2020年8月18日
沖電線株式会社
沖電気工業株式会社
OKIグループの電線事業会社OKI電線(社長:小林 一成、本社:神奈川県川崎市)は、エア・ウォーター・バイオデザイン株式会社(社長:原 圭太、本社:兵庫県神戸市)が世界に先駆けて開発した8K内視鏡(注1)に使用する光電気複合ケーブル(以下、光複合ケーブル)の開発に成功しました。従来製品に比べ20%の軽量化と柔軟性・耐久性向上を実現しました。本年より出荷を開始し、他分野の展開も含め21年度5,000万円の販売を目指します。
光複合ケーブル
8K内視鏡カメラ(左)と、8K内視鏡カメラを使用した手術イメージ映像(右)
(画像はエア・ウォーター・バイオデザイン株式会社様提供)
8K内視鏡を使用した手術は、患部を大画面モニターに鮮明に表示することで、これまで見えにくかった細かい血管や神経が確認しやすくなり、切開や縫合の精度向上、および手術時間の短縮など医療スタッフや患者の負担軽減につながることから、医療業界に大きな革命をもたらすとして世界から注目されています。
今回開発した光複合ケーブルは、この8K内視鏡を使用した手術において、内視鏡をホールドする医療スタッフの負担を軽減する「軽量化」と、ケーブルの反発力を低減し内視鏡の取り回し性を向上させる「柔軟性」を実現したものです。ロボット用ケーブルの開発を通じて培ったOKI電線独自のノウハウを活かして、8K映像信号を高速かつ高精度に伝送できる広帯域光ファイバーケーブル、内視鏡への電力供給と制御を行うメタル電線、さらには、高温となる8K映像モジュールを冷却するためのエアチューブを、コンパクトに一体化しました。また、ケーブル全体を覆う外被は軽量コイル芯入り(注2)とすることにより潰れにくさを実現し、軽量化と柔軟性・耐久性の両立に成功しました。
OKI電線は、今回の商品開発で得た軽量・柔軟化技術の水平展開とさらなる発展に取り組み、医療はもとより放送・車載分野など、高精細な映像ニーズの高まる市場に向けた商品開発を積極的に進めてまいります。
水平画素数7,680×垂直4,320(ピクセル)の超高解像度映像で撮影が可能な医療用内視鏡カメラ
ケーブルを構成する外被の中に、軽量素材で作られたコイル状の補強心が一体に成型されているため、外圧に強く、かつ、柔軟に曲げられることが特徴のケーブル外被体