オフィスをターゲットにしたコンピュータ・テレフォニー統合システム「CTSTAGE」を開発した。本システムは、PCベースのハードウェアにWindowsNTをOSとしたオープンなシステムである。ボイスメール、電子メール、FAXメールを統合し、オフィスのコミュニケーションの効率化を実現した。
情報化社会においては、企業内の情報の分散化、共有化が進み、それを支えるネットワークシステムの重要性がますます高くなっている。当社は、企業インフラであるネットワークシステムを構築するためのソリューションとして、ネットワークコンポーネントだけでなくネットワークSIを重要視している。ネットワークSIサービスにおいて、ユーザ業務に最適なネットワークシステムの構築を的確に遂行し、ユーザに満足されるサービスを提供するために、ネットワークに関する当社の高度な技術とノウハウを集約したOKIネットワークSI方法論を確立し、実践している。
公専公接続の自由化に伴い、通信コストの削減および新サービスへの期待が高まっている。公専公接続サービスの中核に位置づけられるPBXに対する機能は、高度でかつ多様なものになってきている。
この要求に応えるため、当社の大容量PBX(iOX1600シリーズ)をベースとして、ID管理装置および料金管理装置を含めた企業内ネットワークにおける公専公接続システムを開発した。本システムは、ネットワーク・セキュリティ機能の充実および既存ネットワークとの親和性を実現している。
第二世代コードレス電話システムに使用されるPHS端末の軽量化、小型化が促進されつつある中、携帯・移動の利便性の向上がユーザより強く求められている。これらの要求に応えるため、iOX200シリーズ構内電子交換機を複数の事業所コードレスシステム間で接続し、移動するPHS端末に対する発信、着信(自動追跡)転送等により一体的なサービスを提供する「事業所PHSローミング」システムを実現した。
企業内LANの高速バックボーンネットワークとして、ATMとファーストイーサネットの性能比較を行い、ATMの有効性を検証している。また、ATM技術の標準化動向を整理し、現時点で実用的なネットワーク構成を提案している。この構成に従って、実際に構築したATM-LANシステムの事例を紹介している。
昨今データ系のネットワークとして数多くの企業内LANが構築されている。また、インターネットに代表される広域コンピュータネットワークが国際的規模で発展している。我々はこうしたデータ系のインフラと公衆電話網に代表される音声系のインフラを一元化し、効率的なネットワークを構築したいという市場要求に応えるべく、元来リアルタイム通信に不向きとされてきたLANへの音声収容に挑戦し、来るべき本格的マルチメディア時代に向けた音声・データ統合通信を実現するシステム‘VOICEHUB’を開発した。本稿では、その開発のねらい・装置概要・期待効果、今後の展開を述べる。
需要が拡大しているディジタル伝送システムの導入においては、その伝送システムを監視・制御するためのコストパフォーマンスに優れたネットワーク管理システムを早く提供できることが重要である。近年の急速なPC(パソコン)の性能向上、低価格化を背景として、PCを用いて複数の伝送システムを総合的に監視するPC統合監視システムを開発した。本システムは、個々の伝送システムを監視・制御するPCと、その上位に位置し、全体を監視するPCをネットワークを介して接続したものであり、安価で拡張性のあるシステム構築が可能である。
汎用メディアサーバOKI Media Serverの後継システムとして、DAVIC規格に準拠するOKI Media Server V2を開発した。OKI Media Server V2は、汎用コンピュータシステム上で動作するビデオサーバという特徴を継承するとともに、ビデオ・オン・デマンドシステムの標準であるDAVIC規格に準拠する高機能なシステムである。また、WindowsNTサーバのサポート、DVDチェンジャの利用等により、大幅なコストパフォーマンスの向上を実現している。
騒音環境においてもロバストな発話理解システムを実現するために、音響処理およびセンサフュージョンという2つのアプローチで技術開発を進めている。本稿では、(1)音響処理として混合音声の中からそれぞれの話者の音声を分離する音響ストリーム分離システム、(2)センサフュージョンとして画像中から唇の動き情報を抽出するシステムと、抽出された情報を用いた単語認識システムについて述べる。
近年、ノンパラメトリックな統計的パターン認識の一手法として、ファジィ識別システムに関する研究が種々なされている。ファジィ識別システムは、ファジィルールによりパターン空間における対象パターンの分布を記述したものであり、非線形な識別境界や学習パターンのリジェクトを容易に実現できる。しかし、従来の自動獲得手法では、システムのパラメータ数と設計時間とがトレードオフの関係にあるという問題があった。
本稿では、比較的短時間の学習で適切なファジィルールを生成できる、自己組織化特徴マップを用いた新しいファジィ識別システムを提案し、その有用性をパターン認識の例題として有名なFisherのアヤメ識別問題により示す。
目標から放射される信号の到来方位と到来周波数を観測し、その目標の位置や速度を安定に推定する、カルマンフィルタの原理に基づいた新しい目標運動解析方法を提案する。目標運動解析では、カルマンフィルタを非線形問題に拡張した拡張カルマンフィルタが広く用いられている。しかし、方位だけでなく周波数情報を用いる場合にはシステムの非線形性が非常に強くなり、発散するといった問題が生じることがある。本稿では、発散が非線形関数の線形近似による誤差が蓄積されていくことにより生じることを示し、この不安定性を防ぐために、コスト最小化の概念を導入した新しいアルゴリズム(非線形性補償拡張カルマンフィルタ)を提案する。さらに開発したアルゴリズムを目標運動解析に適用し、従来法に対して推定値の発散が抑制でき、性能が大幅に改善されることを示す。
超磁歪材料の非線形特性を明らかにするため、コイルに入力する励振電流を可変としてインピーダンスを測定し、動インピーダンスを用いた等価回路解析を行った。その結果、力係数、コンプライアンス、等価機械抵抗等の等価回路定数を励振電流の関数として導くことができた。励振振幅が大きくなるにつれて、それぞれの等価回路定数が大きくなる。電気機械変換効率も励振振幅の大きなときにより大きくなり、90.7%に達する。
最小設計寸法0.25ミクロン以下のロジックデバイスでは微細化と高集積化が進む結果、配線による遅延がデバイスの性能向上を妨げること、電流密度が増加するためエレクトロマイグレーション(EM)による信頼性が低下することが問題になる。このため、Al合金にかわる低抵抗高信頼性配線材料としてCuが有望視されている。しかし銅配線のEM劣化機構は明らかになっていなかった。我々は銅配線の劣化機構を調べ、銅配線の使用限界を示した。さらに信頼性向上の検討を行い銅合金配線を提案し、配線に適した材料としてCu-Zr合金を選び配線を形成し、最小設計寸法0.25ミクロン以下のロジックデバイスの使用条件で十分なEM信頼性を得た。
将来のマルチメディア情報化社会の到来に向けて、基幹系光通信システムの超高速大容量化は必要不可欠である。その中の1つのキーデバイスは、光変調器である。本稿では、数十ギガビット光通信システム対応の高速光変調を目的に開発した、反射型(二重通過型)電界吸収光強度変調器について、初めに、その特性を理論的に論ずる。次に、作製した素子の静特性および動特性を評価し、10dB消光電圧1V、変調帯域20GHz以上を達成するとともに、従来の変調器と比べて変調帯域・動作電圧比を2倍に向上したことを報告する。
ITU-T標準SDH(Synchronous Digital Hierarchy)に準拠した2.5Gbit/s光伝送モジュールを構成するキーデバイスとして、-5.2V単一電源で動作する5品種のICを、シリコンバイポーラプロセスを用いて開発し、良好な結果を得た。
これらのICの開発にあたっては、主信号系は高速動作を重視した設計を行い、制御信号系は高機能性、低消費電力性の点で最適化設計を行った。開発したICのうち、アナログ系IC2品種は受光素子モジュールへのベアチップ実装による組み込みを基本とし、他の3品種は高周波特性に優れたICパッケージに実装した。
マルチメディアの進展に伴い、ディジタル光通信システムはその適用範囲を拡大しつつある。したがって、光受信器に対しては高感度・広ダイナミックレンジ化のみならず、小型・低消費電力化の要求が高い。当社では、GaAs BP-MESFETプロセスを用いて低雑音・広ダイナミックレンジ特性を有する+3.3V単一電源動作前置増幅器ICを開発し、InGaAs PIN-PDと一体実装することで最小受光電力-39.8dBm、ダイナミックレンジ39.8dB、InGaAs APDと一体実装することで最小受光電力-48.0dBm、ダイナミックレンジ42.0dBを有する受光モジュールを実現した。
通信装置の高速実装系のコア・コンポーネントである、高速ディジタル信号を伝送可能としたプリント基板を開発した。信号伝送劣化を最小限にするため、低誘電率・低誘電正接の基材を開発し、特性インピーダンス精度は±5%以下を実現した。本プリント基板は、通信装置の標準実装方式であるブックシェルフ実装内で、600Mbit/sの高速信号伝送が可能である。また、開発した技術を応用し、22年間の長期信頼性を満足する26層の高多層・線路幅0.1mmの高密度プリント基板の量産供給を実現した。
しきい電圧とその基板バイアス効果から不純物プロファイルを求めるインバースモデリング技術を用いて、深さ方向のMOSFETチャネルプロファイルを抽出する方法を開発した。特に、本手法を用いて得られた不純物プロファイルの一意性についてシミュレーションにより検証した。結果として、基板バイアスにより空乏層が変化する範囲では、不純物プロファイルを一意に決定できることがわかった。応用例として、本手法を実デバイスに適用した結果、実測値と良く一致した。本手法は、実デバイスの不純物プロファイルを高精度に抽出できる有効な手段である。
表面実装型LSIパッケージの問題点は、リフロー時のパッケージクラック現象である。LSIの高集積化に伴う大チップ化により、リフロー時に発生する応力の増加が主な原因である。64MDRAM対応モールド樹脂開発に当たり、上記の発生応力を低減させる方法として、高密着化および低吸湿化を検討した。これらの方法により生じる懸案事項は、(1)高温放置特性低下、(2)成形性低下が予想された。我々は、モールド樹脂各成分の量や種類の最適化により、通常の保管方法、リフロー条件ではパッケージクラックの発生がなく、高信頼性のモールド樹脂を開発し、64MDRAMの高品質化に寄与することができた。
プリンタの低価格化、高解像度化に伴い、内蔵アウトラインフォントの低容量化と展開処理の高速化が求められている。しかし、すでに開発したTrueTypeフォント/ラスタライザ(展開処理系)では、フォントサイズ、処理速度とも大幅な改善を行うことは困難であることが判明した。そこで筆者らは独自フォーマットのアウトラインフォント/ラスタライザを開発した。試作した独自フォーマットフォント/ラスタライザは、フォントサイズでTrueTypeフォントの約70%のサイズ、描画速度でTrueTypeの約2倍の速度を達成することができた。本稿では独自フォーマットで採用したフォントフォーマットとラスタライザの処理内容について述べる。
光造形技術を射出成形品の試作部品製造に応用したシステムの構築、および試作製造方法に関する技術開発を行った。本開発により、3次元CADシステムで設計されたデータから精度の高い立体モデルを直接製作することが可能となった。また、光造形で製作した光造形型の実用化技術を開発し、光造形品と射出成形品を貼り合わせた複合品を試作部品とすることで、量産品と同一レベルの試作製造を可能にした。そして、その中で試作品の評価精度向上の手法を確立した。

Contact

OKIの技術への
ご相談は
こちらから。

ご意見、
お問い合わせを
お待ちしております。

OKIへのお問い合わせ、
いつでもお待ちしております。