2020年5月14日
沖エンジニアリング株式会社
沖電気工業株式会社
中空パッケージの気密性試験の様子
OKIグループで信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリング(社長:橋本 雅明、本社:東京都練馬区、以下OEG)は、自動運転やスマートフォン向けの加速度センサーや光通信デバイスなどとして使用される「中空パッケージ(注1)部品」の調達や代替品選定の際に利用できる「中空パッケージ部品ワンストップ信頼性試験サービス」を5月15日より開始します。新サービスは、電子部品の調達や代替部品選定時の品質確認を、従来の半分の約2週間で実施します。宇宙・自動車・医療・通信などの業界において、新規の部品調達や代替品の選定を必要とする企業をお客様として、2020年度1,000万円の売上を目指します。
エレクトロニクス製品を製造するためには、電子部品の自社製造もしくはメーカーからの調達が欠かせません。自然災害・パンデミックなど様々な事態により、従来のルートでの調達が難しくなった場合、企業は代替部品の品質問題に起因するリコールや自主回収などのリスクを回避するため、製品が求める同一仕様の電子部品を選定し切替えることが急務となります。しかし、こうした電子部品は複数のメーカーで製造されている場合もあり、それぞれの製造ラインの実力や、部品が要求される信頼性・品質を満たしているかを確認するには、時間や手間がかかります。
OEGではお客様のこうした課題に対応するため、これまで実施してきた電子部品の信頼性試験に加え、このたび新たに、中空パッケージ部品の気密性試験への対応を開始し、高信頼性電子部品試験の国際規格MIL-STD-883(注2)に規定されるスクリーニング試験(注3)全11項目のワンストップでの実施を可能としました。これにより、電子部品の調達や代替部品選定時の品質確認を従来の半分の約2週間で実施し、エレクトロニクス製品の製造期間短縮と信頼性向上をこれまで以上に強力にサポートすることが可能となりました。
OEGは、信頼性試験がお客様製品の高い品質を維持するために欠かせない技術であるとの考えに基づき、今後も技術者の育成や、設備・体制の強化に取り組んでまいります。
パッケージ内部が空洞(中空構造)となっている電子部品(加速度センサー、光通信デバイス、CCDセンサー、MEMSなど)の総称。
MIL規格(United States Military Standard)は、アメリカ軍が必要とするさまざまな物資の調達に使われる規格の総称。MIL-STD-883は集積回路のための試験方法を規定している。
潜在欠陥の故障メカニズムに則して行う試験で、原則として良品をいためず全数に非破壊検査を実施し、故障摘出品に対しては故障解析を行う。