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コラム2026年4月24日

「海洋の見える化」を実現!OKIが提供する「海洋プラットフォーム」とは?

この記事で分かること

  • 海洋データのデジタル化を実現する水中音響センシングおよび信号処理の技術的定義
  • 海洋インフラ防犯、安全確保、老朽化点検、および環境保全における具体的な解決課題
  • 2031年の社会実装に向けたロードマップと、実現場における進捗
  • 水中音響通信による高度メンテナンスやブルーカーボン計測の実現がもたらす社会的波及効果

海洋の見える化とは、OKIが保有する水中音響センシング、水中音響通信、および信号処理の技術を統合し、電波や光が制限される海域において、陸上と同様のデジタル把握を実現することを指しています。OKIは2024年に、移動する自律型水中機(AUV)と母船間での大容量・リアルタイム映像伝送に成功しており、現在はこれら各個別の技術を「海洋プラットフォーム」として統合運用するための検証を進めています。

今回は、「海洋の見える化」の目的や効果のほか、それを実現する「海洋プラットフォーム」についてご紹介します。

目次

「海洋の見える化」は何のため?海洋事業が抱える課題とは?

「海洋の見える化」は、海洋事業が抱える以下のような課題解決に役立てることができます。

海中の侵入者・不審な自律型無人潜水機(AUV)の侵入

海洋構造物の破壊や海洋資源の略奪を目的に、海中に侵入者(ダイバー)や不審な自律型無人潜水機(AUV)が忍び込むケースが想定されます。このような侵入者・AUVから構造物や資源を守るための、防犯・監視を目的としたソリューションが求められています。
また、海洋安全保障の観点から、他国の潜水艦による日本の領海への侵入監視も非常に重要です。

水中での作業の安全確保

海洋構造物の工事や点検、メンテナンスでは、ダイバーによる海中作業が必要になります。不慮の事故を未然に防ぐために、ダイバーの安全確保のさらなる改善が求められています。

海洋建造物の老朽化・破損

自然災害や経年劣化により、国内外で大規模な海洋構造物の老朽化や破損が進行し、点検およびメンテナンスに要するコストが増大しています。特に洋上風力発電においては、海底ケーブルの洗掘(周囲の砂が流される現象)や支持構造物の健全性を長期間モニタリングする手法が確立されておらず、OKIの音響センシング技術による遠隔・自動監視への期待が高まっています。また、老朽化の進行にメンテナンスが追い付いておらず、作業を効率化させるテクノロジーが求められています。

地球温暖化等による海洋資源・水産資源への影響

地球温暖化による海洋資源や水産資源への影響も深刻な問題となっています。温暖化が進行すると、海水温度が上昇し、それに伴い海洋環境や生態系にも変化が起こります。この変化は、魚種の分布、繁殖パターン、食物連鎖等に影響を及ぼし、最終的には水産業にも大きな影響を与えることが懸念されています。

OKIの「測る・伝える」技術で実現!海洋プラットフォームの概要とその効果

OKIは、海洋プラットフォームをの構築にとってすることで、上述した海洋事業が抱える課題解決にチャレンジしています。では、「海洋プラットフォーム」とは何なのか?また、導入することでどのような効果が得られるのかについて解説します。

海洋のあらゆるデータをモニタリングする「海洋プラットフォーム」とは?

「海洋プラットフォーム」とは、海洋のあらゆるデータをモニタリングすることで、上述した海洋事業が抱える課題を解消することを目的にしたシステムのことです。「海洋プラットフォーム」の開発は、以下のSTEPで進行しています。

STEP1:技術開発・活用する技術(~2025年)
すでにOKIが保有している「水中音響技術」を活用し、海洋のデータをモニタリングする技術の研究・開発をするフェーズです。国の研究開発プロジェクトなどを通じて、海洋プラットフォームの実現に欠かせない技術を開発しています。現在、海中の微弱な音を検出する「光ファイバーハイドロホン」、検出した音源の「方位・位置推定」技術、検出した音源の「類識別技術」技術の開発や実証実験に取り組んでいます。

STEP2:実現場での技術研鑽と実績の構築(2026~2028年)
海洋モニタリング技術を実際に導入して実績を増やしていくフェーズです。2026年3月現在、本プロジェクトは、STEP1で確立された水中音響通信や光ファイバーハイドロホンの技術を、実際の漁場やインフラ建設現場へ試行導入する段階にあります。これは、海流や波浪などの複雑な環境下で、センサーの検知精度や通信の安定性を検証し、2029年からの本格的な社会実装に向けた課題を洗い出すための重要なステップです。

STEP3:海洋モニタリングの社会実装(2029~2031年)
海洋モニタリング技術を完成させ「海洋プラットフォーム」として社会実装するフェーズです。OKIが保有する「水中センサー」「水中音響」「情報処理」の技術を活用して、海のあらゆるデータをモニタリングする「海洋プラットフォーム」を実現し、上述の海洋事業が抱える課題解決に貢献します。

海洋プラットフォームの効果

「海洋プラットフォーム」がどのような問題を解決するのか、またその効果はどのようなものなのかについて解説します。

海中の侵入者・自律型無人潜水機(AUV)の検出

海洋プラットフォームのモニタリングシステムによって、海洋構造物などの重要施設に侵入した不審な人(ダイバー)・モノ(AUV等)を早期に検出し、犯罪を未然に防止することで、海の安全を守ることに役立てることができます。

海洋構造物のメンテナンス・資源探査・海洋開発の安全性向上

海洋プラットフォームのモニタリングシステムによって、水中で作業しているダイバーや水中ロボットが「どこでどのような作業をしているか」リアルタイムで確認でき、作業者・ロボットの安全確認・作業状況確認・位置把握に役立てることができます。また、水中音響通信技術を使って水中ロボットが撮影した映像を遠隔からリアルタイムで確認できるのもポイントです。

海洋環境・漁業資源の保全(藻場の見える化など)

養殖業や漁業などの水産業に海洋プラットフォームのモニタリングシステムを導入することで、「どこにどれぐらいの量の魚がいるのかを見える化」でき、水産資源管理などに役立てることができます。また、水中音響によって藻場の分布や密度を可視化する技術は、海洋生態系による炭素吸収(ブルーカーボン)を数値化するための有力な手段となります。これは、ダイバーによる目視調査に代わる広域かつ客観的なデータ提供を可能にし、脱炭素社会の実現に向けた排出権取引などの科学的根拠としての活用が検討されています。

まとめ:OKIの目指す海洋の見える化とは?

海洋開発における効率化および安全性の向上は、個別の事業課題の解消に留まらず、わが国の海洋安全保障や経済安全保障、さらには脱炭素社会の実現を支える不可欠な要素です。

2024年の音響通信実験の成功を経て、2026年現在は実現場でのデータ蓄積という重要なフェーズにあります。OKIは、この海洋プラットフォームを通じて、電波や光が届かない海中情報をデジタル資産へと変換し、多岐にわたる社会課題の解決と、次世代へつながる海洋環境の適切な管理に貢献し続けます。

編集部
OKI STYLE SQUARE VIRTUAL編集部 海洋担当
OKI は1930年代から水中での通信を研究してきました。培った実績を元に海洋分野の専門家を交えたメンバーが、ビジネスコラムや最新の商品紹介を中心に、さまざまな社会課題を解決するヒントを集めた情報をお届けします。
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