シリコンフォトニクス技術
シリコンを主材料とした超微細な光集積回路技術
関連キーワード
シリコンフォトニクス / 光集積回路 / 波長フィルター / 光センシング / 光通信モジュール
技術概要
2000年代に入ると、大規模集積電子デバイスと同様の着想で、シリコンを光導波路層、すなわち光配線に用いるシリコンフォトニクスが脚光を浴びるようになり、大規模光集積回路の実現に向けた研究開発が活発に行われるようになりました。現在では、データセンター向けの通信モジュール規格であるQuad Small Form Factor Pluggable Double Density (QSFP-DD)で規定されたモジュールサイズを、シリコンフォトニクスによる光集積回路で実現するなど、光デバイスの小型化・高密度集積化を強力に推進する中核技術となっています。
OKIならではの強みはなにか?
アクセスネットワーク向け光通信モジュールの研究開発で培った波長フィルタリング技術などシリコンフォトニクス製造工場が提供しない光集積回路素子に強みがあります。一例を挙げると、OKIが開発した光を特定の波長に分けたり、逆に特定の波長の光を合成したりできるアレイ導波路回折格子(Arrayed Waveguide Grating:AWG)は、小型化を実現し100 GHz(0.8nm)グリッド、8波長分割、挿入損失1.2 dBとシリコンフォトニクスデバイスとしては優秀な性能を持っています。
想定される市場領域は?
光通信網や光を用いたセンシング市場など様々な市場に適用可能な技術です。光通信網においては、光アクセスネットワーク向けの光通信モジュールへの適用を目指し、研究開発を行っています。光を用いたセンシング市場においては、光ファイバーを用いて振動を計測する光ファイバーセンサー、空間にレーザー光を飛ばすことで振動計測するレーザー振動計、バイオ物質を検知する光バイオセンサーに適用するべく研究開発を行っています。
今後のビジョン
光を用いたセンシング市場においては、光ファイバーセンサーやレーザー振動計などにおける光回路部分をシリコンフォトニクス技術と融合することにより、各々の機器の小型化を推進し、活用市場の拡大を目指しています。光アクセス向け光通信モジュール市場においては、デジタルコヒーレント技術に対応する光回路をシリコンフォトニクス技術で実現し、適用範囲の拡大を目指します。