OKIの社会貢献活動

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最近の社会貢献活動から

葛飾区校教師向け講座に参加しました

<レポート OKIネットワーカーズ 下山利博>


かつしかボランティアセンターの海野所長の挨拶

 社会福祉法人葛飾区社会福祉協議会かつしかボランティアセンターより依頼を受け、2004年10月19日(火)午後3時より葛飾区ウィメンズパルの多目的ホールで開催された、「教師向けボランティア講座」に「OKIネットワーカーズ注1」(沖電気グループの重度身体障害者在宅勤務チーム)の下山利博が講師として参加しました。

 小中学校において総合的な学習の時間が開始されて2年が経ち、学校から依頼を受けて開催する「ボランティア出前講座」の依頼も年々増えているので教員自身にも、障害のある当事者のお話をきいてもらうと共に実践体験をしてもらうことにより、福祉体験プログラムを作成する際の参考としていただく事を目的として企画されました。今回は、葛飾区内の小学校27校から36名、中学校6校から7名、合計43名の教師の皆さんに向けて講演を行ないました。当日は雨の降るの天気でしたが、用意したほとんどの席が埋まるほど教師の方に集まっていただきました。


  • 講演される藤岡様(左)とガイドヘルパーの小枝様(右)

  • 下山の講演の様子

 午後3時から、ボランティアセンター海野所長の挨拶で講演会が始まりました。視覚に障害をお持ちの藤岡様は、小学校での講演時に点訳された本を使用して読み聞かせをされたそうです。「どうして指で読めるのか」などの生徒さんが驚いた話、点字サークルで教える立場として活躍なさっている話、生活におけるさまざまな困難を受け止めている話などを聞かせていただきました。

 その後、下山が講演を行ないました。道路には、歩行時にはあまり感じないが傾斜があって、車をよけようと路肩に行くことで傾いてしまって転倒する危険性がある事。歩道と道路のほんの少しの段差でも、車イスでは昇り降りが発生する事。道路に放置されたゴミやジュース、糞尿が、服や袖についてしまうだけでなく、帰宅時に家の中まで汚れてしまうなど、車イスで外出した時に感じるバリアについて話をしました。そして、「困っている人がいたら手伝ってあげたいと思う優しい心と、行動できる勇気をもって欲しい」このような話を、子供達に直接聞いていただきたいと訴えました。

 ガイドヘルパーの小枝様より、目の不自由な方への「心くばり」や「気をつかう点」について説明の後、藤岡さんと階段の登り降りの模範動作を行なわれました。その後、先生方にもアイマスク体験をして頂きました。サポートを受ける側として白杖を持ちアイマスクを付ける人と、ガイドをする人でペアになっていただきました。男性のペアでは、ガイドをする側の人がアイマスクをつけた人を先に行くように進めてしまう姿や、アイマスクを付けた先生が舞台へ上がる階段のところで何度も白杖を使って確認を行なうなどハプニングが続いたので見ている会場の方ではついつい笑ってしまいましたが、体験をされた先生の言葉には想像以上の怖さがあることを感じました。

 続いて、運転ボランティアの石川様より車イス操作方法の説明のなかで、跳び箱の踏み切り板を組み合わせてつくった即席の障害物を越える方法などの話を聞かせていただきました。先生方に介助する側・される側のペアを組んでいただき車イスの操作をして頂きました。介助する人からは、車イスの足を乗せる部分の位置がわかりにくく前にいる人にぶつかってしまう事故が発生する事も理解して頂きました。ブレーキをかけない状態のまま乗り降りしてしまい車イスが動いて驚かれる先生もいて、気をつけなければいけない点まで体験していただきました。最後にいくつかの質問を頂きました。回答を行なううちに、予定の2時間はあっという間に終わってしまいました。


  • アイマスク体験の様子

  • 車イス体験の様子

 終了後に「まだ、ボランティア授業を行なったことがないですがお呼びしてもいいですか?」と声をかけてくれる先生もいました。参加してくださった教師の皆様が真剣に聞いてくださった姿と、今後学校側でボランティア教室を実施したいとの声を聞けたことで、取組みが進んでいく事を実感し、この葛飾区がますます好きになりました。

注1「OKIネットワーカーズ」:
沖電気グループの重度肢体障害者在宅勤務チームのニックネームです。「OKIネットワーカーズ」のメンバーはこれまで、沖電気グループの企業にそれぞれ所属していましたが、2004年4月21日、(株)沖ワークウェル(2004年4月1日設立)に全員が転籍しました。
(株)沖ワークウェルは、沖電気グループの障害者雇用を専門に扱う特例子会社を目指して設立されました。重度肢体障害者の雇用を拡大すると共に、知的障害者や視覚障害者の雇用も実施しています。

この時の模様を「葛飾社協だより」に写真付きで掲載していただきました