No.239 AIエッジを強化する技術

AIエッジを強化する技術

OKIは2020年10月に「中期経営計画2022」を策定し、2021年1月に「イノベーション戦略」を発表しました。
本号では、「中期経営計画2022」の中で掲げた社会インフラを高度化する注力技術「AIエッジ」について紹介しています。社会課題を解決に導き、安全・安心で持続可能な社会へ貢献する技術を取り上げました。
「イノベーション戦略」では注力分野を定め、分野ごとに目指す姿に向かうイノベーション・ロードマップを作成し、中長期的な事業創出を進めています。イノベーション・マネジメントシステム「Yume Pro」により効率的にイノベーション活動を行い、パートナーとの共創も進めています。また、AIエッジの社会実装の観点では、人財・ガバナンス視点でAI環境整備を進めています。
今後もOKIは、「全員参加型イノベーション」により、さまざまな社会課題を解決するソリューションを創出し、「社会の大丈夫をつくっていく。」を実現していきます。

巻頭言

総合報告

OKIは2020年からは、エッジにAIを中心とするデジタル化の急速な発展を取り込む「AIエッジ」を注力技術と定め、強化する戦略をとっている。本稿では注力技術「AIエッジ」と、それを強化する五つの技術領域の研究開発概要を紹介する。

センシング領域

AIエッジを支えるセンシング技術領域の三つの研究項目「フォトニクスによる高度センサー」「リアルタイムAIビジョン高度化」「フュージョンによる高信頼センシング」で解決すべき社会課題・現場課題と各技術の特長を紹介する。

キーワード:センシング、光センサー、コンピュータービジョン、音響センシング

次世代火力発電に代表される超高温設備の連続的、かつ広範囲なオンライン監視システムを実現するために、測定時間1秒、空間分解能10cmで測定可能な光ファイバーセンサーを開発した。本稿では、この「次世代超高温設備の革新的オンライン監視システム」と、「光ファイバー分布温度センサー」の開発を紹介する。

キーワード:光ファイバー温度・歪みセンサー、次世代火力発電、カーボンニュートラル、社会インフラモニタリング

人手作業が欠かせない製造現場で、より高度な品質確保や工程管理などを実現するため、画像センシングを用いた作業者の詳細な行動認識技術を紹介する。

キーワード:画像センシング、製造現場、行動認識

OKIは、電源工事、通信配線工事が不要で設置容易性に優れた「ゼロエナジーゲートウェイ」を2021年3月に、販売を開始している。本稿はその追加ラインアップとして高感度カメラ付について紹介する。

キーワード:IoT、インフラモニタリング、ゲートウェイ、920MHz無線、省電力、高感度カメラ

ネットワーク領域

IoT機器を踏み台として組織内部に不正侵入される事例が問題となっている。本稿では、IoT機器の通信トラフィックの特徴を分析し不正侵入などの脅威を検知するシステムを紹介する。

キーワード:ネットワークエッジ、IoTセキュリティ、NDR、AE2100、VPU

インテリジェンス領域

OKIは現場の近くで稼働する業務特化型AI(AIエッジ)に注力している。本稿ではこのAIエッジ向けに研究開発中のディープラーニング技術である分布外検知、少データ学習、モデル軽量化の三つの技術を紹介する。

キーワード:ディープラーニング、分布外検知、少データ学習、モデル軽量化

OKIは、AI間の相互作用により新たな価値を生み出す「AI協調」の研究開発を行っている。本稿ではトラック輸送業界の課題解決を例に、自動交渉を用いてAI協調を実現するアイディアについて述べる。

キーワード:AI協調、自動交渉、物流

近年ではエッジデバイスでの高速かつ省電力なAIシステム実現方法の一例として、FPGAデバイスを活用したシステム開発が挙げられる。本稿ではFPGAアクセラレーションに適したAIモデルの評価・検討結果を報告する。

キーワード:FPGA、AI

現在、AI需要の急増によりAIを扱える人材が不足している。本稿では、AI人材育成のためCommunity of practice(CoP)という概念を取り入れたAI教育の手法と、課題解決実践の具体的事例を紹介する。

キーワード:AI、教育、CoP

ユーザーエクスペリエンス領域

ハイブリッドワークの生産性向上に求められるワーカーの行動を、労働時間削減と成果増大の観点から明らかにし、これを定着させるための行動変容技術、および同技術の活用例としてオフィスでの階段利用促進実験を紹介する。

キーワード:行動変容、生産性、プレゼンティーズム、交流、働き方、ハイブリッドワーク、階段、心理的安全性

関連商品/技術サイトページ

新商品概要/トピックス

「社会の大丈夫をつくっていく。」OKIのテクノロジー

光ファイバーケーブルを利用した高分解能・リアルタイムセンシングを実現。[2分22秒]

光ファイバーケーブルに外部から物理的な刺激が加わると、散乱光が変化します。この散乱光をセンシングに利用し、光通信技術を組み合わせて商品化されたのが光ファイバー温度・歪み(ひずみ)センサーです。そのOKI独自技術をブラッシュアップし、新たな視点で社会課題の解決に挑む技術者を紹介します。

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