OKIグループの商品・サービスにより課題を解決された
お客さまの声や、共創への取り組みをご紹介します。
てまひま堂 IT・広告課 主任
久保 佑樹 氏
南九州で家庭の滋養食として古くから作られてきた「にんにく卵黄」は、いまや多くの企業が製造・販売する“サプリメント”として広く知られています。
そのにんにく卵黄の売上シェアで上位に位置するてまひま堂様は、『あくなき本物の追求』を経営理念に掲げ、原材料にも製造方法にも製造品質にもこだわり、社名の通り手間と時間(ひま)をかけた“本物の製品”づくりに心血を注いでいます。
試行錯誤を重ねて完成させ2002年から販売開始した「229-55」は、モンドセレクション金賞にも輝いた世界が認める高品質な商品です。選び抜いた国産の上質素材――青森県上北郡産で厳格な検査を経て仕入れたにんにくと宮崎県霧島山麓にある「たまご牧場」の有精卵のみを使い、自社の工場において手作りに近い独自製法で生産しています。「見た目も味も品質も業界トップだと自負しています」と、IT・広告課 主任の久保 佑樹氏は語ります。
さらに同氏は、「製品に関する情報開示の取り組みでも他社をリードしています」と付け加えます。取り組みの中でも代表的な施策が、原材料の加工から製造・発送までの各工程を一般のお客様が間近で見ることのできる「工場見学ツアー」の実施で、来場者数は2015年10月に1万5000人を見事突破し、この3月には2万人に達する見込みです。
てまひま堂様では長年、アウトバウンド・テレマーケティング(注3) によって新規のお客様獲得を進めてきました。加えて近年は、テレビCMをはじめとしたマス広告からのインバウンド受注も着実に実績を積み上げています。
久保氏は「インバウンド業務は従来、既存のお客様からの注文内容変更や問い合わせなどの受付対応が主体だったので、創業当初から一般事務で使っていたビジネスホンをコンタクトセンターにも流用し、簡易なCTIシステム(注4) を組み合わせて通信販売管理システムと連携させていました」と、以前のシステム概要を説明します。ちなみにアウトバウンド業務では別の音声通話環境を利用し、通信販売管理システムでお客様情報を共有する仕組みにしていました。
新規のお客様からの電話注文が増えるにつれて、コンタクトセンターの業務現場では課題が浮き彫りになっていきました。久保氏は、「お客様からのご注文をより多く受けられるよう、オペレーターの状態をリアルタイムに把握したい、スキル向上の教育を強化したいといった声が管理者から上がってきましたし、電話着信の振り分けやオペレーターの後処理作業の効率化も求められていました。しかし、従来のシステムではそうした要望をかなえることができませんでした」と話します。
従来のシステムから新たな仕組みの導入を模索し始めた折り、外部のコンタクトセンターを見学する機会があり、専用システムの運用シーンを目にし、強い関心を持ちました。より深い知識を得るべく、東京で開催されたコンタクトセンターの専門展示会に足を運んだのが2014年11月。その会場で初めて「CTstage 6Mi」を知りました。久保氏は「実は、最初に見た他ベンダーの製品が目当てだったのですが、たまたま立ち寄ったOKIのブースで展示されていたCTstage®の機能や納入実績などについて、興味深い話をいろいろ聞くことができました」と振り返ります。
本格的なシステム選定では、OKIを含むベンダー4社の製品を候補に挙げ、実機によるデモも交えて比較検討しました。そして最終的に選んだ製品が「CTstage 6Mi」でした。
久保氏は、採用決定したポイントを次のように語ります。「社内で実施したデモでは、コンタクトセンターの管理スタッフにも各社のシステムを実体験してもらいましたが、CTstageは使いやすさに関して一番好評でした。モニタリングやレポートの機能についても『実際の活用場面を思い浮かべられる』と評価する声があがっていました。システムの拡張性や運用の柔軟性などの要件を満たしていただけでなく、利用現場からの視点で最も高評価だったことが、採用の決め手になりました」。
導入に着手したのは2015年8月。同年11月3日の休業日にシステムを移行し翌4日から運用開始することを決め、タイトなスケジュールの中で作業は着々と進められていきました。
システム構築においては、既存の通信販売管理システムと「CTstage 6Mi」をうまく連携させられるかどうかが懸念されましたが、ソフトウェアに手を加えることなく、OKI側でインターフェースを作り込むだけで容易に実現できました。
他方で、新システムによってリアルタイムなモニタリングや細かな統計数値の把握が可能になることについて、オペレーターの“誤解”を招かないよう、「業務管理の強化が目的ではなく、あくまでお客様によりよいサービスを提供するため、今まで把握できなかった数字で自分たちの弱点を正確に分析し改善していくためのシステム更新であることをしっかりと説明し、オペレーターの理解を得ることに努めました」と、久保氏は話します。
「CTstage 6Mi」の配下には、オペレーター用端末100台に加えて、既設のビジネスホンもゲートウェイを介して収容されています。外線にはお客様からのフリーダイヤルだけでなく代表電話も割り当てており、社内あての電話はオペレーターが一次応対した後、各部門に設置されているビジネスホン配下の電話機に転送されます。こうしたオペレーターの電話取次業務は、従来システムでも行われていました。つまり、電話応対に関する社内の業務分担を一切変えることなく、新システムへの移行を成功させたわけです。
「CTstage 6Mi」は、オペレーター教育・育成面で積極活用され大きな効果を生んでいます。たとえば、リアルタイムな通話モニタリングによって電話応対への指導・アドバイスをタイムリーかつ的確に行えるようになりました。また、席ごとの稼働状況や実績統計などの細かな数値は、オペレーターごとのスキル分析、教育プランの策定に役立っています。
業務効率化の側面では、オペレーター1人当たりの電話応対数の増加が明確な数値で表れています。コンタクトセンター全体での電話応答率も95%に向上しました。久保氏は、「理由はまだ分析しきれていませんが」と前置きしたうえで、システムの運用開始後に行ったカスタマイズで応対に関する各種情報の入力やデータ検索に工夫を凝らし、通話終了後の処理時間が短縮されたことが1つの要因と見ています。
このほか「休業日対応などの設定を社内で自由に変更できるようになったことも導入効果の1つです」と、久保氏は話します。従来は休業日のたびに設定および解除の二度の作業をベンダーに依頼していたため、手間も時間もかかっていましたが、今はシステム運用に関して臨機応変な対応も可能になりました。
久保氏は今後の展開について、「当社としては、将来的に新規のお客様獲得をインバウンドに集約していきたい考えがあります」と明かします。そうしたチャネルのシフトに合わせて、「CTstage 6Mi」の収容端末を増やしオペレーター席も拡張していく計画です。
また、通信販売管理システムを含む基幹システムについて、既存のお客様に対するフォローやCRMの強化を視野に入れた刷新を予定しており、「その際には、基幹システム上にあるお客様の問い合わせ履歴をクリックすると録音した通話内容が聞けるといったような、CTstageと連携した仕組みも実現したいと思っています」と、久保氏は構想を語ります。そして「CTstage 6Mi」のさらなる有効活用に向けて「OKIには今後も積極的な提案、アドバイス、サポートをしてほしい」と望んでいます。
テレビ、新聞、雑誌、ラジオの4つのメディアを使った広告のこと。
マスメディアは不特定多数の大衆を対象とするメディアで、さまざまな広い層に対して一度に情報を届けることができる。
お客様からの電話や来訪などを受け付ける形態の業務。
顧客または見込み客に電話発信するテレマーケティング。見込み客探しなどの営業フォロー、ダイレクトメールフォロー、各種キャンペーンなどの案内、アフターサービスなど広範囲な活用が行われている。
電話とコンピューターの統合システム。
電話がかかってきた際に、電話の着信音(呼出音)と同時にそのお客様情報をパソコンに表示させるもの。
2017年2月27日