2011年度
大道中学校ボランティア出前講座に出席
レポート OKIネットワーカーズ 下山利博
「OKIネットワーカーズ(注1)」の下山利博は、社会福祉法人葛飾区社会福祉協議会かつしかボランティアセンターより依頼を受け、2012年2月3日(金)と10日(金)の両日に、葛飾区立大道中学校で行われたボランティア出前講座の授業に講師のひとりとして参加しました。今回の授業は、総合的な学習として、ボランティアの理解や関心を深めるため体験学習を通して学ぶことを目的として行われたものです。
同校の体育館にて1年生の2クラスの生徒65名を対象に、シニア体験、車イス体験が行われました。
下山の講座の様子
車イスの説明の様子
「車イス体験」の授業では、簡単な自己紹介のあと、障害者になった当時の様子や車イスでの生活について話しました。外出時にさまざまなバリアがあることで、外出時につらく なってしまうことを紹介して、いざという時のために車イスの介助ができるように学んでほしいことを伝えました。続いて、車イス操作と体験コースの説明後、生徒同士がペアを組んで介助する側とされる側の体験を行いました。6台の車イスごとに分かれた生徒の皆さんに、段差介助とマットの乗り越えをすることにより、段差や坂道・悪路などをイメージした介助体験をしてもらいました。続いて、介助してもらう側として乗っていた生徒が自走体験をします。車イスを自分で操作してパイロン(注2)をジグザグによけて進んでもらいました。思うように操作ができなくて苦労する生徒もいましたが、真剣に取り組んでいたので車イス介助のコツを理解できたと思います。
段差介助の様子
アドバイスを行います
先生と生徒の皆さんに階段介助をしていただきました
体験の終了後には、車イスでの生活での実体験や気持ちなどを話しました。そして、コミュニケーションの大切さと車イス操作時の思いやりの気持ちを忘れないでほしいと訴え、「勇気あるやさしい人になってほしい」と強調して話を終えました。授業の終了後には、数名が質問をしに来てくれました。葛飾区に障害者について理解できる子ども達が増えたことが、とても嬉しいです。
2階の体育館への移動時に、先生と生徒さんにより階段介助を手伝っていただきました。快く介助をしていただき、本当にありがとうございました。葛飾区に車イスを利用する障害者について理解できる子ども達が増えたことが、とても嬉しいです。
生徒の皆さんの感想から(抜粋)
- ゴミのポイ捨てにより車イス利用者が困ることを学びました。絶対にゴミのポイ捨てをしないと決めました。もし捨てられていたら、きちんと捨てなおしますので安心して出かけてください。
- この社会にはいろいろな人がいるのだと実感しました。人を思いやる気持ちと積極的に人を助ける事が大切だと知り、ボランティアに参加しようと思いました。話を聞いて、生きる勇気をもらったような気がしました。
- はじめて車イスに乗って他人に身体を預けると、強烈な不安がありました。介助する人は、利用者が安心して乗れるように優しく丁寧に操作して押さないといけないことを学びました。ボランティア体験の大切さがわかりました。
- もし、自分が障害者になったら部屋の外に出たくなくなり閉じこもってしまい、生きることが嫌になってしまうのではないかと思いました。笑顔で話していて、すごく強くて人生を楽しんでいるのではないかと思い、憧れました。
- 注1:OKIネットワーカーズ
OKIグループの重度肢体障害者在宅勤務チームのニックネームです。
OKIグループの障害者雇用を行う特例子会社、株式会社沖ワークウェルに全員が所属しています。 - 注2:パイロン
工事現場で使われている、注意を促すための円錐形状の置物のこと。カラーコーンともいい、赤色や黄色などのものがあります。今回は車イスの走行時の障害物として使用。