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災害・異常時の初動対応、点検・監視機器の有無で約9割が「差が出る」と回答。電源確保や人手不足など現場の課題も浮上!遠隔監視機能に「外部電源不要」「即時通知」のニーズ高まる

豪雨、土砂災害、洪水。
自然災害が頻発する近年、インフラ設備の安定稼働と迅速な初動対応の重要性はますます高まっています。
しかし現場では、「人手による点検の限界」「常駐が難しい場所の増加」「電源や通信の制約」など、従来の運用体制では対応しきれない課題が顕在化しています。
鉄道や道路、電力、河川・ダムなどのインフラを支える現場では、安全性や効率化の観点から、「遠隔で監視・対応できる仕組み」への関心が高まっています。
では実際に、こうした現場ではどのような課題があり、どのような機能が求められているのでしょうか。
そこで今回、沖電気工業株式会社(https://www.oki.com/jp/)は、公共インフラの設備管理・保守担当者を対象に「インフラ現場における点検・監視業務の実態と、遠隔監視機能に対するニーズ」に関する調査を行いました。
現場の点検・監視業務の実態と課題

はじめに、「インフラ・設備について、現場での人による点検・監視作業の頻度」について尋ねたところ、『毎日(28.6%)』と回答した方が最も多く、『週に数回(27.3%)』と続きました。
「毎日」「週に数回」を合わせると約6割となり、一定の頻度で点検・監視がなされている現場が多いことが分かります。
一方で、「必要時のみ」「月に数回」など、必要最低限の対応にとどまる現場も多く、業務負荷やリソース制約の影響が垣間見えます。
点検・監視頻度が現場ごとに大きく異なることは、インフラの種類や立地条件によって運用体制が多様化している現実を反映しているといえるでしょう。

インフラ・設備の点検・監視作業の実施頻度について『週に数回』『月に数回』『年に数回』『必要時のみ』と回答した方に、「インフラ・設備の点検・監視対象エリアの人の常駐状況」について尋ねたところ、下記のような回答結果となりました。
- 『すべて常駐できていない(20.1%)』
- 『ほとんど常駐できていない(30.4%)』
- 『半分以上常駐できていない(18.4%)』
- 『一部常駐できていない(19.7%)』
- 『すべて常駐できている(11.4%)』
常駐による監視ができていないと回答した方が約9割となり、現場管理における人員配置の難しさが示されました。
すべてのエリアをカバーできない背景には、人手不足だけでなく、広範な設備を対象とする業務特性や遠隔地に点在する施設の存在が影響していると考えられます。
では、点検・監視機器の有無は災害・異常時の初動対応にどの程度影響するのでしょうか。
ここからは、災害・異常を検知するための点検・監視機器を『すべての現場で導入している』『一部の現場で導入している』『導入していないが、導入予定がある』と回答した方にうかがいました。

「災害・異常時の初動対応は点検・監視機器の有無で差が出ると思うか」について尋ねたところ、約9割の方が『明確に差が出ると思う(37.3%)』または『ある程度差が出ると思う(52.5%)』と回答しました。
9割近くが「差が出る」と回答したことから、現場担当者にとって点検・監視機器の有無は災害・異常への対応力を大きく左右する要素と認識されていることが分かります。
人の目による確認だけでは初動対応の迅速性に限界があり、情報取得のタイムラグがリスク拡大につながると考えられます。
点検・監視機器があれば、異常の早期検知や状況の把握が自動的に進み、現場到着前に判断材料を得られる点が評価されているのではないでしょうか。
遠隔監視機能に対する意識とニーズ

「インフラ・設備の点検・監視で困っていること」について尋ねたところ、
- 『人手不足で常時点検することが難しい(45.6%)』
- 『災害・異常時にすぐに現場へ行けない(36.3%)』
- 『現場が遠隔地にあり訪問が難しい(28.8%)』
が上位に挙がりました。
最も多く挙げられた「人手不足で常時点検が難しい」という回答は、慢性的な人員不足が業務全体の制約要因となっていることを示しています。
加えて、「すぐに現場へ行けない」「遠隔地にあり訪問が難しい」という回答は、地理的条件や移動時間が点検・監視体制の不安定要素になっていることを表しています。
そのため、遠隔監視機能や自動化によって現場の制約を補完する仕組みづくりが求められているといえるでしょう。
「遠隔監視機能に求めたい要素」について尋ねたところ、
- 『外部電源不要(ソーラー・電池駆動など)で作動すること(41.0%)』
- 『複数地点を一括管理できること(40.2%)』
- 『災害時に即時にアラート通知が届くこと(38.2%)』
が上位になりました。
上位に挙がった「外部電源不要」「複数地点の一括管理」「即時アラート通知」は、現場での運用性を高めるための必須条件と捉えられているようです。
特に外部電源に依存しない仕組みは、遠隔地や災害時においても稼働を継続させるために欠かせない条件と受け止められているようです。
また、即時の通知機能は初動対応の迅速化を支える重要要素と考えられます。

最後に、「災害対応やインフラ点検に関して重視すべき方向性」について尋ねたところ、
- 『安全確保の強化(現場の人員のリスク低減)(47.0%)』
- 『点検・監視の自動化と効率化(43.2%)』
- 『災害・異常の早期検知と即時対応の強化(37.8%)』
が上位になりました。
最も多かった「安全確保の強化」は、現場の人員のリスクを低減することが組織にとって最優先であることを示しています。
「自動化・効率化」や「早期検知・即時対応」は、人員不足や監視範囲拡大の課題を克服するための方向性といえるでしょう。
これらの回答は、従来の人手依存から脱却し、技術導入と運用体制の見直しを組み合わせた多面的な改革が必要であることを示唆しています。
まとめ:人手不足と災害リスクに直面するインフラ現場、持続可能な点検・監視体制に求められる条件とは
今回の調査で、インフラ現場の点検・監視における大きな課題が明らかになりました。
点検・監視は「毎日」や「週に数回」と高頻度で行われている一方、9割近い現場で人の常駐が困難であり、人員不足や遠隔地の存在が大きな制約となっています。
体制面では「確認できない場所がある」「即時性が確保できない」といった声が多く、人手による巡回だけでは限界があることが示されました。
点検・監視機器の導入は約7割にとどまり、特に電源確保の難しさが大きな課題となっています。
また、災害・異常時の初動対応については約9割が「点検・監視機器の有無で差が出る」と回答しており、迅速な情報取得の重要性が強く認識されています。
さらに「人手不足」「すぐに現場に行けない」といった困難も挙げられ、遠隔監視機能への期待が高まっています。
求められているのは「外部電源不要」「複数地点の一括管理」「即時アラート通知」といった運用継続性と効率性です。
こうした状況を踏まえると、今後のインフラ管理には点検・監視機器を導入するだけではなく、運用を持続させる仕組みを整えることが不可欠といえます。
電源の自立性やシステムの統合管理、災害時に即時対応できる情報伝達の仕組みなど、複数の要素を組み合わせることが現場の安心と効率化につながるでしょう。
調査概要:「インフラ現場における点検・監視業務の実態と、遠隔監視機能に対するニーズ」に関する調査
【調査期間】2025年9月18日(木)~2025年9月21日(日)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,043人
【調査対象】調査回答時に公共インフラの設備管理・保守担当者であると回答したモニター
【調査元】沖電気工業株式会社
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
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