COLUMN
介護業務の負担を離床センサーで軽減!OKIの高齢者見守りソリューション「WatchOverSmart」とは
介護施設における「高齢者見守り」は、入居者の安全と直結する重要なタスクである一方、職員の大きな負担となっています。特に夜間の巡視や、ベッドからの転倒・転落事故への対応は、人手不足が続く現場において深刻な課題です。
こうした現場の声に応えてOKIが開発したのが、離床に特化した高齢者見守りソリューション「WatchOverSmart(ウォッチオーバースマート)」です。
本記事では、介護現場の高齢者見守りにおける負担と課題を紐解きながら、WatchOverSmartがどのように課題を解決し、現場の安心と業務の効率化に貢献しているのかを紹介します。
夜間の転倒リスクと、限界を迎える人手による見守り
高齢者施設では、入居者がベッドから立ち上がろうとする動作が転倒事故につながることが多く、特に夜間帯はそのリスクが高まります。しかしながら、夜間は職員数が限られており、すべての居室を巡回してリアルタイムに状態を確認することは、困難です。
このような状況下では、「いかに早く異変に気づけるか」が、事故防止のカギとなります。従来は赤外線センサーやマットスイッチ、ナースコールなどを用いて対応していましたが、簡易なものは1:1での通知しかできない、設置や運用に手間がかかる、精度が低いといった課題がありました。また、そもそもナースコールを押さずにベッドを出てしまうケースもあり、いずれも入居者がすでに離床した「後」、転倒や転落が起きた後に駆けつけるという“事後対応型”が現場の限界でした。
“予兆検知”という新しいアプローチ
OKIの高齢者見守りソリューション「WatchOverSmart(ウォッチオーバースマート)」は、こうした“起きてからでは遅い”という課題に対し、「離床の予兆を検知」し、それを職員にタイムリーに伝えることで事故防止の対応に寄与するという、新たなアプローチを提示します。
最大の特長は、ベッド上での体動変化を検出し、入居者が「これから起き上がろうとする兆候」をリアルタイムに把握できる点にあります。ベッドからの離床を3段階(在床/端座位/不在)に分けて検知できることで抜け出しの兆候をとらえ、職員が「今まさに起き上がろうとしている」段階で現場に駆けつけることが可能になります。
これにより、転倒などのリスクそのものを回避する“予防型”の見守りが実現します。
誤報の少ないセンサー構成・センシング技術
WatchOverSmartのセンサーは、ベッドマットの下に敷設する薄型のセンサーマットと、そのデータを処理する通信ユニットで構成されています。センサーマットには、静電容量方式と圧力検知の機能が搭載されており、入居者の体の接触有無や圧力の変化を高精度に検出できます。
また、複数の検知アルゴリズムを統合して誤検知を排除する仕組みを採用しており、従来の離床センサーで課題となっていた“誤報”や“失報”を大幅に低減しています。マット上で寝返りを打っただけの場合と、実際にベッドから抜け出そうとする動きとを的確に判別し、不要な通知を抑制することで、職員の心理的負荷を軽減します。
設置も簡単、寝具を選ばない
「WatchOverSmart」のベッドセンサーは、マットレスの上に敷くだけで、誰でも簡単に設置可能です。
また、従来のベッドセンサーと異なり、褥瘡防止エアマットレスとの併用も可能。布団(床寝)でも利用できます。
WatchOverSmartが実現する「予防型」見守りの具体的な機能
WatchOverSmartは、ベッド上での起き上がりの予兆検知に加え、ご入居者様の安全確保と介護職員の負担軽減に役立つさまざまな機能を提供します。
- ご入居者様がベッドから降りようとする動きを事前に察知し、介護職員が速やかに対応できるため、重大な転倒事故を未然に防ぐことに貢献します。また、夜間の長期不在を発見する機能では、異常によりベッドに戻れない可能性を早期に発見し、体調急変などの緊急事態に迅速に対応できます。
- 要介護度の高い入居者様のバイタルデータの確認は、極めて重要です。WatchOverSmartは従来のベッドセンサーと異なり、褥瘡防止用エアマットレスと併用できるため、介護職員の心身負担の軽減につながります。日中の活動状況や睡眠中の状態もグラフで確認できるため、細やかな健康管理を支援し、個別のケアプラン検討にも役立ちます。
- 複数のご入居者様の状況をPCやスマートフォン(ブラウザ操作)の管理画面で同時に見守ることができます。居室ごとの状態はアイコンと色で表示され、異常を検知した際は、赤色点灯や警告音、メールでタイムリーに通知されるため、直感的に状況を把握し、迅速な判断が可能になります。
- 日々の状態は、抜け出しなど異常の回数が集計表で一目瞭然です。また、睡眠時間やバイタルの傾向を時系列グラフで確認でき、パーソナルなケアに活かせます。
WatchOverSmartのシステム構成と導入・運用のしやすさ
WatchOverSmartは、施設内のWi-Fi環境を活用してクラウドと接続することで、各ベッドの状態がリアルタイムで確認できます。通知はPCの管理画面だけでなく、スマートフォンやタブレットにも即座に送信され、どこにいても状況を把握し対応できます。
ナースステーションに設置されたモニターには、入居者ごとの状態が一覧で表示され、離床予兆があるベッドは色で強調表示されるなど、視認性に優れた設計です。複数人の見守りを同時に行える環境が整備されることで、見逃しや対応の遅れを防止し、業務効率の向上につながります。
施設への導入にあたっては、ベッドにセンサーマットを敷設し、電源コンセントを差すだけで稼働します。初期設定ヒアリングシートを記入いただければ、OKIがお客様のご入居者様情報やお部屋情報を一括で登録します。製品到着後、30床程度であれば約半日で敷設が完了。専門業者による大規模な工事は不要です(OKIスタッフによる現地敷設作業も承っております:有償オプション)。
柔軟なシステム連携と充実したアフターサービス
WatchOverSmartは、既存のナースコールシステムとの連携や、他社製のIPカメラ、介護記録ソフトなどとの連携も可能で、施設のICT環境にあわせた柔軟な構成が可能です。
- たとえば、異常検知時に該当ベッドのカメラ映像が自動的にポップアップ表示され(現在ご利用のIPカメラも連携可能)、部屋の様子をリアルタイムで確認できます。異常検知時の前後数秒を録画し、記録やご家族様へのエビデンスにも使用可能です。これにより、センサー情報と映像情報を組み合わせた、より確かな見守りが実現します。
- また、ナースコールと連動して、ナースステーションやスマートフォンに通知する機能も備わっています。各種アラート(離床、長時間不在、バイタル異常)をナースコール親機と子機に通知する設定も可能です(アイホン Vi-nurseなどの連携実績があります)。
- さらに、異常を検知すると警告灯の点灯や音声で知らせる警報機連携、持ち運び可能なサイネージでいつでもどこでもベッドの状態を確認できるサイネージ連携にも対応しています。これらの連携により、異常を直感的に知らせ、職員の迅速な初動をサポートし、巡回中の情報確認もスムーズになります。
WatchOverSmartはクラウド型のため、ソフトウェアのアップデートやトラブル時の対応も迅速に行え、運用面での負担も軽減されます。お困りごとやご質問は、24時間365日対応のメール受付窓口でお問い合わせいただけます。また、敷設方法やルール設定などのご利用方法を分かりやすくご紹介する動画の配信や、遠隔でのトラブルサポートも充実しており、システム状況を遠隔で確認し早期解決に繋げるなど、ご導入後も安心してお使いいただけるサポート体制を整えています。
データ活用による介護の質向上
WatchOverSmartでは、センサーデータを蓄積し、入居者ごとの起床・就寝時間、離床頻度、体動、バイタルの傾向などを可視化することができます。これにより、個別の生活リズムを把握し、ケアプランの改善に役立てることが可能になります。
たとえば、夜間の離床回数が増えた場合、早期に体調変化や排泄リズムの乱れを把握し、医療的な介入につなげることもできます。日々の記録に追われていた職員にとっても、自動記録による省力化は大きな助けとなります。
各種認証と補助金制度への対応
WatchOverSmartは、経済産業省と厚生労働省が推進する「介護ロボット開発・普及推進事業」に基づく技術評価を経て、2024年には「介護・生活支援ロボット認証」を正式に取得しています(認証機関:公益社団法人かながわ福祉サービス振興会)。
この認証は、単なる性能評価にとどまらず、実際の介護施設での運用を想定した安全性・操作性・運用性の総合的な検証が求められる制度であり、WatchOverSmartは以下の観点で、高く評価されました。
- センサーマットと通信ユニットによるシンプルな設置と運用のしやすさ
- 高精度な予兆検知と、誤報・失報の少ない検知アルゴリズム
- クラウド活用による遠隔保守・ソフトウェア更新体制
- 実運用現場からのフィードバック(夜間の職員負荷軽減・見守り精度向上)
WatchOverSmartはこうした認証を取得することに加えて、全国の自治体が実施する介護ロボット導入補助金制度の対象機器として登録されており、初期費用の軽減が可能となっています。OKIでは補助金申請の支援体制も整えており、導入に関する不安や手続きを一括してサポートすることが可能です。
導入施設が実感した「安心」と「ゆとり」 - 導入現場から寄せられたお声
ある中規模の高齢者施設では、WatchOverSmart導入後、夜間の巡視回数が約30%削減され、職員の負担軽減と同時に離床事故のゼロ化が実現したという実績があります。夜間に発生する転倒事故のリスクを減らすことができたことで、入居者家族からの信頼も向上しました。
実際にWatchOverSmartをご利用の施設様から、以下のようなお声をいただいています。
介護職員様からの声
- 「以前は赤外線型のセンサーを導入していましたが、居室での転倒を未然に防ぐことはできませんでした。WatchOverSmart導入後は抜け出しの予兆をお知らせしてくれるので、転倒率がゼロになりました。」
- 「体温がやや高く、管理画面で心拍数が高めだったため訪問診療医に連絡し、素早い対応ができました。」
- 「介護職員の定期巡視訪室の負担を軽減することができています。就寝中の邪魔にならず、プライバシーにも配慮できます。」
施設経営者様からの声
- 「特に夜勤巡視に関わる職員の負担が、大きく軽減できました。」
- 「見える化によって、業務内容の標準化と職員間のコミュニケーションを強化できました。」
- 「ICTを整備した働きやすい職場づくりで、人材確保にも有効です。」
- 「介護ロボット等導入支援補助金の対象機器となるため、導入コスト面での検討がしやすかったです。」
まとめ
人手不足や業務過多といった課題を抱える介護現場において、センサーを活用したICTの導入は不可欠な流れとなっています。中でも、予兆検知型という視点から離床行動を捉えるWatchOverSmartは、介護の「見守り」業務に革新をもたらすソリューションです。
利用者の安心、安全、そして職員の働きやすさを両立するこの製品は、単なるセンサー機器ではなく、介護現場全体の質を向上させる“しくみ”としての価値を備えています。
ぜひこの機会に、OKIの高齢者見守りソリューション 「WatchOverSmart」の導入をご検討ください。
各種ご相談や資料請求、さらに詳しいご説明については、お気軽にお問い合わせください。
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