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深刻化する自然災害・インフラの老朽化を見守る「ゼロエナジーIoTによる遠隔モニタリング技術」とは?
現在、激甚化・頻発化する自然災害やインフラの老朽化が、グローバルな社会課題となっています。このグローバル課題に対してOKIが取り組んでいるのが、「ゼロエナジーIoTによる遠隔モニタリング技術」です。今回は、グローバル課題となっている自然災害・インフラの老朽化と、「ゼロエナジーIoTによる遠隔モニタリング技術」の概要についてご紹介します。
目次
深刻化する自然災害とインフラの老朽化がグローバル課題に
まずは、自然災害とインフラの老朽化についてご紹介します。
地球規模で増加する自然災害
地球温暖化や気候変動の影響により、世界各地で自然災害が増加しています。これには、地震・洪水・干ばつ・熱波・台風やハリケーンなどが含まれます。これらの災害は、人々の生命や財産に大きな影響を及ぼすだけでなく、経済や社会にも深刻な打撃を与えています。
老朽化による社会インフラの不安定化
多くの国々で、「道路・橋・ダム・水道・電力網」などの社会インフラが老朽化しています。老朽化したインフラは、自然災害に対して脆弱で、災害時には被害を拡大させるリスクがあります。インフラの維持・更新には膨大な費用が必要ですが、経済的な制約や政策の優先順位などの問題から、必要な投資が行われていないケースが散見されています。
グローバル展開も期待される「ゼロエナジーIoTによる遠隔モニタリング技術」
OKIの「ゼロエナジーIoTによる遠隔モニタリング技術」の概要と活用方法についてご紹介します。
ゼロエナジーIoTによる遠隔モニタリング技術とは?
「ゼロエナジーIoTによる遠隔モニタリング技術」とは、電源・配線が不要で、設置が容易な小型のセンサー、および、カメラにより、遠隔からインフラを監視するモニタリングシステムです。このシステムは、傾斜・振動数・加速度などを計測する「無線加速度センサーユニット」、水位を計測する「超音波式水位計・水圧式水位計」、インフラの状態をリアルタイムで把握できる「高感度カメラ」で構成されており、各センサーで集めたデータを「親機(ゼロエナジーゲートウェイ)」に集約してクラウドに送信します。各種センサーの中でも「無線加速度センサーユニット」は、以下のような機能があります。
【無線加速度センサーユニットの特長】
・高度なスリープ制御と省電力の920MHzマルチポップ無線技術により、電池寿命5年(10分に1回傾斜計測をした場合)を実現・筐体(きょうたい)は長手が約140mmと小型で設置が容易、かつ、防水防塵にも対応
・傾斜角を0.01度単位で2方向に同時に計測し、インフラ建造物の僅かな傾きの変化を計測できる
・装置内のエッジ分析処理により、強さがピークになる周波数(固有振動数)を自動算出し、その変化を計測できる。これにより、送信するデータ量を大幅に削減(加速度生データの約700分の1以下)し、消費電力も大幅に削減
このような遠隔モニタリング技術の事例として代表的なのは、橋梁のモニタリングです。鉄道橋梁に無線加速度センサーユニットを設置し、傾きと固有振動数を計測。橋梁の変化を遠隔から監視するといった活用事例があります。従来は、インフラ管理者が現場に出向き、傾きや固有振動数を計測する試験を定期的に行っていましたが、無線加速度センサーユニットを導入したことで、現場に出向いて試験を行う回数が大幅に削減されました。
また、橋梁に超音波水位計や高感度カメラを設置し、河川の水位を遠隔から把握。「安全な運行が可能な状態かを現場に行かずに判断する」といった活用事例もあります。遠隔モニタリング技術を導入することで、インフラ管理者が現場で行う巡視点検の回数を減らし、業務効率化につなげることができるのです。
ゼロエナジーIoTによる遠隔モニタリング技術による災害への対応
橋梁・河川・斜面・のり面・鉄塔・電柱といったインフラに設置することで、高精度の遠隔モニタリングが可能になります。災害発生時の状況把握が迅速に行えることで、その後の復旧作業にスムーズにつなげられる他、復旧までの変状監視や安全確保にも役立てることができます。また、異常発生後の経過観察や危険エリアの巡視業務など、日常的なインフラ維持・管理業務を遠隔化・効率化できる点も特長です。
まとめ:OKIの目指す遠隔モニタリングが実現する社会
激甚化・頻発化する自然災害やインフラの老朽化がグローバル課題となっている昨今。日常的なインフラの維持・管理をスムーズにしたり、災害時に素早く復旧できる体制を整えたりすることが重要になっています。OKIは、「ゼロエナジーIoTによる遠隔モニタリング技術」で、このようなグローバル課題に貢献します。
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