2024年3月11日
OKIは、南海電気鉄道株式会社(本社:大阪市浪速区、代表取締役社長:岡嶋 信行、以下南海電鉄)が2024年3月15日より実施するAIを用いた踏切異常検知の導入試験に、丸紅ネットワークソリューションズ株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:小林 徹、以下丸紅ネットワーク)とともに参加します。本試験では、OKIと丸紅ネットワークが共同開発した「踏切滞留AI検知システム」を用いて、人道踏切(注1)に既設されている監視カメラの映像をリアルタイムにAI画像処理し、踏切内に滞留する人や自転車を検知します。滞留を検知した際は連動する特殊信号発光機(注2)により接近する列車の運転手に異常を知らせ、踏切事故の未然防止につなげます。南海電鉄では本試験での検証を経て、2024年度以降に本システムの本格導入を目指します。
踏切事故の発生は、列車の運休や遅れなどを引き起こし、多くの乗客に影響を及ぼします。踏切の安全対策としては従来、車を対象とした障害物検知装置(注3)がありますが、今回は人道踏切において、人や自転車を対象とした滞留検知の試験を実施します。
「踏切滞留AI検知システム」は、骨格検知技術やAIエッジ技術などを活用し、踏切に設置したカメラの映像をその場で高精度かつリアルタイムにAI画像処理することで、踏切遮断桿降下後に踏切内に滞留する人や自転車を検知するシステムです。現地の特殊信号発光機と連動させることで、滞留検知から指令所などへの発報、さらには運転手への停止信号現示までをワンストップで実現し、踏切事故の未然防止を支援します。なお今回の実験では、人道踏切の監視用に既設されている監視カメラを使用することで、新規のカメラ設置を不要とし、容易かつ安価なシステム導入を可能としました。
踏切滞留AI検知システムの概要図
自動車は通行不可で人や自転車が主に通行する踏切のこと。
踏切道内などにおける異常を列車の運転士へ伝える信号。異常発生時に動作して停止信号を現示する。
踏切内の支障物(自動車)を自動的に検知して、踏切道内における異常を列車の運転士へ伝える保安設備のこと。
プログラマブルロジックコントローラーの略称。リレー接点を中継、制御する。