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コラム2025年04月11日

【2025年最新】工場におけるカーボンフットプリント算出を効率化 - 無線センサー導入のススメ

カーボンニュートラルの実現に向けて企業が取り組むべき重要な指標、カーボンフットプリント(CFP)。

CFPの算定には、商品やサービスのライフサイクル全体「原材料の入手・設計・生産・輸送・配送・使用・使用後の処理等」でCO2排出量の測定が必要ですが、「生産」段階でCO2排出量の算定を生産ラインごと、製品の種別ごとに行う場合、設備導入の手間やコストが課題となっています。

そこで今回は、CFPの概要に加えて、複雑化する工場設備を簡略化する無線センサーの導入効果を解説します。

目次

カーボンフットプリント(CFP)とは?その役割と企業が取り組む意義

深刻化する地球温暖化への対策として、企業はこれまで以上に環境への配慮が求められています。中でも、「カーボンフットプリント(CFP)」は、自社の製品やサービスがどれだけ温室効果ガスを排出しているのかを可視化する重要な指標として、注目されています。

カーボンフットプリント(CFP)とは?

カーボンフットプリント(CFP:Carbon Footprint of Products)とは、製品やサービスの原材料調達から製造、流通、使用、廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクルアセスメント(LCA)の観点で排出された温室効果ガス(GHG)の量を、CO2排出量に換算して表示するものです。CFPを計測することで、商品やサービスの環境負荷を定量的に把握できるようになります。

カーボンニュートラルの実現にはCFPが不可欠であり、世界各国でもCFPが推進されています(TCFD:気候関連財務情報開示タスクフォース 最終報告書/ISO 14067など)。日本政府もCFPガイドラインを作成・開示し、企業に対してCFPの取り組みを促しています。

カーボンフットプリント(CFP)の役割

CFPが担う主な役割は、以下の通りです。

  • 環境負荷の可視化: 製品やサービスがどの工程でどれだけの温室効果ガスを排出しているのかを明らかにし、環境負荷を可視化する
  • 削減目標の設定: 排出量削減に向けた具体的な削減目標を設定するための指標となる
  • サプライチェーン全体の改善: サプライチェーン全体の排出量を把握できることで、取引先と連携した改善活動を促進
  • 消費者の選択を支援: 製品やサービスの環境情報を消費者に提供し、環境に配慮した製品選択を支援
  • 企業の信頼性向上: 環境への取り組みをアピールすることで、企業の信頼性向上やブランドイメージ向上に貢献

カーボンフットプリント(CFP)に取り組む意義

CFPの算出と情報開示は、企業が環境責任を果たす上で不可欠な取り組みとなっています。

  • 脱炭素社会への貢献: 温室効果ガス排出量削減に貢献し、地球温暖化対策に積極的に取り組む姿勢が示せる
  • 環境規制への対応: 今後ますます厳しくなる環境規制に対応し、事業リスクを低減する
  • 競争力の強化: 環境意識の高い消費者や取引先からの評価を高め、競争優位性を確立
  • コスト削減: エネルギー効率改善や資源の有効活用により、コスト削減につながる

工場設備が複雑化?カーボンフットプリントの課題とは

生産ラインごとのCO2排出量算出における課題

工場におけるCO2排出量の大部分は、生産設備の稼働によるものです。そのため、CFP算出の精度を高めるには、生産ラインごとのCO2排出量を詳細に把握する必要があります。

従来、各設備の電力消費量を計測するためには、有線センサーの設置が必要でした。しかし、有線センサーの導入には、以下のような課題が存在します。

  • 設置場所の制約: センサーの設置場所がケーブルの長さや配線ルートにより制限されてしまう
  • 配線工事の複雑さとコスト: 工場内の複雑なレイアウトに合わせて配線工事を行うには、多大な時間とコストがかかる
  • レイアウト変更の柔軟性が低下: 生産ラインのレイアウト変更を行うたびに配線工事が必要となるため、生産体制の柔軟性を阻害する
  • データ収集のリアルタイム性: 有線センサーではデータ収集にタイムラグが生じることがあり、リアルタイムな状況把握および迅速な対策が難しい場合がある

これらが多くの企業でCFP対応が進められない要因となっており、より効率的で柔軟な実現方法が求められています。

配線レスでさまざまなコストを大きく削減!無線センサーネットワークのメリットとは?

前述の課題解決手法として、近年注目されているのが「無線センサーネットワーク」の活用です。

CFPで収集が必要なデータは、CO2排出量を把握するための生産ライン・設備単位での電力使用量です。無線センサーネットワークは、無線通信技術を用いてセンサーをネットワーク化することで、配線工事やレイアント変更のコストを大幅に削減。データ収集のリアルタイム性も向上させることができます。

また、有線では多数のセンサーを接続しようとすると膨大な配線が必要になりますが、無線センサーネットワークであれば複雑な配線なしで多数接続も可能。導入コストを大幅にカットしつつ、CFP算定に必要なデータ収集を効率的に行うことができます。

無線センサーネットワークによるCFP算出ステップ

無線センサーネットワークを活用することで、生産ラインごとのCO2排出量を詳細かつリアルタイムに算出できます。具体的には、以下の手順でCFP算出を行います。

  1. センサー設置: 各生産設備に無線センサーを設置し、電力消費量を計測します。
  2. データ収集: センサーから収集されたデータは、無線ネットワークを通じてクラウドに送信されます。
  3. データ分析: クラウドに蓄積されたデータを分析し、生産ラインごとのCO2排出量を算出します。
  4. 可視化とレポーティング: 算出されたCO2排出量をダッシュボードなどで可視化し、レポーティング機能を用いて報告書を作成します。
  5. 改善策の検討: データ分析の結果に基づき、CO2排出量削減のための改善策を検討し、実施します。

OKIが提供する「カーボンニュートラル 無線見える化パッケージ」

OKIが提供する「カーボンニュートラル 無線見える化パッケージ」は、920MHz帯マルチホップ無線 SmartHopの技術を用いた無線センサーネットワークを活用し、企業のCO2排出量可視化の実現を支援します。

主な特長は、次の通りです。

  • 容易な導入と設置: 複雑な配線工事が不要、短期間かつ低コストで導入可能
  • 設置場所の自由度: 有線の制約がなく、工場のさまざまな場所にセンサーを設置することが可能
  • 広範囲なカバレッジ: 多数のセンサーを効率的に接続できる無線ネットワークで工場内の広範囲なエリアをカバーできる
  • 柔軟なレイアウト変更に対応: 生産ラインのレイアウト変更にも柔軟に対応でき、生産効率の向上に貢献
  • リアルタイムなデータ収集と可視化: センサーから収集されたデータはリアルタイムでクラウドに送信され、CO2排出量を可視化することで、迅速な対策が可能に

まとめ

カーボンニュートラルの実現に向けて、企業には事業活動における環境負荷低減への取り組みが強く求められています。しかし、CFP算定に向けたデータ収集のための設備導入は、生産工場を運営する企業の大きな課題です。

今回ご紹介した無線センサーネットワークは、設備導入のコストを大幅に削減し、データ収集を効率化する、課題解決に最適なソリューションです。

OKIの「カーボンニュートラル 無線見える化パッケージ」は、容易な導入とリアルタイムなデータ収集により、企業のCFP算出を強力にサポートします。CO2排出量削減に取り組む企業は、ぜひ無線センサーネットワークの導入をご検討ください。

OKIの「カーボンニュートラル 無線見える化パッケージ」について、詳細な製品情報や資料請求、見積など各種ご相談は、コチラまでお気軽にお問い合わせください。

<関連情報>
・OKIのカーボンニュートラル 無線見える化パッケージ
https://www.oki.com/jp/920M/solution/example_7.html

参考:環境省・経済産業省「カーボンフットプリント・ガイドライン」(2023/3/31)
https://www.env.go.jp/press/press_01409.html

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