導入事例

OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。

企業情報

武蔵野赤十字病院様

会社名
武蔵野赤十字病院 様
本社所在地
東京都武蔵野市境南町1-26-1
設立
1949年
病床数
586床(EICU6床・HCU24床・GICU8床・NICU9床・GCU12床・感染症20床)
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セキュアな院内統合ネットワークを基盤に、
スマートフォン内線化・ナースコール連携で
看護DXを加速


武蔵野赤十字病院

武蔵野赤十字病院は、東京都武蔵野市に所在する病床数586床の高度急性期病院です。三次救急医療に対応する地域の中核病院として、救急医療、がん医療、周産期医療、災害医療など幅広い診療領域を担っています。2025年12月に全室個室の新病棟を開院するにあたり、既存院内ネットワークのセキュリティ強化・全面更改、PBXの更改、スマートフォン内線化、ナースコール連携を一体のプロジェクトとして推進。OKIクロステックが構築・運用パートナーとして全体を支援しました。

概要

課題
  • 院内ネットワークのセキュリティ強化、ランサムウェアなどサイバー攻撃へのリスク対応が急務
  • 新病棟開設・PBX更新が重なり、ネットワーク・音声・スマートフォンを統合的に整備したい
  • 全室個室化に対応した看護業務のDX推進と、限られた人員でのきめ細かいケア提供が求められた
成果
  • ネットワークセグメンテーションと認証サーバーの導入により、セキュアな院内統合ネットワークを構築
  • PHS(内線通話、ナースコール)とPDA(携帯情報端末)をスマートフォンに統合し、看護師が1台で通話・記録・三点認証・ナースコール対応を実現
  • スマートポンプや離床センサーとの連携など、継続的な看護DXの推進環境が整った

導入ソリューション

病院ネットワーク構築/PBX・ナースコール・スマートフォン連携

OKI製PBXを核に、ナースコールシステムとのIP連携、「Com@WILLソフトフォンスマート」アプリケーションによるスマートフォン内線化を実現しました。電子カルテ系・部門システム系・インターネット系・アメニティ系・音声系・プリンタ系・医療機器接続を統合した院内ネットワークと、全館に整備した無線LANアクセスポイントを基盤に、ネットワーク・音声(PHS/スマートフォンのハイブリッド構成)・ナースコールを一体で運用できます。

詳細

課題・背景

新病棟建設とネットワーク・PBX更改が重なり、
「病院DXの基盤整備」という一大プロジェクトへ

岡田 謙二郎 氏
武蔵野赤十字病院
事務部
医療情報管理課長
岡田 謙二郎 氏
情報処理安全確保支援士(第029829号)
上級医療情報技師

2025年12月、武蔵野赤十字病院に新病棟が開院されました。全室個室となる新病棟は、患者のプライバシーと快適性を高めるとともに、限られた人数で一人ひとりに手厚いケアを届ける同院の姿勢を体現します。

しかし同院が本プロジェクトに臨む際、強く意識したのは院内基盤のセキュリティ強化であったと、事務部 医療情報管理課長の岡田謙二郎氏は明かします。「一番の目的はセキュリティの強化。以前のネットワークは、簡易なアクセス制御での分離にとどまっており、医療機関でランサムウェア被害が相次いでいる状況を目の当たりにして、危機感が強くありました」。

こうして、ネットワークの全面刷新とセキュリティ強化、PBXの更改、スマートフォン内線化、ナースコール連携、そして新病棟の通信環境整備という複合的な課題が一体のプロジェクトとなった経緯を、同課 係長の尾喜拓也氏は、こう話します。「大きな刷新となりましたが、計画してそうなったわけではなく、新病棟の開院とネットワーク、さらにPBXの更改と、たまたま時期が重なったのが正直なところです。しかし結果的には、一括して刷新したことこそが、成功の要因だったと感じています」。

その上で同院が目指したのは、将来の病院DXを支えるセキュアなネットワーク基盤の構築と、稼働する看護業務の効率化という、2つの目標の同時実現でした。「新病棟は全室個室。扉が常に閉まっているため、看護師は患者様の状況を把握するために個室を何度も訪れなければなりません。その移動距離と時間の削減が、看護師の働き方改革に直結する課題でした」(岡田氏)。

導入のポイント

「うちじゃない」と言わない。トータルで課題を
引き受ける姿勢と技術力が、選定の決め手に

尾喜 拓也 氏
武蔵野赤十字病院
事務部
医療情報管理課 係長
尾喜 拓也 氏
情報処理安全確保支援士(第009304号)
医療情報技師

OKIクロステック(以下、OXT)はナースコールシステムとの協業実績を持ち、ネットワークから音声・スマートフォン連携まで横断して対応できる体制を備えています。同院が重視したのは、複数のベンダーにまたがる複雑な課題を一体的に解決できる体制および担当者への信頼感だったと、両氏は口を揃えます。

「トラブルが発生したとき、関わるベンダーが多いと『それはうちの範囲ではない』という話になりがちです。ネットワーク、PBX、スマートフォン、電子カルテ、ナースコールなど多くのベンダーが関わる環境で、トータルで面倒を見てくれる技術力とカバー範囲があることが、選定の大きな基準でした」(尾喜氏)。

「コスト面はもちろん、誠実に向き合ってくれるか、相性も含めた人間的な信頼感も、選定における重要な要素です。知識や技術力に加えて、担当者の方々の人間性、信頼性が決め手でした。実際に一緒にやってみて、その見立ては間違いではなかった。私たちに寄り添い、共に考え、目標に向かって動いてくれました」(岡田氏)。

こうした期待に応えるべくOXTは、正式な導入決定に先立ち、自社内に検証環境を構築し、ネットワーク機器、PBX、スマートフォン、ナースコール連携アプリケーションを組み合わせた実機デモを実施しました。

「ナースコールシステムと選定中のスマートフォンを組み合わせたデモをOXT環境で実施していただき、看護師や電話設備担当者も参加して現場目線で評価しました。私も検証に参加し、デモ環境でスマートフォンの音声がハンドオーバー時に途切れないことを確認しました。どのベンダーも、自社の推奨環境については問題ないと言ってくれますが、他社システムとの組み合わせまでは保証できない、というのが通常です。OXTはまさにそこに踏み込んで検証してくれたことが、大きな安心につながりました」(岡田氏)。

スマートフォンの通話基盤には、ランニングコストを抑えられるWi-Fiを利用したIP電話(VoIP)を採用しましたが、実装の段階では、やはりハンドオーバー時の通話断リスクへの懸念がありました。「この方式は他院でも導入後にうまくいかないケースがあると耳にしていました。デモ環境での検証だけでなく、OXTの担当者が実際に院内を歩き回り、アクセスポイントの配置や遮蔽物の影響まで確認してくれました。その地道な検証が、導入への確信につながりました」(岡田氏)。

構築フェーズでも、OXTの真価が発揮されました。稼働中の病院業務を止めることなく進めた既存棟の更改は、計13回の段階的切り替えとなりました。特に、取り壊し予定の旧一番館との接続を維持しながら残存棟を更改し、さらに新病棟の整備も並行する複雑な進行が求められました。

切り替えの過程では、予期せぬ障害も発生しました。「旧ネットワーク機器のファームウェアのバグに起因するものでしたが、当初は原因が全くつかめませんでした」(尾喜氏)。「ネットワークの停止が電子カルテにも影響し、切り戻しの判断を迫られた局面もありましたが、OXTは一緒に腰を据えて原因を追い続けてくれました。それが本当に心強かった」(岡田氏)。

こうした各回の切り替えから得た知見を次のステップへと反映させながら、プロジェクトは着実に前進しました。

新病棟の建設では、ゼネコン側の工期延長が発生し、室内工事期間が圧縮される事態も生じました。「工期が延長しても、開院日は変わりません。OXTは優先順位を柔軟に組み替えながら、期日通り完了してくれました」(尾喜氏)。

さらに、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインへの対応も重要なテーマでした。「二要素認証の要件強化など水準が引き上げられる中、50社以上の医療システムベンダーが接続する複雑な環境においてセキュリティポリシーを整合させていく作業も、OXTと共に乗り越えました。ただ動くネットワークを構築するだけであれば難しくはありませんが、現在はそれでは危険な時代。セキュリティを担保しながら利便性を確保することが、今日の病院ネットワーク構築における本質的な難しさだと感じています」(岡田氏)。

成果・今後

スマートフォン1台に看護業務が集約され、
セキュアな基盤の上でDXが加速する

OKIクロステック 担当SE 菅沼、太田、武蔵野赤十字病院 岡田氏、尾喜氏
写真左より
OKIクロステック 担当SE 菅沼、太田
武蔵野赤十字病院 岡田氏、尾喜氏

2025年12月の新病棟開院とともに、スマートフォン内線化・ナースコール連携の本格運用がスタート。その基盤となる院内ネットワークは、セグメント単位での分割と認証サーバーの導入により、接続できる端末や通信経路を厳密に管理できるセキュアな環境が整っています。

この堅固な基盤の上で、病棟の看護師はスマートフォン1台で、電子カルテの入力・閲覧、患者・薬剤照合のためのバーコードによる三点認証、院内通話、ナースコール対応を集約。患者の状態などその場で電子カルテへ連携できるようになったほか、夜間に大型カートを持ち歩く必要もなくなりました。

「表向きにはスマートフォン活用が目立ちますが、われわれが力を注いできたのは、そのベースにあるネットワーク基盤です。セキュアで使いやすい基盤があってはじめて、スマートフォンも、これから追加されるシステムも、安心して活用できます」(岡田氏)。

スマートフォンを活用するのは病棟の看護師が中心。医師や事務スタッフは、従来通りPHSを使用するハイブリッド運用です。

「20年近く使い慣れたPHS端末も、PBXが変わっても引き続き利用できるよう対応してもらいました。これはOXTだからこその成果だと思います」(岡田氏)。

新病棟ではすでにスマートポンプ(輸液システム)との連携、スマートベッドの離床センサーによる患者モニタリング、スマートフォンを使ったドアホン操作など、新たな連携が稼働しています。2026年6月にはスマートポンプとのネットワーク連携が本格稼働し、看護師が個室を頻繁に訪問しなくても輸液状況をリアルタイムで把握できるようになるなど、看護師の移動距離と時間の削減につながり、働き方改革にも直結する取り組みとして注目されます。

「費用を十分にかけて最新の仕組みを導入すれば、できることは増えます。しかし本院では、必要な機能を過不足なく実現しながら、運用コストも合理的に抑えられる構成を目指しています。スマートフォン運用では一部の残課題もありますが、費用対効果という観点でも満足のいくプロジェクトになったと思っています」(岡田氏)。

保守フェーズへの移行後も、その信頼関係は続いています。「構築を担当したエンジニアと保守担当者の間に一体感があり、こちらが確認したことに対し、しっかり連携、対応してくれる。構築したら終わりではなく、その後も続いていく関係として信頼しています」(岡田氏)。

院内には「DX推進室」も新設され、専任メンバーが新たなソリューションの検討・実装に集中できる環境が整いました。「新たなインフラ基盤が整備できたことで、DXのアイデアをどんどん乗せていけるようになりました。カバー領域はこれからも広がっていくので、その都度、OXTと相談しながら進めていきたい」(尾喜氏)。

最後に岡田氏は、OXTへの総評と期待を、こう結びました。「OXTは技術力が高く、人も誠実で、会社としてのバランスが優れたベンダーだと感じています。これからもこの信頼関係を大切に、末永い伴走支援に期待しています」。

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2026年8月掲載

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