イノベーション
『CINO ism Vol.61』 業種を問わず共創の起点となる OKIのイノベーションイベント戦略の課題と今後。
2026年2月20日
(中)馬場ももこ(株式会社セント・フォース、フリーアナウンサー)
(右)山賀信吾(広報・プロモーション部 プロモーション企画室 プロモーション推進チーム)
2017年より国際規格ISO 56000シリーズを先取りしたイノベーション・マネジメントシステム(IMS)に取り組んできたOKIは、社内改革を着実に進めると同時に、そこで培った知見や実践手法を社外にも積極的に発信してきました。ワークショップや講演会などのイノベーションイベントもその一環です。
2025年のISO 56001認証取得、そして「IMS支援サービス」の提供開始を契機に、さらなる広がりを見せているOKIのイノベーションイベントについて、藤原常務理事(CINO、CDO 兼イノベーション推進室長)と、イベント講師を務める村松敦(イノベーション推進室 IMS・教育推進チーム)、イベント企画を担当する山賀信吾(広報・プロモーション部プロモーション企画室)にお話を伺っていきます。
体験から共創へ…。IMSを軸にしたイノベーションイベント企画
――対外的なイノベーションイベントを企画する際、留意しているポイントは?
山賀: OKIのプロモーション活動では、「価値ある情報を、届けるべき相手に、最適な形で届ける」ことを念頭におき、単なる情報発信にとどまらず、相手が抱える課題や悩みに寄り添い、共感を得られるストーリーとして伝えることを、強く意識するようにしています。
対外的なイノベーションイベントにおいても、OKIがイノベーションを推進する仕組みづくり、組織づくりの先駆者として、これまで直面してきた課題や失敗、そこから得た学び、成功体験までを包み隠さず共有しています。そうすることで、参加者の皆さまにイノベーションを「自分事」として体感していただけるようなコミュニケーション設計を心掛けています。
村松: 直近のイベントとしては「OKIブレイクスルーキャンプ」があります。これは、イノベーション・マネジメントシステム(IMS)のプロセスで用いられているデザイン思考による社会課題の探索を1日で体験できるワークショップです。
一昨年のOKI WORLDで好評を博した内容をブラッシュアップし、昨年(2025年)11月に第2回を開催しました。OKIが実践してきたイノベーション創出のプロセスをオープンに共有し、新規事業開発や既存事業の変革、業務改善に取り組む方々との関係構築を図ることで、将来的には共創へと発展させていくことを目指しています。
藤原: このワークショップは、OKIが新たに展開している「IMS支援サービス」の“体験版”として位置づけ、業種を問わず大企業で新規事業企画を担当する中間管理職、自部門の業務改善やDX推進に携わるマネジメント層や、デザイン思考による課題解決に興味がある方々などを対象としています。
こういった対外イベントで重視しているのは、参加された方々に楽しんでいただくこと、言い換えれば、難しい課題に楽しく取り組めること、そしてイノベーション・マネジメントシステム(IMS)そのものに関心を持っていただくことです。そのためにも、イノベーション推進部門とプロモーション部門が連携し、企画から運営、フォローアップまでを一気通貫で担う体制を整えました。イベントを単発で終わらせず、継続的な関係づくりにつなげていくことを意識しているつもりです。
実践知を軸に進化するイノベーションイベント企画
――イベントを重ねることで、企画・運営面での変化は?
山賀: 「OKIブレイクスルーキャンプ」の初回開催は、24年度に開催したイベントOKI WORLDの来場者をターゲットとしていたこともあり、イベント性を重視したプログラム構成でした。一方、2回目以降は、イノベーション・マネジメントシステム(IMS)のプロセスを実際に体験していただくことに軸足を移し、より実践的な内容へと進化させています。今後もこの基本コンセプトを継承しながら、継続的に内容をブラッシュアップしていくつもりです。
村松: 初回は大会場での開催でしたが、2回目は虎ノ門・本社のイノベーションルーム「Yume ST」という比較的コンパクトな会場で実施しました。その結果、参加者一人ひとりの表情や反応を感じ取りやすく、講師役としても非常に運営しやすかったと感じています。
また、ワークショップ終了後に懇親会を設けたことで、参加者の皆さんから率直なご意見や感想を直接伺うことができた点も、大きな収穫でした。「OKIブレイクスルーキャンプ」は、今月開催分含め3回開催し、次回以降の開催に向けて、プログラムやコンテンツは想像以上のスピードで進化していると実感しています。
山賀: IMS支援サービスの立ち上げを契機に、当社のプロモーションは従来の「課題にどう応えるか(How)」を中心とした情報提供型から、お客様との双方向対話・共創を軸に、「なぜその課題が生まれるのか(Why)」「本質的な課題は何か」まで踏み込んで、共に考えるスタイルへと転換してきました。
IMSという体系的なイノベーション・マネジメントのバックボーンを得たことで、課題の背景要因を深掘りしながら最適解を導くコミュニケーションが可能になり、プロモーション活動そのものも、イノベーションされつつあると実感しています。
こうした変化は、イベント運営の現場やお客様の反応にも表れており、参加申し込みが短時間で埋まる状況は、当社の新しい発信姿勢が確実に伝わり、共感を得られている証だと捉えています。
藤原: 現在、多くの国内大手企業が新規事業創出や業務改革に取り組んでいますが、思うように成果が出ないという声も少なくありません。特に新規事業は、軌道に乗るまでに長い時間を要するケースが一般的なので当然のことです。
そうした中で、改革やイノベーションの“作法”を指南する多くのコンサルがあるにもかかわらず、私たちの講演やイノベーションイベントに足を運んでくださる方々は、8年にわたりイノベーション・マネジメントシステム(IMS)を継続してきたOKIの「実践の積み重ね」に関心を持っていただいているのだと思います。
一方で最近は、ISO 56001認証取得を目的としたお問い合わせも増えてきました。今後のイノベーションイベントでは、「実践知の学び」、「認証取得を視野に入れた体系的理解」という2つのニーズに応えられるプログラム設計が求められると考えています。
参加者の熱量が違う。共感を生むOKIブレイクスルーキャンプの手応え
――イベント開催後の参加者の反響や評価は?
山賀: 「OKIブレイクスルーキャンプ」は、OKI WORLD内で実施した初回開催が非常に好評だったこともあり、第2回以降も想定を上回るスピードでお申し込みをいただいています。
村松: 参加者の皆さんを見ていると、終始和やかで、楽しみながら取り組まれている様子が印象的ですね。その背景には、初回から進行を担っていただいている株式会社セント・フォース所属のフリーアナウンサー・馬場ももこさんの存在も大きいと思います。明るさや臨機応変なモデレーションなど、高いコミュニケーション力に助けられている部分は少なくありません。私自身も学ばせていただくことが多いです。
山賀: ワークショップ後のネットワーキング(懇親会)では、「OKIを同志のように感じた」「自部署の他のメンバーにもぜひ体験させたい」「とても楽しく、有償でも参加したい」「自社課題の解決のヒントになった」といった前向きな声を多くいただいています。
また、多くの方が「改革マインドをいかに経営層に理解してもらうか」を自社の課題として捉え、その解決策を私たちと一緒に考えたいという想いを示してくださっています。そうした点からも、従来のセミナーやイベントとは明らかに参加者の熱量が違うと感じています。
楽しさと共感で広げる共創イベントの次章
――今後のイベントの方向性や展望は?
村松: 進行・講師の立場としては、「楽しく、明るく」をモットーに、参加される方が前向きな気持ちになれる場づくりを続けていきたいですね。そのため、イベント企画会社とのタイアップなど、新しい取り組みも検討しています。
また、「OKIブレイクスルーキャンプ」を起点に参加者同士のつながりを広げ、コミュニティー形成へと発展させることで、将来的には業種や業界を超えた共創につなげていきたいと考えています。
山賀: プロモーションの観点では、“OKIの現在地”を明確に示し、そこに至るまでの試行錯誤や背景も含めたストーリーを丁寧に発信していくことが重要だと感じています。今後は、そうした視点を意識したコミュニケーション設計のもと、多彩なイベントを企画し、お客様の共感を得ていきたいと思います。
藤原: 現在、当社社長が積極的に行っているトップ営業も、単なる商品提案ではなく、IMSで言う「機会の特定」の段階からお客様と一緒に考える共創型のアプローチが中心です。これからのビジネスにおいてはエコシステムの構築が欠かせません。その流れを後押しし、共創を加速させるようなイノベーションイベントを今後も企画していきますので、ぜひ期待していてください。
※ CINO:イノベーション責任者
※ CDO:デジタル責任者
(2026年2月20日 藤原雄彦 常務理事(CINO、CDO 兼 イノベーション推進室長))