OKIが独自に保有する半導体技術「CFB(クリスタル・フィルム・ボンディング)」。今までにない技術を事業として立ち上げていく、まさに成長のただ中にある部署が「CFB事業開発部」です。今回は、CFB事業開発部の飯田さん・牧子さんのお二人に、CFBという技術のこと、そして日々の開発業務のリアルについて語っていただきました。
※掲載内容は取材・撮影当時の情報であり、現在の所属部署・役職・業務内容等とは異なる場合があります。

飯田さん
アドバンスドコンポーネント事業部 CFB事業開発部/2024年入社
好きな音キーボードの打鍵音
(メカニカルキーボードのカチカチではなく、静電容量無接点方式のスコスコが好きです)

牧子さん
アドバンスドコンポーネント事業部 CFB事業開発部/2025年入社
好きな音イヤホンのノイズキャンセリング機能をONにした音です。
理由は、外の音を遮断して自分の好きな音楽に没頭できるスイッチとなる音だからです。
半導体の未来を変える、OKI独自の技術「CFB」
飯田さん・牧子さん(以下敬称略) まず、CFB事業についてお伺いします!
-そもそもCFBとは?
飯田 CFBというのは、OKIが保有する半導体の技術の名称です。「クリスタル・フィルム・ボンディング」の略称で、異なる半導体物質同士を分子間力で接合する技術です。半導体はウエハーという丸い薄い円盤の材料でできていて、その半導体の円盤の上にさらに薄い結晶層を積み重ねることによって動作します。この半導体デバイスの動作には、上の薄い結晶層のみを使用します。OKIのCFB技術によって、この薄い結晶層のみを剥がして、他の材料に接合することが可能です。

-CFBを使用することの効果は?
飯田 従来ではCFBをせずに半導体デバイスとして動作をしていたんですけども、例えば熱伝導性が悪かったり、電気を縦方向に流しづらかったりという問題があります。それに対し、CFBで熱が通りやすい材料や導電性の材料に接合することによって、より性能の高いデバイスを作ることができます。
-OKIがCFBに力を入れている理由は?
飯田 今の時代、社会では半導体は非常に重要になっていまして、特にAIの普及に伴い、光半導体という、光を扱うことができる半導体の需要が高まっています。今、スマートフォンなど半導体が使われているものは電気で動いていますが、それを光へ置き換えることで、消費電力の抑制や大幅な高性能化が可能になってくるんです。ただ、一般的な半導体の材料であるシリコンは微細化が進んでいる一方で、光半導体は微細化がなかなか難しいという課題があります。そこでCFB技術を適用することによって、微細化が可能な一般的なシリコンの半導体に光半導体を接合し、両者の長所を合わせたデバイスを作成することが可能になってきます。
-OKI社内でのCFBの事業開発部の歩みについて教えてください。

飯田 CFB事業開発部というのは、元々CFB開発部という名称で、OKI社内でも注目のイノベーション事業部の1つでした。今年度になってCFBを事業化できるまでに進展したことで、イノベーションから実製品を量産するフェーズに移行して、今まさに成長しているような事業部になります。
-具体的な仕事内容は?
飯田 CFB事業開発部は、ビジネスから技術開発までを一貫して行っていて、CFBを適用して価値を提供する開発部です。その中で私たちが所属する技術開発部では、技術の根幹を担う業務を担当しています。具体的には、お客様から提供されたサンプル半導体に対し、自社で設計・開発を行いながらCFB技術を適用してサンプルを作成します。さらに、出来上がったサンプルの品質確認や歩留まり(良品率)の検証まで自分たちで一連のプロセスを行い、完成品をお客様へ納品しています。

牧子 西横手工場にはクリーンルームが設置されています。半導体にはホコリや髪の毛などが入ってはいけないので、防塵服と呼ばれる服を着て、クリーンルームと呼ばれるホコリなどが入らないような部屋で半導体プロセスなどを行います。
飯田さん・牧子さんが語る、CFB事業開発部のリアル
ここからは、お二人にCFB事業開発部について語っていただきます!
-CFB事業開発部を希望した理由
飯田 自分は元々大学院で半導体薄膜の研究をしていて、半導体に関する基礎知識もあったし、半導体自体に興味もあったので、OKIの中の半導体開発という部署で半導体ができるんだと知って希望したといった感じかな。牧子くんは?
牧子 僕の場合は、元々化学系の専攻の出身だったので直接半導体に関わることはなかったんですが、そこで取り扱っていた物質などが最終的には半導体に関わってくるということで、そこで初めて半導体に興味を持って、OKIのCFB事業開発部に希望しました。
-開発の難しさ
牧子 剥がして貼るという操作を行うんですが、剥がす際にはどういった材料で剥がすのかというところが、貼る時には精密に位置合わせをすることがすごく難しいと思いますね。

飯田 世界で誰もやっていない技術だから、自分たちで開発していくしかない。評価を繰り返し行うことによって、どういった原因で失敗したのかというところを分析していって、そこのPDCAを回していくことによって、実験条件を確定させていくところが開発業務で大変なところになってくるかな。
-CFB開発業務ならではのやりがい
牧子 僕がやりがいを感じる部分は、CFBが貼って剥がすというところです。そこがやっぱり少し難しいじゃないですか。それを綺麗に剥がして、綺麗に異種材料へ貼ることができた時がすごくやりがいを感じます。飯田さんはどうですか。

飯田 貼って剥がすとかもそうだけど、それ以外の部分でもいろんな課題があって、その課題に対して問題の原因が見えた時とか、その問題の改善の手応えが得られた時などに、やっぱり一番大きいやりがいを感じるかな。
支え合いながら挑む、少数精鋭のチーム
-印象に残っている仕事
飯田 牧子くんは、今までの仕事の中で一番印象に残ってることとかってある?
牧子 開発チームだけではなくて生産技術や工場の現場の方と一緒に量産化に向けて仕事をやったことがとても印象に残っています。飯田さんはどうですか?

飯田 量産一歩手前みたいなプロジェクトで、CFBをするには致命的な課題が見つかった時があって、チームメンバーや他部署の生産技術の方などと一緒に考えてその課題を乗り越えられたことが、やっぱり一番印象に残っているかな。
-チームでの仕事の進め方
飯田 チームでは、主に1人か2人で1つの顧客案件を持っていて、案件に対して各自のスケジュールで事前課題の解決に向けた評価だったり、サンプルの作成作業を行っている感じです。案件は違うけれど技術的に似通った内容なので、チームの朝礼や打ち合わせを通して情報共有や課題の共有、解決提案などをチームで協力しながら進めている感じかな。
牧子 同じチームの方ですとプロセスが似通っていたりもするので、そこで自分の開発業務の参考にさせていただいたりとかも結構ありますね。
-チームの雰囲気はどのような感じですか?
牧子 優しくて誠実な方が多いかなと思います。色々なことも相談しやすい環境だと非常に思いますね。

飯田 そうだね。相談はめちゃめちゃしやすくて、自分の仕事で問題などが起こったらすぐに直属の上司などに相談できる環境だし。若い人が多くて平均年齢も30代とかだから、自分たちと近い年齢の方々なのもあって、すごく話しやすくて相談しやすくていい環境だと思います。
-大変だったエピソードを教えてください。
飯田 牧子くんを自分が手伝うみたいな形のプロジェクトで必要になった、新しい装置の扱いが大変で。かなり慣れないし使いにくいし、原理も結構難しくて大変だったんですけど、なんとか2人で力を合わせて、いろんな人に聞き回って、なんとかその装置を使いこなすことができました。
牧子 装置に関しても詳しい方が少なかったというのもあって、飯田さんを始め生産技術の方に手伝っていただいたりしたので、最終的にはなんとか納品できたので良かったんですけども、非常に大変な思いもありましたね。
この先の目標、そして求職者へ
-今後チャレンジしたいことは何ですか?
飯田 まずは今の開発技術を極めていって、より今のCFB開発を実用化、量産化に向けて技術を高めていきたいです。あとは技術部分だけじゃなくて、プロジェクトを前に進めるための調整力だったり、マネジメントの部分も高めていきたいと思っています。

牧子 事業部としては、まず量産化を進めていくことです。僕個人としては、まず自分1人でプロジェクトを遂行できるようになりたいです。さらに、業務に直結する資格の取得などにもチャレンジしていきたいなと思います。
-求職者の方へのメッセージをお願いします。
飯田 私自身、今のCFB事業開発部という仕事でモノづくりの面白さや難しさを大変実感しています。モノづくりや技術開発が得意な方、好きな方に、ぜひCFB事業開発部で一緒に技術に挑戦していただけると嬉しいです。
牧子 自分もそうだったんですが、専攻分野などは関係ありませんので、半導体やその開発に興味がある方、是非OKIで一緒に働きましょう。

半導体の研究からCFBに飛び込んだ飯田さんと、専攻分野を問わずCFBの可能性に惹かれた牧子さん。
歩んできた道は違っても、世界にまだ前例のない技術に向き合う姿勢は共通していました。課題を一人で抱え込まず、チームで乗り越えてきた姿からは、CFB事業開発部という発展途上の現場ならではの泥臭さと手応えが伝わってきます。