2017年7月25日
OKIは、人と自然な対話を実現するAI対話エンジン「Ladadie™(ラダディ™)」を本日より提供開始します。「Ladadie」は、ユーザー自身では気付かなかった真のニーズを引き出すコンサルタントのラダリング技法(注1)を用いた対話や、キーワードの掘り下げでFAQを効率的に検索するための対話など、性質の異なる対話を同一エンジンで行うことができます。また、LINE®やFacebook®などに代表されるSNS上のテキストチャットによる対話や、コンタクトセンターなどで利用されている音声認識エンジンとの連携による音声対話にも対応することが可能です。
少子高齢化による労働人口減少は、対話を必要とする窓口業務などの人材確保が困難な状況を生み始めています。一方で、顧客接点の拡大による商品PRやロイヤリティー向上で売上げ拡大を目指す動きが活発化しており、様々な場面でAI(人工知能)の活用が期待されています。OKIは、コンタクトセンター、営業店窓口端末、ATMや情報KIOSK端末などの従来からの顧客接点に加え、SNSといった新たなツールのサポートに着目し、実績のあるエンジン(注2)を核として「対話」という新たなユーザーインターフェースを提供するAI対話エンジン「Ladadie」を開発しました。
「Ladadie」はOKIが30年以上にわたり研究開発してきた、機械翻訳や対話システムなどの自然言語処理技術を活用したAI対話エンジンです。発話内容からユーザーの意図を解析し、推論ルールにより潜在的なニーズなどを推論します。その結果を元に、深掘り・言い換え・要約・情報提供といったラダリング技法を用い、納得感・安心感を与えながら対話を行います。また、企業の基幹システムやインターネットサービスなどの外部システムからリアルタイムに情報を取得し、対話に活用できます。「Ladadie」は業務規定、マニュアルやFAQなどの情報を構造化知識辞書(多次元オントロジー(注3))に保有します。対話シナリオもオントロジーに保有することにより、プログラミング無しで対話シナリオの記述が行えるため、高い記述性・保守性を保有しています。特に、FAQへの対応においてはオントロジーの自動構築・半自動構築が行えるようになります。
OKIは今後、労働集約型の業務を中心にさまざまな顧客接点へ「Ladadie」の適用を拡大していき、人材不足の課題を抱える企業の競争力向上への貢献を目指します。
本発表に対して、以下ご賛同をいただいています。
沖電気工業株式会社様と弊社とで共同開発した技術が、AIの活用が広がる中で今商品化されることはとても意味があると思います。学習機能を備え始めた機械と、その中を直接見ることができない人間を有機的につなぎ、共に改善していくための技術として、とても意味深いと考えています。この共同開発した技術が、人間の知識と機械の学習力をより高度に繋ぐ世界を実現してくれることを期待しております。
株式会社リクルートキャリア
事業開発部 ビジネスプロデューサー 加藤 茂博
ユーザーの発話に対して、深掘り・言い換え・要約・情報提供を段階的に繰り返しながら、ユーザーが自分自身では気付かなかった真のニーズや原因などを明らかにする対話技法。
経済産業省「情報大航海プロジェクト」においてリクルート社と共同開発を行った対話エンジン「ラダサーチ®」。
オントロジーはコンピューターで知識処理(対話など)を行うために、ドメイン内の概念と概念間の関係を形式的に表現した構造化知識辞書。多次元オントロジーは、対話を進める中で蓄積したユーザーの情報(文脈)に応じて、使用する知識をダイナミックに変化させる技術。当社にて日米特許取得済み。