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【調剤薬局のプリンター買い替え頻度の理想と現実】買い替え頻度は「3〜5年未満」が最多。保守契約終了も判断材料に

トラブル回避を優先する声が多く、安定稼働をのぞむ傾向が顕著に
調剤薬局では、限られた時間の中で大量の薬袋や薬剤情報提供書、領収書を正確に出力することが求められています。
しかし、印刷にかかる時間や紙詰まり、消耗品切れ、用紙切れなど、日常的に発生する小さなトラブルが積み重なることが、現場の効率を左右しているのではないでしょうか。
では、実際に調剤薬局では印刷業務をどの程度の負担と感じているのでしょうか。
また、プリンターの故障やトラブルは、どの程度業務に影響を及ぼしているのでしょう。
そこで今回、薬剤師・調剤事務を対象に、「調剤薬局の印刷業務における生産性の壁」に関する調査を実施しました。
約9割が印刷業務に負担やストレスを感じていると回答!

はじめに、「一日あたりの来局患者数」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
- 『~50人(11.8%)』
- 『51~100人(39.9%)』
- 『101~150人(31.4%)』
- 『151~250人(10.6%)』
- 『251人以上(6.3%)』
来局患者数が『51~100人』の薬局が最も多いという結果から、多くの薬局が中規模の患者数を扱っており、その規模での印刷業務の効率が業務全体の生産性に大きく影響することがうかがえます。
来局数に応じた業務量が想定される中で、印刷業務に負担やストレスを感じている方はどの程度いるのでしょうか。

「印刷業務に対して、どの程度の負担やストレスを感じているか」について尋ねたところ、薬剤師と調剤事務で以下のような回答結果になりました。
薬剤師
- 『非常に負担に感じている(43.1%)』
- 『やや負担に感じている(49.8%)』
- 『あまり負担に感じていない(6.0%)』
- 『全く負担に感じていない(1.1%)』
調剤事務
- 『非常に負担に感じている(30.7%)』
- 『やや負担に感じている(55.6%)』
- 『あまり負担に感じていない(9.1%)』
- 『全く負担に感じていない(4.6%)』
両者ともに、約9割が印刷業務において負担やストレスを感じているようです。
特に、薬剤師の回答は「非常に負担」と感じる割合が調剤事務の回答よりも高く、業務の中で印刷に関わる諸々の細かいトラブル(紙詰まり・故障・印字品質など)が薬剤師の業務時間を圧迫している可能性があります。
一方、調剤事務の回答は「やや負担」が約6割となり、「非常に負担」という回答の割合は薬剤師より低く、業務量や責任範囲・意思決定可能性の違いが影響しているように思われます。
印刷業務のストレス第1位は「消耗品の在庫管理・発注の手間」だった
印刷業務を負担と感じる背景には、日常的に発生するストレス要因が複数存在していると考えられます。
では、具体的にどのようなポイントが「負担」や「手間」として意識されているのでしょうか。
前の質問で『非常に負担に感じている』『やや負担に感じている』『あまり負担に感じていない』と回答した薬剤師にうかがいました。

「現在使用しているプリンターに対して、以下の項目をそれぞれどの程度負担やストレスに感じているか」について薬剤師に尋ねたところ、項目別で以下のような回答結果になりました。
消耗品の在庫管理・発注の手間
- 『とてもそう思う(25.9%)』
- 『そう思う(56.1%)』
- 『あまりそう思わない(16.3%)』
- 『全く思わない(1.7%)』
紙詰まりが多い(お客様自身で復旧できるもの)
- 『とてもそう思う(28.9%)』
- 『そう思う(50.9%)』
- 『あまりそう思わない(19.2%)』
- 『全く思わない(1.0%)』
ランニングコスト
- 『とてもそう思う(24.4%)』
- 『そう思う(54.1%)』
- 『あまりそう思わない(19.3%)』
- 『全く思わない(2.2%)』
導入コスト(本体コスト・保守コスト)
- 『とてもそう思う(26.0%)』
- 『そう思う(51.5%)』
- 『あまりそう思わない(20.5%)』
- 『全く思わない(2.0%)』
本体のサイズが大きい
- 『とてもそう思う(23.9%)』
- 『そう思う(51.1%)』
- 『あまりそう思わない(23.6%)』
- 『全く思わない(1.4%)』
故障時のダウンタイム(プリンターが使えない時間)が長い
- 『とてもそう思う(18.7%)』
- 『そう思う(54.8%)』
- 『あまりそう思わない(23.6%)』
- 『全く思わない(2.9%)』
故障が多い(保守員が対応するもの)
- 『とてもそう思う(22.3%)』
- 『そう思う(50.4%)』
- 『あまりそう思わない(26.0%)』
- 『全く思わない(1.3%)』
耐久性が低い・頻繁に本体を買い替える必要がある
- 『とてもそう思う(18.6%)』
- 『そう思う(52.5%)』
- 『あまりそう思わない(27.8%)』
- 『全く思わない(1.1%)』
印刷速度が遅い
- 『とてもそう思う(19.9%)』
- 『そう思う(49.6%)』
- 『あまりそう思わない(27.9%)』
- 『全く思わない(2.6%)』
印字品質が悪い(にじみ、シワ、汚れ、色味)
- 『とてもそう思う(18.6%)』
- 『そう思う(50.8%)』
- 『あまりそう思わない(28.9%)』
- 『全く思わない(1.7%)』
薬剤師の回答で、最も負担やストレスが高かったのは「消耗品の在庫管理・発注の手間」で、プリンターの消耗品の管理・発注、紙詰まりといった運用関連が、性能よりも日々の業務を圧迫していることが鮮明です。
「印刷速度」や「印字品質の低さ」もストレス要因ではありますが、頻度としては消耗品切れや紙詰まりなど“日常的・反復的な作業”の比重が大きいと考えられます。
また、「故障時のダウンタイム」や「耐久性の低さ」も無視できず、これらが薬剤師の“待機時間”や“業務フローの中断”を生む要因になっていることがうかがえます。
同様に、前の質問で『非常に負担に感じている』『やや負担に感じている』『あまり負担に感じていない』と回答した調剤事務に「現在使用しているプリンターに対して、以下の項目をそれぞれどの程度負担やストレスに感じているか」について尋ねたところ、項目別で以下のような回答結果になりました。
消耗品の在庫管理・発注の手間
- 『とてもそう思う(22.6%)』
- 『そう思う(56.8%)』
- 『あまりそう思わない(17.5%)』
- 『全く思わない(3.1%)』
紙詰まりが多い(お客様自身で復旧できるもの)
- 『とてもそう思う(21.9%)』
- 『そう思う(54.5%)』
- 『あまりそう思わない(20.2%)』
- 『全く思わない(3.4%)』
ランニングコスト
- 『とてもそう思う(19.2%)』
- 『そう思う(53.4%)』
- 『あまりそう思わない(24.7%)』
- 『全く思わない(2.7%)』
導入コスト(本体コスト・保守コスト)
- 『とてもそう思う(23.6%)』
- 『そう思う(49.7%)』
- 『あまりそう思わない(25.0%)』
- 『全く思わない(1.7%)』
本体のサイズが大きい
- 『とてもそう思う(19.9%)』
- 『そう思う(51.7%)』
- 『あまりそう思わない(25.0%)』
- 『全く思わない(3.4%)』
故障時のダウンタイム(プリンターが使えない時間)が長い
- 『とてもそう思う(15.7%)』
- 『そう思う(48.0%)』
- 『あまりそう思わない(30.8%)』
- 『全く思わない(5.5%)』
故障が多い(保守員が対応するもの)
- 『とてもそう思う(20.2%)』
- 『そう思う(46.2%)』
- 『あまりそう思わない(31.2%)』
- 『全く思わない(2.4%)』
耐久性が低い・頻繁に本体を買い替える必要がある
- 『とてもそう思う(19.2%)』
- 『そう思う(50.3%)』
- 『あまりそう思わない(25.7%)』
- 『全く思わない(4.8%)』
印刷速度が遅い
- 『とてもそう思う(20.2%)』
- 『そう思う(48.6%)』
- 『あまりそう思わない(27.4%)』
- 『全く思わない(3.8%)』
印字品質が悪い(にじみ、シワ、汚れ、色味)
- 『とてもそう思う(15.8%)』
- 『そう思う(46.2%)』
- 『あまりそう思わない(33.6%)』
- 『全く思わない(4.4%)』
薬剤師の回答と同様に、上位に挙がったのは「消耗品の管理・発注」「紙詰まり」「コスト(ランニング・導入)」といった仕様・性能以前の“運用負荷”に関する回答でした。
特に「紙詰まり」や「在庫管理」は多くの方が負担を感じており、細かな作業が業務効率を下げている実態がうかがえます。
一方で「印字品質」や「ダウンタイム」に対する負担は相対的に低く、業務に直結する“継続的な手間”がストレスの主因となっているようです。
では、実際にプリンターが故障した場合、どのくらいのスピードで復旧できているのでしょうか。

「現在お使いのプリンターが故障※した場合、どのくらいの日数で復旧・修理完了することが多いか※店舗で修理対応できないレベルの故障」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
- 『修理依頼が必要な故障が発生したことはない(1.8%)』
- 『当日中(23.4%)』
- 『翌日(1日後)(51.4%)』
- 『2、3日後(19.3%)』
- 『4日後以降(4.0%)』
さらに、『修理依頼が必要な故障が発生したことはない』と回答した方以外に、「前設問で回答した復旧までの間、どのように対処しているか」についた尋ねたところ、『保守会社またはレセコンベンダー所有の代替機と入れ替えてもらい対処している(33.9%)』と回答した方が最も多く、『自社で保管の予備機と交換して対処している(29.8%)』『自社の別のプリンターや複合機に印刷先を変更して対処している(22.4%)』となりました。
約7割が『当日中』あるいは『翌日(1日後)』という回答でしたが、それでも『2、3日後』や『4日後以降』というケースも少なからず存在しており、その間の業務停止がもたらす影響は無視できません。
復旧までの対処法についても、「代替機」や「予備機」が利用できる調剤薬局は対応に余裕がありますが、それを確保するためのコストや設置スペースも問われます。
印刷業務を奪われると薬袋・薬剤情報提供書・領収書の準備が滞り、患者へのサービス水準低下や、本来不要な業務が発生する可能性があるため、「迅速な保守対応」「代替手段の準備」が生産性維持にとって重要な柱となるでしょう。
最も重視されるプリンター選定要素とは?
そのような背景から、プリンターを買い替える際はどのようなポイントを重視する、あるいは重視したいと考えているのでしょうか。

「プリンターを買い替える際に重要視すること※購入決裁権がない方は、重要視したいと思う項目」について尋ねたところ、薬剤師と調剤事務で以下のような回答結果になりました。
薬剤師
- 『導入コスト(39.8%)』
- 『ランニングコスト(39.3%)』
- 『安定稼働(紙詰まり等のトラブル・故障が少ない)(37.7%)』
- 『印字品質が良い(にじみ、シワ、汚れがない・色味を思った通りに出せる)(22.9%)』
- 『本体サイズがコンパクトであること(20.5%)』
- 『耐久性が高い(耐用年数、装置寿命)(13.1%)』
- 『印刷速度が速い(12.7%)』
- 『保守員の駆けつけの速さ(6.4%)』
- 『消耗品の在庫管理や発注に手間がかからないこと(2.3%)』
- 『その他(0.1%)』
調剤事務
- 『導入コスト(35.6%)』
- 『ランニングコスト(34.3%)』
- 『安定稼働(紙詰まり等のトラブル・故障が少ない)(43.1%)』
- 『印字品質が良い(にじみ、シワ、汚れがない・色味を思った通りに出せる)(21.9%)』
- 『本体サイズがコンパクトであること(16.3%)』
- 『耐久性が高い(耐用年数、装置寿命)(19.0%)』
- 『印刷速度が速い(19.3%)』
- 『保守員の駆けつけの速さ(7.8%)』
- 『消耗品の在庫管理や発注に手間がかからないこと(6.9%)』
- 『その他(0.3%)』
薬剤師、調剤事務ともに、「安定稼働」「コスト(導入・運用)」が買い替え時のポイントとして重要視されており、「速度」「印字品質」は若干後回しになる傾向があります。
これは、現場では「トラブルを減らす」「予期せぬ停止を防ぐ」ことが、生産性への貢献が大きいと認識されているためと考えられます。
まとめ:調剤薬局における印刷業務の負担とプリンター運用の最適化に向けて
今回の調査で、調剤薬局における印刷業務は、薬剤師・調剤事務のいずれにおいても負担に感じている方が約9割にのぼり、大きなストレス源となっている実態が明らかになりました。
負担やストレスを感じている点として多く挙げられたのは、「消耗品の在庫管理・発注の手間」や「紙詰まり」といった操作性やメンテナンス性に関わる要素でした。
これらの課題は、機器のスペックそのものではなく、継続的な使用における“扱いやすさ”や“トラブル対応のしやすさ”が重要視されていることを示しています。
プリンターが故障した場合の復旧日数については、「当日中」や「翌日(1日後)」が約7割となり、多くの調剤薬局で一定の対応体制が確保されているようです。
しかし、「2、3日後」「4日後以降」といったケースも存在し、復旧が長期化することにより印刷業務の停止や代替対応を余儀なくされるリスクも見逃せません。
実際に、予備機や代替機を活用して対応している調剤薬局も多く、トラブル時の「備え」の有無が業務継続性を左右する要因となっています。
プリンターを選ぶ際には、保証期間や稼働の安定性、メンテナンス性を重視することで、現場の業務停滞を防ぎ、調剤業務全体の生産性向上につながると考えられます。
調査概要:「調剤薬局の印刷業務における生産性の壁」に関する調査
【調査期間】2025年9月9日(火)~2025年9月11日(木)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,009人
【調査対象】調査回答時に薬剤師・調剤事務と回答したモニター
【調査元】沖電気工業株式会社
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
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