海洋

沿岸監視(海洋自衛・警備/防犯)

沿岸漁業における密猟対策や、沿岸の重要施設(発電所などのプラント施設、空港、港湾、エネルギー基地など)のテロ対策強化など、水上・水中からの不審物や不審者の侵入を検知するニーズが高まっています。OKIは、水中音響技術やセンサーを用いた監視サービスの実現に向けて、国・自治体・企業との実証実験に取り組んでいます。

水中物体検出・侵入監視


偵察上陸、破壊工作など(テロ)を目的とした小規模勢力の侵入監視

船舶もダイバーも監視できる、OKIの水中音響センサー


センサー種類と監視対象

水上・水中からの侵入を検知するため、さまざまな監視センサーが用いられています。一例を挙げますと、

光学カメラ:監視に広く用いられていますが、水中の監視はできず、雨や雪など天候の影響も受けやすい機器と言えます。

アクティブソーナー:水中監視用のセンサーとして商品化されていますが、船舶を検知できないため、カメラやレーダーなどと組み合わせた運用が必要です。高額なこともあり、海軍や港湾施設の監視など特殊用途での利用に留まっています。

OKIの水中音響センサーは、対象物が放射する音を受信するパッシブソーナーです。船舶が放射するエンジン音やスクリュー音、ダイバーの呼吸音などを検知するため、昼夜を問わず、海面上の船舶と水中のダイバーの両方を監視でき、密漁監視としての活用を目指しています。

  • LiDAR(Light Detection and Ranging):光を使って物体の検知や距離を計測する技術

OKIの密漁監視サービスが目指す姿

OKIは水中音響センサーを用いて、さまざまな漁場環境や漁法に柔軟に適応できる密漁監視サービスの検討を進めています。

水中音響活用による密漁対策IoTサービスのご紹介[3分50秒]

システム構成

密漁を監視したい漁場に設置する水中音響センサー(パッシブソーナー)と、クラウドサーバーに構築する漁場情報データベース、密漁を検知して通報するソフトウェアで構成されます。

OKIはパッシブソーナーの技術ノウハウを数多く蓄積しており、その検知範囲はダイバーであれば数百m程度、放射音の大きい小型船では1km程度の距離を目指して開発しています。

システム構成

水中音響センサーの設置

小型船やダイバーの検知範囲が重なるように、水中音響センサーを数百m~数kmの間隔で漁場に配置します。密猟ダイバーは漁場に設置した水中音響センサーのいずれか1つのセンサーで検知し、密漁船は隣接する2つのセンサーで検知することができるように配置します。

水中音響センサーは、密漁船や密猟ダイバーの音を聞き分け、音の方向を計測することができます。複数のセンサーで同じ目標を検知していれば、各センサーが計測している方位線の交点を検知目標の位置として計測できます。


  • 水中音響センサーの配置例

  • 水中音響センサーによる目標検知

密漁検知と漁場に最適なサービス提供を目指して

養殖場イメージ

水中音響センサーが検知した目標情報(検知時刻、検知方位または検知位置など)のほか、漁業協同組合から提供される操業中の漁船の情報(場所や時間、漁期など)、官公庁から提供される密漁取締情報などを収集してクラウドサーバー上に漁場情報データベースを構築していきます。

これらのデータを分析し、漁場に侵入してきた船舶やダイバーを検知します。検知目標の動きから、密漁のために漁場に留まっている船舶やダイバー、密漁ダイバーや密漁物を運ぶために侵入してきた船舶などを判断し、あらかじめ設定しておいた通報先に密漁を通報します。密漁の検知から通報までのプロセスをソフトウェアが自動的に行うことで、密漁監視に要する監視員などの人的コストや労力を削減することができます。

現在、多くの漁場では、漁業関係者が目視で密漁者の監視を行っています。密漁の多くは発見が困難な夜間に発生しており、監視員への体力的な負担も大きい状況です。OKIは、海洋分野のSDGs(※)達成を支援し、漁業関係者の期待に応えられる密漁監視サービスの実現に向けて、開発を進めています。

  • SDGs(Sustainable Development Goals):持続可能な開発目標。2015年9月の国連サミットで採択された、2016年から2030年までの国際目標のこと。

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