異種PONシステムの収容制御技術

トラフィック量に応じて、最小の消費電力となるように装置の割当を実現

関連キーワード

光アクセス/PON/PtP/PtMP/APN/空孔コア光ファイバー

技術概要

テレワークなどの新たな生活様式の定着・進展や、超高精細映像の流通、生成AIなどを含む先端技術を活用したデジタルツイン社会の形成により、通信トラフィックは急速に増大しており、それに伴って消費電力の増加も課題となっています。こうした状況に対応するため、社会インフラとして、大容量かつ低消費電力の光通信網が必要とされています。
そこで、光アクセスネットワークの統合的な収容(資源)制御、大容量化、低消費電力化を実現するため、異種PONシステム(XGS-PON、25GS-PON、100G-WDM-PON)の収容切替技術の研究開発を行いました。この技術をモバイルシステムに適用した場合、(A)高トラフィック時は100G-WDM-PONで収容し、(B)中程度のトラフィック時は25GS-PONとXGS-PONで収容し、(C)低トラフィック時はXGS-PONのみで収容するようにトラフィック量に応じて収容を切替えることで、無駄な消費電力を削減することができます。なお、100G-WDM-PONはPoint-to-Point(PtP)、XGS-PONと25GS-PONはPoint-to-MultiPoint(PtMP)の通信となります。
また、協創企業であるライテラジャパン株式会社が開発したOバンド帯/Cバンド帯/Lバンド帯の広域にわたる波長帯で信号損失が小さい広帯域の空孔コア光ファイバー上で異種PONシステムの波長多重信号を伝送させ、問題がないことが確認できました。ここで、XGS-PONは下り1577nm/上り1270nm、25GS-PONは下り1358nm/上り1285nm、100G-WDM-PONは下り1561nm/上り1559nmの波長を使用しており、下り方向で1358nm/1561nm/1577nmの波長多重信号、上り方向で1270nm/1285nm/1561nmの波長多重信号を1本の空孔コア光ファイバーで双方向に伝送しました。

モバイルシステムに適用した異種PON収容システムの切替例
異種PONシステムのプロトタイプと空孔コア光ファイバーによる伝送実験

OKIならではの強みはなにか?

OKIでは、これまで培ってきた光アクセス技術とシステム設計の知見を活かし、異なる速度のPONシステム(XGS-PON、25GS-PON、100G-WDM-PON)において、トラフィック量を予測することで最適なシステム収容が可能となる切替制御を実現しました。この制御にはデータ信号に影響しない低周波数の信号を重畳するAMCC方式を実装し、オープンソースベースの管理ソフトウェアからAMCCを利用してユーザー装置(ONU)が扱う光波長を切り替えることで異なるPONシステムへの収容切替を実現します。この収容切替により、無駄な電力が削減でき、理論上は従来の1/10まで消費電力を低減できる低消費電力の光アクセスシステム(FTTHxサービス)を提供します。また、トラフィックの変動量をAIにより予測するため、自動的に低消費電力となる最適なPONシステムを選択できます。

空孔コア光ファイバーを利用した異種PON収容システムの構成概要

想定される市場領域は?

本技術は通信キャリア(国内ではNTT、海外ではAT&Tなど)が提供する通信サービスを実現するオールフォトニックネットワーク(APN)の市場における家庭向け・法人向けのFTTx市場やモバイル市場の領域に適用します。

想定される市場でのアクセスネットワーク構成

今後のビジョン

今後、SDGs目標である2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、社会基盤の再構築に貢献します。具体的には次世代のPONシステムに加え、空孔コア光ファイバーの特長を活かしたユースケースの研究など、さらなる研究開発および商品開発に取り組み、100G-PONの実用化およびIOWN®サービスで必要とされるアクセスシステムの実用化を目指します。

注釈

※1 「空孔コア光ファイバー」は、コアが空洞の光ファイバーであり、光信号を伝送する媒体は空気になります。波長分散や非線形現象を極めて小さくすることが可能であるため、波形劣化が起きにくい特長があります。また、伝送遅延がシングルモードファイバー(現在、敷設されている光ファイバー)の2/3となります。
技術資料はこちら(PDF・1.8MB:外部サイト)

※2 光の波長帯
 ・Oバンド:1260nm~1360nmの波長、PONで使用される波長
 ・Cバンド:1530nm~1565nmの波長、Dense WDM(DWDM)伝送で使われる波長
 ・Lバンド:1565nm~1625nmの波長、DWDM伝送で使われる波長

※3 本技術は総務省委託研究「グリーン社会に資する先端光伝送技術の研究開発(JPMI00316)」の成果を含みます。

※4 「IOWN®」はNTT株式会社の登録商標です。

※5 その他、本文に記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。

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