COLUMN

コラム
コラム2024年10月31日

介護業界の課題を解消する、離床センサー・高齢者見守りソリューションとは?

少子高齢化による介護対象者の増加と共に、介護業界は深刻化する人手不足に直面しています。
本コラムでは、介護現場の実情と介護DX(デジタルトランスフォーメーション)、ICT導入(デジタル化)の必要性を踏まえて、その中でも比較的導入しやすく、効果もわかりやすい「離床センサー」を用いた高齢者見守りソリューションについて、実現する機能と導入メリットを解説します。

介護DX推進を検討中の介護事業のご担当者、関連システムベンダーの方、必見です。

目次

介護業界を取り巻く現状

世界でも類を見ない「超高齢者急増時代」を迎えた日本。少子高齢化により、介護需要は増加し続けています。厚生労働省が発表した資料には、「85歳以上人口は2035年に1,000万人を超えるまで、急速な増加を続けていく。その後も2042年まで、超高齢者数の微増傾向は継続する。」とあります。


出典:厚生労働省「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン改訂版」

内閣府「令和5年版高齢社会白書」および厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」によると、2022年における高齢化率は、29%。2025年には団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となり、総数は2,180万人に。

介護人材数は、2022年度の2015万人から、

  • 2026年度には約240万人(+約25万人)
  • 2040年度には約272万人(+約57万人)

の確保が必要になると推計されています。

一方、生産年齢人口は減少を辿っています。同資料では「少子高齢化の進行により我が国の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しており、2050年には5,275万人(2021年から-29.2%)に減少すると見込まれる」とあります。


出典:厚生労働省「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン改訂版」

このように近い将来、日本は高齢化社会のピークを迎え、介護ニーズの急増と多様化への対応が求められる一方、人口減少時代の到来により、生産年齢の介護人材の確保が、さらに困難になることが予想されます。

深刻な介護業界の人手不足と離職

ここで、介護業界の人手不足の状況を把握するために、有効求人倍率を見てみましょう。有効求人倍率とは、求職者1人に対し、何件の求人があるのかを表す指標です。


出典:厚生労働省「介護人材確保対策」(平成29年度) 介護分野における人材確保の状況と労働市場の動向

厚生労働省「介護人材確保対策」(平成29年度)のデータによれば、全業種の有効求人倍率1.36倍に対し、介護業界の有効求人倍率は3.02倍。1人の求職者を3社が獲り合う状況です。また、全業種の数値と比較すると約2.2倍と、非常に高くなっています。このことから、介護業界は他の人材業界と比べて採用が難しいことが分かります。

加えて、介護業界は離職率の高さも課題となっています。厚生労働省「雇用動向調査」および介護労働安定センター「介護労働実態調査」によると、介護職の離職率は14.4%。年々改善傾向にありますが、まだ高い傾向にあります。


出典:介護労働安定センター「介護労働実態調査」 厚生労働省「雇用動向調査結果」

ICTの活用による課題解決

これらの介護業界における課題をまとめると、以下のようになります。

  • 介護需要の急増に対し、人手不足が深刻化している
  • 生産年齢人口が減少し、介護人材の確保がさらに困難になる
  • せっかく採用しても、離職されてしまう(定着が難しい)

これらの課題解決策として、賃金の向上や休日の確保、残業時間の短縮などの労働環境の整備と共に注目されているのが、ICT活用による業務効率化、職場環境の改善です。

ICT活用、デジタル化によって介護現場の業務を効率化し、生産性を向上させることは、情報共有の効率化やチームケアの質の向上、さらには人材育成といった効果をもたらします。楽しい職場、働きやすい職場となることで働く人のモチベーションが向上。ケアマネージャー、ケアスタッフなどの人材の定着・確保と共に、施設利用者とご家族に対する介護サービスの質の向上をもたらし、介護という仕事の価値を高めることにもつながる、重要な取り組みです。


出典:厚生労働省「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン改訂版」

介護現場では、どのようなICTが活用されている?

それでは具体的に、介護現場ではどのようなICTが活用されているのでしょうか。
介護現場における主なICT活用には、以下のようなものがあります。

  1. 書類作成の手間や情報を探す手間を削減、ペーパーレス化を促進するコミュニケーションツール
  2. 情報共有を円滑化するスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末
  3. 生成AIを活用したチャットボット
  4. 介護業務の負担を軽減する見守りセンサーや介護ロボット

中でも、(4)の見守りセンサーや介護ロボットの導入は、

  • これまで人手で行ってきた作業の省力化・省人化効果が高い
  • スタッフは人にしか行えないケア品質の高いサービスに注力することができる
  • 心理的なストレスや肉体的な負荷を和らげ、雇用人材の離職率低減にもつながる

ことから、特に注目されています。

導入しやすく、効果もわかりやすい見守りセンサーの普及が進む

見守りセンサーは、離床センサー、着床センサーとも呼ばれます。移動や入浴の支援を行うため大掛かりになる介護ロボットよりも比較的単価が安く、導入効果もわかりやすいことから、普及が進んでいます。

厚生労働省の「地域医療介護総合確保基金を活用した介護ロボットの導入支援」事業では、導入台数の8~9割を介護用センサーが占め、同事業では2019年度に約7億500万円を助成。コロナ禍以前より、主に夜勤における巡回の負荷を軽減するために導入されてきました。

厚生労働省が2023年に、今後の介護報酬改定などをめぐる議論に役立てる目的で全国の入所・泊まり・居住系の介護事業9,736施設を対象に行った調査(回答は30.4%の2,958施設)によれば、30.0%が既に見守りセンサーを導入済みであり、このうち、使用頻度を「ほぼ毎日」とした施設が、91.1%を占めています。

同資料では、見守り支援機器を導入して感じた効果として、「職員の負担軽減」「業務の効率化」「介護事故の防止」「ケアの質の向上」といった声が寄せられています。

見守りセンサーを設置することで、「夜間の巡回時において、睡眠中の入居者に問題がないか、2時間おきに扉を開けて確認しなくても済むようになった」といった具体的な負担軽減が、実感できているようです。

OKIの高齢者見守りソリューション 「WacthOverSmart」とは

それではここからは、見守りセンサーの一例として、OKIが提供する高齢者見守りソリューション 「WacthOverSmart」の導入メリットや効果について、ご紹介します。

OKI「WacthOverSmart」は、被介護者の離床時の転倒を抑制し、安全安心な介護を支援する高齢者見守りソリューションであり、高齢者の届かぬ声を確実に職員へ伝える「コミュニケーションツール」です。

公益財団法人日本医療機能評価機構の調査によれば、近年の院内事故でもっとも多いのは「転倒・転落」の20.6%。その内の実に63%が、病室内で起こっていると言われます。OKIの「WacthOverSmart」は、いつでもどこでも施設利用者の状態を把握できるため、スタッフはタイムリーに異常に気付くことができます。

「WacthOverSmart」の仕組み

「WacthOverSmart」は、ワイヤセンサーを織り込んだ布状のベッドセンサー(PICLIAセンサー)とACアダプターの2つで構成されます。ベッドにこのセンサーを1枚敷くだけで、職員はPCやタブレット、スマートフォンから全ベッドの状態を一覧で見ることができ、異常を検知するとメールで職員のスマートフォンに即時通知されます。

※PICLIAセンサーのご使用にはWi-Fi通信環境が必要です。

「WacthOverSmart」でできること(一部)

起き上がりの予兆を検知
離床時の転倒を抑制し、事故を未然に防ぎます。

夜間の長期不在を発見
異常によりベッドに戻れない可能性を、早期に発見します。

バイタルを取得
心拍や呼吸といったバイタルデータの変動を把握、異常を早期に発見できます。

過去のデータを記録
生活リズムの変化を、過去の記録から把握できます。

これらによって、職員の労務負担軽減、被介護者の安全確保、介護の適正化支援などが実現します。

「WacthOverSmart」の導入メリット

OKI「WacthOverSmart」は、介護施設を取り巻く多くの方にメリットをもたらします。

介護支援専門員(ケアマネージャー):
  • トラブルの少ない安定運営ログデータによる、簡単な介護記録報告/分析
  • 最適な職員配置やデータに基づく効率的な施策/介護メニューを実現
介護職員(ケアスタッフ):
  • 夜間の巡回や不測の事故などの心身負担軽減
介護施設利用者(被介護者):
  • ICTと職員の両方に見守られた、居心地の良い介護生活
介護施設利用者のご家族:
  • 高齢のご家族が充実した環境で見守られている安心感

まとめ

いかがでしょうか。急激な需要拡大と人手不足に直面する介護施設では、施設利用者に対するサービスの質の向上および、ケアマネージャーおよびケアスタッフの負担軽減という観点からも、ICTの導入による業務効率化や生産性向上、省人化など、介護DXの取り組みが欠かせません。

ぜひこの機会に、OKIの高齢者見守りソリューション 「WacthOverSmart」の導入をご検討ください。
各種ご相談や資料請求、さらに詳しいご説明については、お気軽にお問い合わせください。

参考情報

高齢者見守りソリューションWatchOverSmart
https://www.oki.com/jp/watchoversmart/
こちらの記事に関連する情報
この記事をシェア

RELATED ARTICLES

関連記事

CONTACT

OKI Style Squareに関するご相談・
お問い合わせはこちら

TOP
TOPへ