イノベーション

『CINO ism Vol.60』 IMSを軸に共創へ舵を切ったOKIの現在地と、イノベーションを加速するパートナー戦略の神髄。

2026年1月27日

写真:(左)藤原雄彦 常務理事(CINO、CDO 兼 イノベーション推進室長) (右)顔正修 部長(イノベーション推進室 共創推進チーム)
(左)藤原雄彦 常務理事(CINO、CDO 兼 イノベーション推進室長)
(右)顔正修 部長(イノベーション推進室 共創推進チーム)

OKIは、長年、お客様の要望に応える受注開発で価値を提供してきました。しかし、近年では市場環境の変化とともに、そのビジネスモデルは転換点を迎え、イノベーション・マネジメントシステム(IMS)に基づく「共創」を軸とした新たな挑戦へと大きく舵を切っています。その成否を左右する鍵が、パートナー戦略です。
現在のOKIが推進しているこの新しい挑戦の現状と展望について、藤原常務理事(CINO、CDO兼イノベーション推進室長)、イノベーション推進室 共創推進チームの顔部長にお話を伺っていきます。

パートナーとともに切り拓く、新しい価値創造に手応え

――新規事業に対して、外部との「共創」を進めていますが、その成果や反響は?

藤原OKIは以前から、パートナーとそれぞれの強みを持ち寄り、新しい価値を生み出す「協業」に積極的に取り組んできました。ただ、社会課題がより複雑化し、よりスピード感のある対応が求められる市場環境の中で、IMS活動「Yume Pro」を進めるようになってからは、特に「共創」という考え方を軸にした取り組みに力を入れています。「共創」は、パートナーと問題意識や目指す姿を共有し、構想から事業化までを一体となって進めていくチャレンジだと考えております。そこで、私たちは「IMSの仕組みを活用した、新たなビジネスを一緒に創造」を掛け声に発信を続けてきました。その結果、企業に限らず、さまざまな団体、研究機関、行政、自治体などから賛同の声をいただき、すでに複数の共創プロジェクトが始動しています。

現在進行中の共創事例を、いくつかご紹介します。
中でも注目度が高いのが、様々な自然物を媒体として微弱な電気を集めて活用するプロジェクトです。オフグリッド(電力網から切り離された)環境でも「社会の大丈夫をつくっていく。」ことを目指してコンソーシアムに参画し、有事だけでなく平時の活用も見据え社会実装に向けた取り組みを進めています。
また、長年お取引のあるNTT東日本株式会社(以降:NTT東日本)様とは、総務省の実証事業を通じて、複数の異なるAMR(自律走行搬送ロボット)を統合管理する製造業向けソリューション、海を起点とした地域循環型社会の構築など、多様な分野で共創を展開しています。
さらに現在、社内向けに試験導入しているIMSのポリシーを組み込んだイノベーション支援生成AIシステム「ダ・ビンチ グラフ®」については、外販を視野に入れ、イノベーションや新規事業に取り組まれている企業との共創も進めているところです。

藤原雄彦 常務理事(CINO、CDO 兼 イノベーション推進室長)

IMSを共通言語に、パートナーとビジョンを共有

――共創を推進する上で、日常留意しているポイントは?

藤原最も重視しているのは、「目指すべき姿をパートナーと共有すること」です。単に役割を分担するのではなく、「機会の特定」において、顧客の困りごとや潜在的な課題を起点とすることを共有し、具体的な行動(新規創出、業務改善など)に結び付けています。その前提となるのが、組織の枠を超えたメンバー間の信頼関係です。良好な人間関係を築くためにも、日頃から密なコミュニケーションを心掛けています。

以前の部署では、「共創すること」自体が目的になってしまっていた時期もありました。その反省を踏まえ、現在は、「目指すべき姿をパートナーと共有すること」を踏まえた上で共創を進めるように心掛けています。
また、共創は文化や価値観の異なる組織同士で進めるものですから、共通言語が欠かせません。その点で、IMSのプロセスを共通言語とすることで、プロジェクトをスムーズに推進して行けると思っています。

藤原OKIは長年、受注開発型のビジネスモデルで成長してきたため、「整合された仕様通りにきちんと作る」ことは得意でしたが、共創には決して慣れていませんでした。ただ、実際の共創事例が増えるにつれ、社内のカルチャーは大きく変わってきました。
先ほどご紹介したNTT東日本様との取り組みでは、発注者と受注事業者という従来の座組ではなく、ビジネスパートナーとしてフラットな立場で議論し、プロジェクトを進めています。これは、受注開発中心の事業構造からの脱却を象徴する出来事であり、OKIにとっても大きな転機です。結果として、参加メンバーのモチベーション向上にもつながっています。

顔正修 部長(イノベーション推進室 共創推進チーム)

学び合い、補い合い、高め合う。パートナーの共創関係

――OKIがパートナーに期待すること、また、パートナーがOKIに期待していることは?

藤原私たちがパートナーに期待しているのは、これまでOKIが十分に踏み込めてこなかった市場や技術領域に関する知見、ノウハウ、そして実践的な経験です。実際に、パートナーと議論やフィールドワークを重ねる中で、多くの学びや気づきを得ています。
一方で、パートナーからOKIに寄せられている期待は、メーカーとしての高品質なモノづくりにあると感じています。特にIoT分野では、データを取得するセンサーなどのエッジデバイスから、リアルタイム処理技術、さらにはデータを確実に届ける通信技術に至るまで、トータルで価値を提供できる点が強みです。

私たち自身、パートナーからどのように評価されているのかは常に意識しています。以前、率直に伺った際には、「一人に伝えれば組織全体に共有される社内連携の良さ」や、「課題解決に向き合う誠実な姿勢」といった声をいただきました。多少の社交辞令はあるかもしれませんが、こうした数値化しにくい部分もOKIの強みとして、今後も大切にし、アピールしていきたいと考えています。

新規顧客から既存顧客まで広がる共創の機会

――従来の主要顧客であるメーカーやキャリア系以外の業種との共創は進んでいるのか?

藤原私たちは新規事業創出の手段の一つとして共創を位置づけてきました。そのため、これまで取引のなかった企業や業種との共創にも、積極的に取り組んでいます。実際、ヘルスケアや医療、物流といった分野では、共創を通じて事業化に至った事例も生まれています。加えて、今後の成長が期待されるロボティックスやAI分野を手掛けるスタートアップとの共創も進行中です。
一方、長年お付き合いのあるお客様の多くも新たな事業機会を模索されており、既存のお客様と共創しながら異分野に挑戦する事例も増えてきました。

新たな共創パートナーとの出会いを創出するため、私たちはさまざまなプロモーション活動を展開しています。最近では、OKIが参画しているオープンイノベーション拠点や、藤原参加の講演活動等をきっかけにお声掛けいただくケースが増えています。
また、従来のお客様と新規事業で共創する取り組みについては、トップセールスが起点となるケースも少なくありません。

短期的成果と長期視点の両面で進める共創戦略

――今後、共創をさらに推進していくためのポイントは?

藤原短期間で結果を得るためには、すでに相互理解が進んでいる既存のお客様と、新たな領域に挑戦する共創が効率的と考えております。その際の鍵となるのが、IMSのプロセスに加え、イノベーション支援生成AIシステム「ダ・ビンチ グラフ®」の活用も効果的だと思っています。

一方、中長期的には、独自の技術や発想を持ちながら、まだ私たちが出会えていない、かつOKIとの親和性が高いパートナーの発掘が重要になります。そのためにも、今後は、オープンイノベーションの場などをより活用し、事業規模にとらわれずグローバルに企業が持つ強みや得意領域をリサーチすると同時に、私たち自身も、目指す姿や実績を、これまで以上に積極的に発信していく方針です。

藤原特にスタートアップや中小企業の方々は、新規事業や業務改革に対する本気度が非常に高いと感じています。共創を通じて、そうした姿勢やスピード感も積極的に学んでいきたいですね。

【関連リンク】
・製造現場DXを加速する「マルチベンダー搬送ロボット統合管理システム」実証を開始
http://www.oki.com/global/ja/press/2025/z25040.html

(2026年1月27日 藤原雄彦 常務理事(CINO、CDO 兼 イノベーション推進室長))

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