覆す高い信頼性を提供します。

高信頼性を支える独自の技術

SmartHopは、無線機同士がデータを中継し合う「マルチホップ技術」を採用しています。
通信品質を常に監視し、各無線機間で最も安定した経路を自動的に選択します。

グラフ

これにより、データのロス率を大幅に低減し、金属設備が多い環境でも有線に匹敵する安定伝送を実現。従来の「無線は不安定」という常識を覆します。

工場環境に特化した無線性能

SmartHopは、回折性(電波の回り込み特性)に優れた「920MHz帯無線」を採用しています。

グラフ

  • つながりやすい周波数帯:
    2.4GHz帯と比較して障害物に強く、見通し環境では1kmの長距離通信が可能です。
  • 大規模・広範囲に対応:
    最大100台の子機収容と最大16段までのマルチホップに対応し、広大な工場全体をカバーします。
  • 確実な導入を支援:
    ユニット自体に電波測定機能を内蔵。専門機器なしで最適な設置場所を特定できるため、ノウハウ不足の現場でも確実な導入が可能です。

幅広い業界・規模で「カーボンニュートラル」の実行を支援

この高い信頼性と「後付け」の容易さにより、SmartHopはすでに数千台規模の大規模工場から官公庁まで、カーボンニュートラル(CO2排出量把握)を目的とした多様な現場で稼働しています。

  • 部品ごとの排出量把握(数千台規模):
    自動車部品工場の各製造設備単位に導入。大規模ネットワークにより、製品1点あたりの正確なカーボン排出量算出を実現しています。
  • 製造ライン単位の削減活動:
    既存の製造ラインへ後付けで電力監視を導入。CO2排出量の測定と削減を並行して推進する基盤として活用されています。
  • 既設設備・庁舎の省エネ化:
    配線が困難な既設の工作機械や、官公庁の庁舎内電力監視に導入。無線化により、導入時の工事コストを大幅に削減しながら、迅速な見える化を可能にしています。

このように、SmartHopは一時的に動作する設備や、有線配線が不可能な場所からでも「粒度の高いデータ」を確実に吸い上げます。カーボンニュートラル対応が「努力目標」から「実務」へと移行する中、この技術的優位性が企業の確実な実行を支えています。

実行支援を可能にするトータルソリューション

OKIは単なる無線の提供に留まらず、電力計、流量計、温湿度計など既存の多様なセンサーからのデータを統合して収集する仕組みを提供します。これらの機器と接続可能なModbus RTUなどのマルチベンダ対応により、既存設備を活かしつつ迅速に可視化を実現。初期投資を抑え、工事負担を最小化することで、カーボンニュートラル対応への「実行」を強力に後押しします。

まとめ

いかがでしょうか。今回の調査から、工場DXへの高い意識がありながらも、配線コストや通信の不安定さといった「構造的な壁」によってデータ収集が停滞している実態が明らかになりました。

この課題を克服し、カーボンニュートラル対応や生産性向上を確実にする鍵は、工場特有の環境に適応する無線技術と、現場での運用を容易にする実行支援の仕組みです。

OKIのソリューションは、以下の3つの強みで工場のDX推進を力強く後押しします。

  • 物理的制約の解決:
    920MHz帯無線「SmartHop」による、配線工事不要・長距離通信の実現
  • 通信信頼性の確保:
    マルチホップ技術と回折性の高い電波による、途切れないネットワークの構築
  • 総合的な支援:
    電波調査から施工、多様なセンサー連携、保守まで一元的なトータルサポート

製造現場の課題解決、カーボンニュートラルへの対応、コスト削減を同時に実現するOKIの無線ソリューションに関する具体的なご相談は、ぜひお気軽にOKIへお問い合わせください。

編集部
OKI STYLE SQUARE VIRTUAL編集部 製造担当
製造業のみならず、企業に求められるモノづくりは大きく変化ししており、工場などの「現場」も変革が迫られています。社会の止まらないを技術で支えてきたOKIのメンバーが、この変化に対応していくヒントになる情報をお届けします。
この記事をシェア

PICK UP

TAG

キーワードから探す

CONTACT

OKI Style Squareに関するご相談・
お問い合わせはこちら

TOP
TOPへ