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【省エネ法改正における企業のGX推進の現状】太陽光発電の導入・増設を今後3年以内に検討する企業は7割超。「屋根設置太陽光の設置余地」に関する法改正を知る企業は約8割に上る

太陽光発電の導入課題は「初期費用」「設置制約」「構造上の問題」が中心。軽量・薄型の太陽光パネルなど新技術への関心も高まる
カーボンニュートラルへの移行が求められる中、企業では再生可能エネルギーの導入やエネルギー自給体制の構築が急速に進んでいます。
一方で、「設置スペースや耐荷重の制約」「導入コストや採算性」「建物構造上の制約」など、実際の導入には依然として多くの課題が残されています。
特に太陽光発電は、環境対策の有力な手段として注目されながらも、「屋根への設置が難しい」「十分な日照条件を確保しにくい」といった理由から導入を見送る企業も多く見られます。
来年度には特定事業者に対する太陽光パネル設置に関する省エネ法の改正も予定され、企業のGX対応は待ったなしの段階です。
では実際に、企業の現場ではどのようなエネルギー対策が進み、太陽光発電導入に対してどのような意識や課題を抱えているのでしょうか。
そこで今回、特定事業者を対象に、「省エネ法改正を前にした企業のGX推進と、太陽光発電導入の意識・課題」に関する調査を実施しました。
企業の「脱炭素方針」や「再生可能エネルギー導入」の実態とは?

はじめに、「あなたの所属企業では、カーボンニュートラルや脱炭素に関する方針・目標を掲げているか」について尋ねたところ、下記のような回答結果となりました。
- 『掲げている(63.8%)』
- 『現在検討中(28.7%)』
- 『掲げていない(7.5%)』
カーボンニュートラルや脱炭素の方針を明確に掲げている企業が過半数を占め、企業経営における環境目標の設定が定着しつつあることがわかります。
特に、サプライチェーン全体での排出削減やESG経営の観点から、方針を策定・公表する動きが進んでいると考えられます。
一方で、「検討中」とする企業も3割近く存在しており、目標値の設定や実施ロードマップの策定に課題を抱えている様子がうかがえます。
実現可能性とコスト負担のバランスを見極める段階にある企業が多いと思われます。
では、再生可能エネルギーに関する取り組みを実施している企業はどれくらい存在するのでしょうか。
「現在、再生可能エネルギー(太陽光など)に関する取り組みを実施しているか」について尋ねたところ、下記のような回答結果となりました。
- 『導入済み(56.5%)』
- 『導入検討中(34.3%)』
- 『未実施(9.2%)』
過半数の企業がすでに再生可能エネルギーを導入しており、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みが着実に広がっていることがわかります。
導入企業の多くは、企業価値向上やエネルギーコスト削減、取引先からの脱炭素要請への対応を目的としていると考えられます。
一方で、「検討中」とする企業が3割を超えている点から、初期投資負担や設置スペース、制度理解の難しさなどが導入判断を慎重にさせていることもうかがえます。
再生可能エネルギー導入はもはや一部の先進企業に限らず、今後は全体での普及が進む段階に入っているといえるでしょう。
導入を阻む“物理的・経済的ハードル”とは?
では、実際どれくらいの企業が太陽光パネルを設置しているのでしょうか。

「あなたの所属企業では、太陽光パネルを設置しているか」について尋ねたところ、約半数が『設置していない(50.1%)』と回答しました。
設置している企業としていない企業がほぼ同じ割合となり、法制度の認識やコストなどの問題により、設置状況が分かれているようです。業種や事業規模によっては、屋根面積や建物構造などの制約から設置が難しいケースも多く、こうした物理的な制約が導入判断に影響していると考えられます。
また、初期投資や費用対効果の見通しに対する不安もあると予想され、「必要性は理解しているが踏み切れない」企業も多いのかもしれません。
今後、省エネ法改正を契機に補助金制度や導入支援策が拡充されれば、こうした企業が一歩踏み出す可能性も高まると考えられます。
では、太陽光発電システムを検討・導入する際に感じる課題としてどのようなものが挙げられるのでしょうか。
「太陽光発電システム導入を検討・導入する際に感じる課題」について尋ねたところ、
- 『初期費用が高い(41.4%)』
- 『設置スペースが限られている(40.4%)』
- 『建物構造や耐荷重に制約がある(33.1%)』
が上位に挙がりました。
導入コストと設置条件の制約が、現実的な障壁となっていることがうかがえます。
多くの企業では、太陽光発電システム導入の必要性を認識しつつも、投資対効果の不透明さや回収期間の長さが意思決定を鈍らせていると考えられます。
また、設置スペースや耐荷重の問題は、既存の建物を活用する企業にとって避けがたい物理的制約です。これに加え、補助金制度の複雑さや申請負担、社内稟議・意思決定の長期化など、制度・運用面の課題も導入の足かせになっているといえるでしょう。
今後は、コスト削減と設置に関する柔軟性を両立する新技術の普及、ならびに制度の簡素化や専門サポート体制の拡充が、企業の導入判断を後押しする鍵となりそうです。
では、太陽光発電システムの導入のために、日照条件や設置可能箇所の調査を行っている企業はどれくらいあるのでしょうか。

「自社施設において、日照条件や設置可能箇所(屋根・壁面など)の調査を行っているか」について尋ねたところ、下記のような回答結果となりました。
- 『検討中だが未調査(21.6%)』
- 『一部のみ調査済み(46.0%)』
- 『詳細に調査済み(14.4%)』
- 『調査予定はない(18.0%)』
過半数の企業が部分的な調査にとどまっており、詳細を把握するまでには至っていない状況が見て取れます。
背景には、調査にかかるコストや社内リソースの制約に加え、「調査しても導入できるかわからない」という判断の難しさがあると考えられます。
また、建物構造の制約や日照データの取得に専門知識が必要な点も、企業単独での対応を難しくしている要因といえるでしょう。
太陽光発電システム導入のためには、まず現状を正確に把握することが重要です。
外部の専門事業者や自治体の支援制度を活用して調査を進めることが、今後のGX推進における実効的な第一歩となりそうです。
では、太陽光パネルを設置していない企業は、設置に向けて施工業者・パートナーと提携しているのでしょうか。
太陽光パネルを『設置していない』と回答した方に、「太陽光パネル設置の検討や準備に向けて、施工業者・パートナーと提携しているか」について尋ねたところ、下記のような回答結果となりました。
- 『特に予定はない(34.5%)』
- 『業者未定(これから探す予定)(44.2%)』
- 『複数業者を比較検討中(17.0%)』
- 『すでに施工業者を決めている(4.3%)』
「特に予定はない」「業者未定」と回答した企業が約8割を占めており、導入に向けた具体的な動きがまだ進んでいない実態が見えてきます。
導入意欲があっても、施工業者の信頼性や実績の把握が難しいこと、補助金申請や制度活用を見据えた業者選定の複雑さなどが背景にあると考えられます。
背景には、施工業者の信頼性や実績の把握が難しいこと、また補助金申請や制度活用を見据えた業者選びの複雑さがあると考えられます。
また、社内での稟議や費用対効果の精査に時間を要するケースも多く、「導入の必要性は感じているが、まだ具体的には動けていない」段階にとどまっている企業が多いといえるでしょう。
今後は、行政や地域エネルギー企業などと連携した施工支援ネットワークの整備や、比較・見積り情報の透明化が、導入推進の大きな後押しになると考えられます。
では、設置方法が多様化すると、省エネ法改正への対応はしやすくなるのでしょうか。

「従来の設置方法にとらわれず、設置の可能性が広がる手法があるなら、企業として省エネ法改正の対策がしやすくなると思うか」について尋ねたところ、『とてもそう思う(31.1%)』『ややそう思う(54.3%)』があわせて約8割を占めました。
多くの企業が、太陽光パネルの設置の自由度が向上すると省エネ法改正の対策がしやすくなると思っていることがわかります。屋根や屋上といった設置場所が限定されることが課題ですが、壁面や駐車場、遊休地などへの設置が可能になれば、省エネ法改正の対応のハードルは大きく下がると考えられます。
では、今後3年以内に太陽光発電の導入や増設を検討する予定はあるのでしょうか。
太陽光パネルの設置について『すでに施工業者を決めている』と回答した方以外に、「今後3年以内に、太陽光発電の導入・増設を検討する予定があるか」について尋ねたところ、下記のような回答結果となりました。
- 『導入や検討予定はない(28.1%)』
- 『ある程度は検討している(53.7%)』
- 『新規導入を前向きに検討している(18.2%)』
7割以上の企業が導入または増設を視野に入れており、再生可能エネルギーへの関心が着実に高まっていることがわかります。
これまでコストや構造上の制約から慎重だった企業も、省エネ法改正などの制度整備や技術進化を受けて、検討フェーズへ移行しつつあると考えられます。
今後は、補助金活用や業者選定支援の充実が、導入を後押しする重要な要素となるでしょう。
まとめ:GX推進の実現に向けた鍵は「制度理解」「技術革新」「実行支援」の三位一体
今回の調査から、企業のGX推進は着実に進展していることが明らかになりました。カーボンニュートラルや脱炭素の方針を掲げている企業は約6割で、再生可能エネルギーについても「導入済み」や「検討中」を含めると9割以上の企業が前向きに取り組んでいます。
太陽光発電については、現在「設置していない」企業が半数で、初期費用や設置スペース、建物構造などに起因する課題が明確になりました。これらの課題が可視化されたことで、今後の技術革新や制度改善により導入が促進される余地が大きいでしょう。
日照条件や設置可能箇所の調査については、約5割の企業が「一部のみ調査済み」と回答しており、導入に向けた第一歩として情報収集が進んでいます。施工業者との提携状況では、まだ検討段階の企業が約6割ですが、今後の制度支援や市場の整備によって具体的な検討が進むことが期待されます。
また、設置方法の多様化については8割以上の企業が「省エネ法改正への対応がしやすくなる」と回答しており、企業側は柔軟な導入手法に高い期待を寄せています。さらに、今後3年以内の導入・増設についても7割以上が検討を進めていることから、太陽光発電への関心と導入意欲は確実に高まっているといえるでしょう。
調査概要:「省エネ法改正における企業のGX推進と、太陽光発電導入の意識・課題」に関する調査
【調査期間】2025年10月22日(水)~2025年10月23日(木)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】411人
【調査対象】調査回答時に特定事業者と回答したモニター
【調査元】沖電気工業株式会社
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
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