2011年度
綾南小学校ボランティア出前講座に出席
レポート OKIネットワーカーズ 下山利博
「OKIネットワーカーズ(注1)」の下山利博は、社会福祉法人葛飾区社会福祉協議会かつしかボランティアセンターより依頼を受け、2012年3月10日(土)に葛飾区立綾南小学校で行われたボランティア出前講座の授業に講師のひとりとして参加しました。今回の授業は、総合的な学習として、福祉やバリアフリーについて知り理解を深めることを目的として行われたものです。
同校の4年生2クラスの児童58名を対象に、アイマスク体験、車イス体験が行われました。当日は、公開授業でもあったため10名を越える保護者の見学もありました。
下山の講座の様子
質問に答えてくれました
「車イス体験」の授業では、自己紹介で交通事故が原因で車イスの生活をしていることを通してバリアが身近にあることを話しました。特に、犬の糞やタンつば、道路にこぼされた飲みかけのコーヒーなどを車イスで踏みつけてしまい洋服を汚してしまった体験から、ポイ捨てをしないだけでなく町をきれいにしてほしいとお願いしました。続いて、車イス操作と体験コースの説明後、児童同士がペアを組んで介助する側とされる側の体験を行いました。6台の車イスごとに分かれた児童の皆さんに、段差介助とマットの乗り越えをすることにより、段差や坂道・悪路などをイメージした介助体験をしてもらいました。続いて、介助してもらう側として乗っていた児童が自走体験をします。車イスを自分で操作してパイロン(注2)をジグザグによけて進んでもらいました。思うように操作ができなくて苦労する児童もいましたが、真剣に取り組んでいたので、車イス介助のコツを理解できたと思います。
車イスの説明の様子
車イス体験の様子
力を合わせて体格の良い先生を介助しました(右側)
体格の良い先生を2人がかりで介助をしました。力を合わせると介助できることも学びました。体験の終了後には、車イスでの生活での実体験や気持ちなどを話しました。そして、コミュニケーションの大切さと車イス操作時の思いやりの気持ちを忘れないでほしいと訴え、「勇気あるやさしい人になってほしい」と強調して話を終えました。葛飾区に車イスを利用する障害者について理解できる子ども達が増えたことが、とても嬉しいです。
授業終了後、校舎への移動時に「押してもらっていいですか」とお願いしますと、喜んでスロープ介助をしてくれました。数名の児童が手伝って押していただき、一人ひとりのやさしさを感じました。本当にありがとうございました。
生徒の皆さんの感想から(抜粋)
- 車イスに乗ったことが無くてどんな感じなのかわかりませんでした。実際に乗ってみると坂のところが怖かったです。車イスに乗っていつ人の気持ちがわかりました。介助するのは坂を上がるのが難しかったです。
- 車イスを自分でこいで曲がる動作は後のタイヤがパイロンに引っかかって難しかったです。
- 車イスはひとりで乗れるものだと思っていたけれど体験をしてみるといろいろな人のサポートがいると気付きました。
- 注1:OKIネットワーカーズ
OKIグループの重度肢体障害者在宅勤務チームのニックネームです。
OKIグループの障害者雇用を行う特例子会社、株式会社沖ワークウェルに全員が所属しています。 - 注2:パイロン
工事現場で使われている、注意を促すための円錐形状の置物のこと。カラーコーンともいい、赤色や黄色などのものがあります。今回は車イスの走行時の障害物として使用。