働き方への取り組み 多様な人材が存分に力を発揮し、
そこから生まれる
イノベーションを
OKIの“次”へつなげるために

Chapter
01

イノベーションの種を蒔き、次代に花を咲かせていく

沖電気工業(以下、OKI)は、今まさに変革の時にあります。なぜなら、これまでOKIをけん引してきたATMやプリンターなどの製品に、従前の成長を期待するのは難しくなってきているからです。現金が使われなくなればATMの需要は縮小します。ペーパーレス化が進むほど、紙にプリントするニーズが減るのは間違いありません。つまり、OKIは“次”を生み出さないといけないフェーズに入っているのです。

そのためにOKIは今、イノベーションをキーワードに、さまざまな活動を展開しています。では、イノベーションを興すには何が重要でしょうか。それは、多様かつ必要十分な人材が、組織と個人のベクトルを合わせて前向きに変革を起こすことだと考えています。というのも、画一的な考え方の人たちが集まるだけでは、思考の広がりは期待しづらく、多様な人材が意見をぶつけ合うことでイノベーションの種は生まれてくると思うからです。また、種を花開かせるには、組織の目標を個人が意識して、その実現に向かって行動することが欠かせません。人事部門としては、そのための仕組みづくりから意識・風土の改革に至るまで、力を入れているところです。

Chapter
02

制度拡充に積極的に注力し、多様な個が活きる企業を目指す

まず多様性を確保するためには、さまざまな考え方を持った人材を採用して、彼ら彼女らが働きやすい環境、力を発揮できる環境を整える必要があります。そのために、自分らしく働ける制度や仕組みを整備しています。たとえば、コアタイムのないフレックス制度である『スーパーフレックスタイム』もその一つですし、『通勤圏外勤務』という制度もあります。後者の適用には相応の事情があること、業務特性が許すこと、自律的に業務遂行が可能であることなどが上司と整合できることが前提になりますが、テレワークと出社を組み合わせながら、普段は北海道在住で働くということも可能です。ちなみに、OKIはコロナ禍以前の2017年時点で、テレワークを導入しています。

また、2022年10月から男性の育児参加を促進する法律が施行され、産後8週間=実働40日の間に2回有給休暇を取得できるようになりました。当社でも育児休職・休暇制度を導入していますが、5日有給が付与される他、未消化分の有休のうち最大20日を育休として使えるようにしています。加えて、無給休暇も取得できるようにしたことで、産後8週間すべて休むことが可能です。

さらに、副業の仕組みも、OKIの社員が外部で副業すること、外部の方がOKIで副業することの双方向で、より使いやすいものとすべく整備を進めています。社員が社外で仕事をすれば、社内では経験できない知見を身に付け持ち帰ることが期待でき、OKIに新たな視点を加えることができます。外から人を受け入れることは、OKIの中で育った人にはない考え方、経験を持ち込んでもらうことになり、社内の活性化につながるはずです。

Chapter
03

コミュニケーションを活性化させ、『主体的』『能動的』な仕事文化を

組織と個人のベクトルを合わせるための取り組みとしては、コミュニケーションの機会を増やすことに注力しています。以前から個人が設定した目標に対するレビューを半年に1回行ってきましたが、それを四半期に1回へと倍増。ただ、目標の内容は、さまざまであり、決まったタイミングで年4回行うよりも、必要なときに随時上司と部下でコミュニケーションをとったほうがいいケースもあります。そこは目標に応じて柔軟にコミュニケーションを取れるよう、後押ししていくつもりです。また、上司や部下、同僚が集まって組織の目標について、形式的にではなく本気で議論する機会が、より多く持たれるような工夫もしていきたいと考えています。

ただ、どれほど環境を整えたとしても、本人がその気にならなければイノベーションは興せません。OKIは良いお客様に恵まれていた分、お客様の望むことを実現すればよかった時期が長く続いていました。その影響で、“言われたことをきっちり行う”行動様式が根付いてしまっています。結果として、行動が受け身になりがちで、上司部下のコミュニケーションも一方通行になりやすくなります。この状況でコミュニケーション機会だけ増やしても中身が伴わない恐れがあります。そこで、社員の心理的安全性を保ち、誰もが意見を発信しやすい前向きな雰囲気を醸成するため、上司部下というラインだけでなく、同僚や他部署のマネージャーといったライン以外とのコミュニケーションも活性化させていきたいと考えています。また、OKIの行動指針である「誠実であれ」「変革に挑戦する」「迅速に行動する」「勝ちにこだわる」「チームOKI」と連動した評価の仕組みをつくることで、社員の前向きさを引き出していきたいとも思っています。

OKIは変革の時を迎えていると言いましたが、それは、色々なところに課題があるということです。個々の能力・企業に潜在しているポテンシャルが高いレベルにある一方、それを組織的に活かしきれていないというのが、私の感じるOKIの現状です。ただこれは、大きな可能性を秘めた未完成であることと同義。だからこそ、「これから」が大切になってきます。OKIは、自らの考えを持ち、それに基づく自らの意見を積極的に発信し、実現するための行動の第一歩を、自ら踏み出すことにチャレンジできる方を求めています。引き続き環境づくりにも力を注ぎ、活気ある若手の背中を押していきます。