No.170 テレコム95特集

通信ネットワークはマルチメディアアプリケーションの実現にとって極めて重要な位置を占める。最近第2の巨大な通信ネットワークとしてインターネットの普及がめざましい。既存ネットワークを含め,これらのネットワークの現状と今後の動向を的確に把握することは,ネットワークのユーザにとっても我々ネットワーク製品を提供する者にとっても,重要なことである。本稿ではこれらを踏まえ,ネットワークを伝送サービス層,ネットワークサービス層,アプリケーション層に分け,各層における現状と今後の動向をどのように見るべきかを述べ,最後に沖のネットワーク製品の開発に当たっての考え方を述べる。
今後の企業向けマルチメディア通信システムに要求される多彩なサービス機能,多様なネットワークを実現する新しいマルチメディアサービスノードについて述べる。はじめに,今回開発したマルチメディアサービスノードの特長および構成を示し,次に,マルチメディア通信のキーとなるパーソナル通信サービス,PC連動サービス,FRサービス,ATMサービス,LANサービスの実現内容について述べている。
拡大するマルチメディア通信需要に対応する高速,大容量ネットワークの構築に必要となるATM通信方式の広帯域バックボーンスイッチ<Super‐iOX BBS>を開発した。本装置は,2.4Gbit/s~9.6Gbit/sの交換能力をもち,コア・エッジ構造による柔軟なシステム構成とすることで,拡張性,発展性を実現している。本稿は,バックボーンスイッチの要求条件を整理・検討し,<Super‐iOX BBS>での実現方法について述べる。
インターネット基幹網に適用できる広帯域大容量ルーチングサーバとして,コネクションレスサーバをNTT殿と共同で開発した。ITU‐TのI.364に準拠したこのサーバは,ATM技術をベースにしており,ハードウェアパイプライン処理により広帯域大容量を実現している。
マルチメディア情報通信時代の到来に向けて,企業内情報通信ネットワークの変革が求められている。当社は,このような要求に対応するべく各種システムを提供している。ここでは,当社のネットワーク構築上の考え方,ネットワーク構成方法,構成機器,およびネットワーク管理方法について述べている。我々は,ATM‐LAN/WANシステムを実際に構築し,その上でマルチメディア指向のアプリケーションの正常動作を確認している。
FTTH(Fiber To The Home)を実現する光加入者系にATM技術を用いた,ATM加入者伝送システムを導入することにより,映像伝送,データ通信を含むマルチメディアサービスが可能となる。このATM加入者伝送システムの主要装置である,ATM加入者線終端装置および光網終端装置を開発した。本システムは,小型化,高信頼性,柔軟性を実現するとともに,加入者系システムへの要求条件である経済的なサービス提供を可能とする,ATM‐PDS構成にも対応している。
ネットワークの大容量化および中継間隔の拡大を目的として,10Gbit/s光伝送システムを開発した。このシステムにより伝送実験で10Gbit/s STM‐64(Synchronous Transport Module level 64)信号の160km無中継伝送を実現した。本稿では,10Gbit/s多重化装置の構成,このシステムを支えるためのキーコンポーネントである10Gbit/s光送信・受信器の小型化,および中継用光増幅器の試作・評価結果について報告する。
マルチメディア技術によりフロントオフィスは電子化が進み,物理的にも機能的にも大きく変化していく。フロントオフィスシステムは,沖電気の得意とする分野であり,今後もその変革を的確に捉えた最適なソリューションを継続的に提供していく。
ATM通信およびPHSのデータ通信機能を用い,動画,静止画,音声等のマルチメディア情報提供,予約機能,遠隔協調作業環境を提供するマルチメディアフロントオフィスシステムを開発した。さらに,旅行代理店向けの旅行相談,予約を行うアプリケーションの開発を行った。
一般のマルチメディア情報システムへの応用を目的とし,汎用UNIXマシン上で動作する汎用メディアサーバOKI Media Serverを開発した。汎用コンピュータシステム上でビデオオンデマンド機能を実現するために新たに開発した予測的スケジューリングや高速ビデオファイルシステムを採用し,特殊なハードウェアやOSの改修を不要とした。また,分散型マルチメディアアプリケーションの開発環境として独自のエージェント指向オーサリングシステムExtemporeを備えている。
近年の通信のパーソナル化の背景となっている加入電話や携帯電話など,通信サービスの発展を概観したのち,パーソナル通信という言葉のもつ意味を明らかにする。次いで,これからの端末機器,ネットワーク機能,ヒューマンインタフェースについてどんな機能が要求されるかを考察し,次世代の通信システムの目指す方向について述べる。
当社では,PHSを構内交換機(iOX100シリーズ)に適用した事業所用コードレス電話システムを開発し,すでに数々の顧客に納入している。今回,このシステムにデータ通信機能を付加したものを試作し,テレコム95に出展した。これは,PHSカード(TD1072)を使用するマルチメディアコミュニケータ(MC210)の収容を可能とし,高速(19.2kbit/s)のデータ通信サービスを提供するものである。
最新のコンピュータの小型化技術と移動体通信技術の急速な進歩を背景に,先進的な携帯型コンピュータ「マルチメディアコミュニケータMC210」を開発した。MC210は片手で持ち歩きながら入力などの操作ができ,ネットワークに接続して多様なサービスを利用することができるコンピュータである。
高速ディジタルデータ通信が行える,PCカード型ディジタルコードレス電話端末(PHSカード)の開発を行った。PHSカードは,情報携帯端末やパソコン等の情報機器に装備されているPCMCIAインタフェーススロットに装着され,モバイルコンピューティングの環境を提供する。
米国におけるTDMA/AMPSデュアルモードのセルラシステムの新規格であるIS‐136に準拠した,第二世代の携帯電話装置を開発した。本装置は軽量化,長通話時間,携帯性に主眼をおいて設計し,150cc/235gの小型・軽量化,167分通話/83時間待ち受けを実現したほか,新規格特有のディジタル間欠受信やShort Message Service等の新規能を盛り込んだ。
アナログセルラ方式と比較して,より大きいシステム容量が可能なディジタルセルラ方式の研究開発,実用化が精力的に進められている。当社は米国のCDMA/AMPS方式のデュアルモードセルラ携帯電話機CD3000Bを開発し,実フィールド通話試験により,送信歪み,送信電力制御および受信感度など諸特性を確認し,量産化を確立した。
OKICOM‐SRシリーズは,海外ユーザ向けのOKICOM‐Gシリーズの後継機種として,(1)工事・保守の簡単化,(2)回線拡張,(3)サービス機能の高度化,および多機能電話機(MKT)のデザイン一新に主眼を置き開発された,ディジタルボタン電話装置である。本シリーズは回線規模により,SシステムとLシステムの2機種があり,また専用のMKTは12種類のタイプを用意している。ハードウェアは大規模LSIの採用により,小型化,信頼性の向上とともに経済性を追求している。サービス機能はOKICOM‐Gの機能を踏襲しつつPBX機能を大幅に取り入れ,専用MKT収容に加えてアナログ電話機も収容できるハイブリット仕様としている。
電話加入者からの加入者線を電話局内の交換機などに接続する際に必要な主配線盤を,合理的コストで,小型軽量かつ遠隔操作可能にしたS‐MDF(スマートMDF)を開発した。開発にあたり適用した主要な技術はリンク構成法,小型高性能ロボット,マトリクスボード,接続ピンなどである。また工事や運用性にも十分配慮している。
HDTVとして日本のハイビジョン規格とヨーロッパ規格の2方式が標準化されており,異なる規格の番組を交換するためには,方式変換が必要になる。当社では,現行のTV方式変換装置を開発してきた技術を応用し,世界初のHDTV方式変換装置を開発した。本装置は,高精度の動きベクトル検出技術やディジタルフィルタ技術を用い,変換に伴う劣化の少ない高画質な変換画像を得ている。また,小型のため移動が容易にでき,各所での中継等にも利用できる。
通信用フォールトトレラントコンピュータOKITRONシリーズの上位機種として,OKITRON‐LLを新たに開発した。OKITRON‐LLは,OKITRONシリーズ共通の特徴である2重化冗長構成とCTRON仕様リアルタイムOS搭載に加えて,メインプロセッサにPA‐RISCを採用した,性能価格比の高い通信用フォールトトレラントコンピュータである。
RAIDレベル5アーキテクチャを採用したファイルサーバ向けディスクアレイ装置を開発した。本装置はPCサーバに内蔵され,5台のハードディスクを内蔵し,高信頼性を実現している。また,複数のクライアントからのアクセスを処理するファイルシステムとして高い性能を実現する。
2.4GHz ISMバンドを使用するIEEE802.11に準拠した,無線LAN(WLAN)システム用のベースバンド制御LSIを紹介する。個別部品の無線部に本LSIと上位MACソフトウェア用のマイクロプロセッサを付加することだけで,無線LANカードがPCMCIAカード・タイプ2で実現可能となった。無線部は周波数ホッピングスペクトラム拡散方式で実現される。

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