OKIの社会貢献活動

Home > OKIについて > 社会貢献活動 > 最近の社会貢献活動から > 2004年度 > 活動内容

最近の社会貢献活動から

西小菅小学校ボランティア出前講座に出席

<レポート OKIネットワーカーズ 下山利博>

講演の様子

質問に答える生徒の皆さん

 社会福祉法人葛飾区社会福祉協議会かつしかボランティアセンターより依頼を受け、2005年1月27日(木)午後1時35分より葛飾区立西小菅小学校で行なわれたボランティア出前講座の授業に「OKIネットワーカーズ注1」(沖電気グループの重度障害者在宅勤務チーム)の下山利博が、講師として参加しました。西小菅小学校の体育館にて3年生と4年生合わせて60名の生徒の皆さんに向けて、「車椅子の生活について」講演をさせていただきました。今回の講演は、昨年行なわれた「葛飾区教師向け講座」での下山の講演を聴いたことがきっかけで申し込んでいただいたと聞き、とてもうれしい気持ちになりました。

 5時間目、ボランティア出前講座が始まりました。かつしかボランティアセンターの中村様の他に今回4名のボランティアの方が来てくださいましたので、一言ずつ挨拶をしていただきました。その後に、講師として下山を紹介していただきました。

 1時45分頃から講演をさせていただきました。交通事故が原因で車椅子の生活をしているなど、簡単に自己紹介しました。講演の中で生徒の皆さんに「外に出るときは外用の靴を履き、家に帰ったら靴を脱ぐ人はいますか」と質問をすると、全員が手を上げてくれました。私は車椅子に乗って外出するので「車椅子は皆さんの靴にもなる」という事を話しました。そして、私の所持している車椅子は1台なので外でも家の中でも同じ車椅子を使用している事を説明した後に、「困っている事について」話を続けました。車椅子にまとわりつくゴミ袋や空き缶が道端に捨ててあり、引っかかるとなかなか取れない事。道端のウンチやガムやツバやタバコ、その他こぼれたジュース等の上を車椅子で通過した為に腕や手だけでなく洋服なども汚れてしまう事。更には、家の中まで汚れてしまう事を話し「ゴミのポイ捨ては、車椅子を利用している人も困っているので皆さんにも協力して欲しい」と生徒の皆さんにお願いをすると真剣な顔でうなずいてくれました。

 そして、スーパーや駅前、公園の前などの放置自転車が車椅子の通行時に危険になるなど、人がバリアを作り出していることを話しました。そこで、生徒の皆さんに自転車を邪魔にならないように停めて欲しい事もお願いをしました。その他、電車などで席を譲った事があるかという質問に対し手を上げてくれた生徒さんの、「優しさと勇気」がボランティアをする心であると称えさせていただきました。そして、私が橋を渡るために坂道を車椅子で登っている時に介助してくれた、外国人の本当にさりげない行動に、言葉は通じなくても心が通じた話しをしました。整った設備も大事ですが「心こそが大切」である事を伝えて話を終えました。


  • ボランティアセンター中村様の話

  • 授業が終ると、生徒の皆さんが集まってくれました

 ボランティアセンターの中村様より、葛飾区で行なわれてきたボランティア活動の紹介がありました。その後、荒井先生より「今日の授業は教室で行なう予定だったけれども、校内には階段があるため体育館に会場を変更した」という説明の後、学校がバリアフリーになるように願うとともに、「みんなでゴミのない地域を作ろう」と訴えていただきました。

 その後、質問会となりました。生徒の皆さんから「電車に乗る時はどうするのですか」等の素朴な疑問に答えているうちに時間が過ぎてしまいました。 授業終了後には、数名の生徒さんが集まってきてくれて、目を輝かせて車椅子を眺めたり話をしてくれました。今回は生徒の保護者の方1名が、授業に参加してくださいました。真剣に聞いてくださった姿がとても印象的でした。最後には、「負けないでがんばってください」と励ましてくださいました。

 後日、生徒の皆さんから文集を頂戴しました。「家族で話し合いました」など、既に行動を起こしている子供たちの感想がとても嬉しくて、目頭が熱くなりました。先生のお手紙に書かれている励ましの言葉に、出張ボランティア講座を行なって良かったと思いました。素直で勇気あるこころやさしい子供たちがいるこの葛飾区がますます好きになりました。

西小菅小学校の皆様から頂いた文集とお手紙から

◇生徒の皆さんの感想
  • 1月27日の事を、お母さんに言ったら「そういう人を助けてあげなきゃね。」と言っていました。
  • 公園とかであそぶときは、なるべくじゃまにならないように(自転車を)とめようとおもいました。
  • 車いすの生活をしている人には、私たちみたいに自由に歩いたりできないから坂を上がったりする時の大変さがわかりました。
  • 今度はぜったいに、車いすの人をこまらせません。ゴミのポイステをしません。ゴミがおちていたら、僕たちが拾いますので安心して、車いす生活をしてください。
  • からだの不自由な人がこまっていたら、助けたいなと、思いました。でも、“人間はみな同じ”ということがわかってよかったです。
◇先生のお手紙より(抜粋)
  • 車椅子の生活で不便な事があると思います。でも、あんなに明るくニコニコと話してくださる姿にはっとしました。落ち込んだときもあったと思います。自分の体験を多くの人に話すことは、勇気がいることでしょう。でも、実際に体験されている事だから真実味があって聞く人も真剣に受け止められるのですね。是非(出前講座を)続けていってください。
注1「OKIネットワーカーズ」:
沖電気グループの重度肢体障害者在宅勤務チームのニックネームです。「OKIネットワーカーズ」のメンバーはこれまで、沖電気グループの企業にそれぞれ所属していましたが、2004年4月21日、(株)沖ワークウェル(2004年4月1日設立)に全員が転籍しました。
(株)沖ワークウェルは、沖電気グループの障害者雇用を専門に扱う特例子会社を目指して設立されました。重度肢体障害者の雇用を拡大すると共に、知的障害者や視覚障害者の雇用も実施しています。