2020年12月2日
沖電線株式会社
沖電気工業株式会社
従来のUSB3 Visionケーブルとの比較。
下が新商品の薄型コネクターケーブル
OKIグループの電線事業会社OKI電線(社長:小林一成、本社:神奈川県川崎市)は、画像検査装置などに使用されるマシンビジョン(注1)用として、USB3 Vision規格に対応し省スペース配線に適した「薄型コネクターUSB3 Visionケーブル」を開発しました。2020年12月より販売開始し、2021年度に売上5千万円以上を目指します。
USB3 Vision規格は、米国のマシンビジョン業界団体であるAIAがUSB3.0規格をベースにマシンビジョン用に策定したもので、5Gbpsまでの高速伝送に対応するインターフェース規格です。半導体製造装置、部品実装装置、印刷装置などでの外観検査や、産業用ロボットでのワーク材位置検出など、画像認識のリアルタイム性が求められる用途に適しており、1台のホストPCに複数のカメラを自在に接続できる使い勝手の良さなどから、マシンビジョンを採用する多くの産業用機器で普及しています。
今回発売した「薄型コネクターUSB3 Visionケーブル」では、PC側に接続するコネクター(スタンダードA)の最大厚を従来の10.0mmから8.5mmとスリム化を実現しました。これによって、複数のケーブルを隣接して接続する場合にコネクター同士の干渉が少なくなり、複数カメラの高密度な同時接続が容易になりました。
新商品のラインアップとしては用途に応じて、低コストで伝送性能に優れた標準タイプ、標準タイプから約15%の細径化を図った細径タイプ、優れた可動耐久性を発揮する高摺動タイプの3つを揃えています。いずれも従来商品「USB3 Visionケーブル」からケーブル仕様を変更することなくコネクター薄型化を実現しており、従来商品と同じ伝送距離を実現しています。特に高摺動タイプは、ロボット用ケーブルの開発を通じて培ったノウハウを活かし、可動時でも安定した伝送性能と、摺動3,000万回以上の耐久性、取り回しの良い柔軟性を並立し、機器実装時やメンテナンス時の作業性向上などにも寄与します。
OKI電線は、今後も多様化するニーズに対応したマシンビジョン用ケーブル開発に積極的に取り組んでまいります。
タイプ | 細径タイプ | 標準タイプ | 高摺動タイプ | |
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配線用途 | 固定用 | 可動用 | ||
ケーブル色 | グレー | 黒 | ||
ケーブル外径(標準) | 5.4mm | 6.4mm | 6.3mm | |
コネクターの種類 | 薄型スタンダードA+マイクロB | |||
コネクター色 | 黒 | |||
伝送距離 | 標準※1 | 2m | 3m | 2m |
最大※2 | 5m | 8m | 5m | |
可動耐久性 | — | — | 3,000万回以上 (摺動、R=50mm) |
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用途例 | 半導体製造装置、印刷装置、マウンター、産業用ロボット、電子顕微鏡、3Dスキャンなど |
基板実装装置や製品ラベル印刷装置などに使用され、1台以上のカメラ、光源、画像取り込み装置、画像処理装置によって外観や印刷欠損などの判別を行うシステム。